東海旅客鉄道 (東証一部 : 9022) - ターミナルは品川、名古屋が有力
東海旅客鉄道(東証一部 : 9022)社長 松本正之さん(64) まつもと・まさゆき 名大法卒、1967年日本国有鉄道入社。JR東海新幹線運行本部総務部長、常務、専務、副社長を経て、2004年6月から現職。三重県出身。 --ビジネス客の比重が大きい東海道新幹線の輸送量は景気のバロメーターだ 「2008年11月の輸送量は前年同月比2%減。愛・地球博(愛知万博)の反動減を除けば、4年ぶりに前年同月実績を下回った。企業の出張抑制の影響が出ている。営業現場から『これまでグリーン車を使っていた人が指定席にシフトしている』などの声も出ている。年末年始(08年12月26日~09年1月4日)はほぼ前年並みで推移した。09年3月期でみれば、前半は2%増、後半は当初2%減でみていたが、なんとか前年並みにもっていきたい」 「3月のダイヤ改正で『のぞみ』を1時間あたり最大9本体制にするとともに、N700系を追加投入して東京~広島間にも走らせる。さらにエクスプレス予約の法人向けサービスも始める予定で、ビジネス需要の取り込みに全力をあげる」 --国の景気対策で、09年度から2年間、土曜、休日の普通乗用車の高速道路料金が原則最大1000円になる。影響は 「新幹線への影響は比較的少ないとみる。しかし、在来線の特急列車には相当な影響が出る。地域と連携して魅力あるイベントを打ち出し、需要の喚起を図る。特に10年は奈良で平城遷都1300年祭、13年には伊勢神宮の式年遷宮もある。こうしたイベントをからめて、さまざまな旅行商品を企画していく」 --25年に首都圏~中京圏で運転開始予定のリニア中央新幹線の青写真が徐々に見えてきた 「首都圏のターミナルは品川、中京圏は名古屋が有力。都市部は大深度地下トンネル、また山岳部も長大トンネルで貫通させる。中間駅はルートによってどこに置くかが決まる。東海道新幹線と同じ16両編成を念頭に置く」 --具体的なルートは 「事業採算性など4項目にわたる国の調査指示を受けて、昨年12月下旬に関係する都県の知事らに協力を求めてきた。最も合理的な案(長野・山梨県境の南アルプスをほぼ直線で貫くルート)を持つが、いろんな意見をうかがいながら最終判断する。ただ、用地買収やトンネルの建設などは10年程度かかるとみている。ルートをめぐる自治体と協議する時間は限られており、できる限り早く結論を出したい」 --延伸の時期は 「東京~大阪間で計画されており、今の時点でいつとはいえない。首都圏~中京圏間の建設状況を見極めた上で準備を進めたい」(松村信仁)フジサンケイ ビジネスアイ - 2009年2月12日バックナンバーアメリカでさえ鉄道が復権する時代が来る - 2008年04月22日