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テーマ:60年代米国音楽(313)
カテゴリ:60年代米国音楽
“Paradise” by The Ronettes 1965 人の一生は、それぞれの場合が本当に千差万別で、どれが正しいとかどれが良い生き方とか、簡単には決められるものでない。そんなことは百も承知のはずなのだけど、人によっては、誰が見ても結果が不幸であったり惨めであったりということも、当然あるわけだ。 フィル・スペクター氏の場合はどうだろう。新型コロナの合併症で亡くなったという知らせには、なぜか驚きはしなかった。彼の激しい生き方からすれば、むしろコロナ禍のあまりにも普通の老人の死に方だと思ったからなのか。それとも、逆にあまりに彼らしい最期に思えたからなのか。 フィル・スペクターの作り出した音に、若い頃の僕らは夢中になった。当時よりもいろんな音源の手に入る今は、さらに多くの素晴らしい歌の数々を僕らは享受している。何が言いたいかといえば、彼がどんな生き方をしたかということよりも、彼の残した音楽の素晴らしさの方に関心が向いてしまうということだ。 一番最初にフィル・スペクターの名前を意識したのは、ロネッツの『ビー・マイ・ベイビー』が流行った頃で、たまにしか買えなかったミュージックライフにその名前があったからだと思う。あとは、5つ上の大学生だった兄が東京から帰省した時にも、話題に上ったなあ。 その後、僕が上京して予備校に通っていた年 (1968年) に、兄は一浪一留してまだ大学生で、通っていた大学の学生バンドのマネージャーと称してオリジナル曲の詞を書いたりしてた。そのバンドが僕は好きで、何度か演奏を聴きに行ったことがある。 いわゆるロックバンドなんだけど、結構選曲が良くて、ポップスや R&B を特に凝ったアレンジをせずに演奏したのが良かった。メンバーは男ばかりだったけれど、アレサ・フランクリンの『小さな願い』、シュープリームスの『ユー・キープ・ミー・ハンギング・オン』のような女性ヴォーカル物も得意だった。 中でも、僕が一番気に入っていたのは、ロネッツの『ビー・マイ・ベイビー』だ。これもこのバンドの十八番だった。リード・ヴォーカルにギター2本、ベース、ドラムの5人編成で、当然レコードのような Wall of Sound が出せるはずもないのだけれど、歌はうまいし、ドラムも十分カッコよくて、今でもその演奏の姿を思い出せる。 あれからすでに50年以上も経つのか。僕より10歳年上のフィル・スペクターが81歳でこの世を去ったのも無理はないかね。ちょうど僕とフィル・スペクターの間の年に生まれた兄は、すでに72歳で他界している。 あれこれと思いを巡らせても、どうになるものではないし、すべては神の思し召しと、万事をすんなり受け入れてしまえれば、本当はそれが一番なのかもしれない。 フィル・スペクターは葬儀はどんな風にやったんだろう。もし彼がキリスト教徒だったら、天国に行くのでしょうかね。 生きている間はいろいろあって大変だったので、天国では安らかに眠ってほしいです。 ロネッツの『パラダイス』のソングライティング・チームにはニルソンの他にフィル・スペクターも名前を連ねていますね。もちろん、プロデュースはフィル・スペクターだ。 “Paradise” by The Ronettes 1965
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1月30日の穴沢ジョージの “Good Old Music (フィル・スペクター特集)” のオンエア曲です。 1. Be My Baby (ロネッツ) 2. A Kiss from Your Lips (Billy Storm) 3. He Knows I Love Him Too Much (Arlene Smith) 4. He’s a Rebel (クリスタルズ) 5. (Today I Met) The Boy I’m Gonna Marry (Darlene Love) 6. To Know Him Is To Love Him (テディ・ベアーズ) 7. Da Doo Ron Ron (クリスタルズ) 8. Hold Me Tight (The Treasures) 9. Save the Last Dance for Me (Ike & Tina Turner) 10. ふられた気持ち (ライチャス・ブラザース) 11. Paradise (ロネッツ)
フィル・スペクター追悼特集でしたので、すべてフィル・スペクター関連曲です。 リクエスト曲は、7.ウィンカー・ダッソーネさん。8.酋長kobaさん。以上、ありがとうございました。 上記以外は、穴沢選曲でした。フィル・スペクター氏には、どうか天国で安らかに眠っていただきたいと願うばかりです。 では、次回もよろしく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.02.03 03:29:29
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