STMB:善通寺映画「サマータイムマシン・ブルース (STMB)」ロケ地巡礼は、いよいよ善通寺編として市街地へ繰り出した! ●オアシス湯 ●映画館 ●番外:讃岐うどん清水屋・赤門筋 ●松井うどん・UFO通り ●善通寺五重塔・南大門 ●善通寺金堂・常行堂 ●本家かたパン・神様セーフの門 ●善通寺編仁王門・御影堂 ●善通寺市まんでがん 街で何より見たかったのがコレ、オアシス湯ならぬ大正湯。 細い路地の延長線上にちょうど善通寺五重塔があり、 絵的に良い構図が得られる。 ●オアシス湯 映画では看板部分に写真右のアクリル板が貼られていた。 この「オアシス湯」看板はホワイトハウス内、 あのSF研部室横の写真展示室の扉に掛けてあったもの。 また、その写真展示室の窓側に掛けられていた暖簾が、 ここ大正湯の入口に掛けて撮影された。 大正湯入口の看板周辺。 意表を突いた洋風なデザインだが(笑) レトロな雰囲気なので善通寺の町並みに馴染んでいる。 STMBにおいてオアシス湯は、 あのヴィダルサスーン事件のためにシーン数が多く印象に残る。 しかし銭湯内のシーンは別に、近くの「森岡温泉」で撮影された。 映画とは関係無いけど、これは大正湯の煙突。 ニョキッとそびえ、目立っていたので思わず撮った。 建造物の高さ制限が低く抑えられてるのかもしれない。 ●映画館 次に善通寺市街地編としては映画館=森岡温泉へ! まず、そこへ向かう路地の入口には、こんな赤いゲートがある。 (写真左側、手前にせり出した四角には森岡温泉のネオンサイン) ここ善通寺市のメインは総本山善通寺。 その東院へは「赤門」と呼ばれる門をくぐることになるのだが、 赤門へ続く通りは「赤門筋」と呼ばれ、 写真右の大きな門が設けられている。 森岡温泉へのゲートは、これを模したものだと思われる。 なおSTMBでは提灯等で華やかに飾られていた。 甲本(瑛太)達は、その怪しげな門をくぐって映画館へ。 奥が「ところで、君はUFOを見たか」を上映していた映画館。 しかしここ、実際は森岡温泉という銭湯である。 この外観だけ見て銭湯と解る人がどれだけいるだろうか(笑) なお、STMBでオアシス湯内部のシーンは、 こちら森岡温泉の中で撮影されたという。 なにげにオアシスっぽい樹があるにもかかわらず、 逆に、この外観は映画館として使用されたのだからややこしい。 あとSTMBはヨーロッパ企画の舞台劇を元にしてるわけだが、 上映中だったタイトル「ところで、君はUFOを見たか」は、 記念すべきヨーロッパ企画旗揚げ公演の二人芝居とか。 そして、これが映画館じゃなくて森岡温泉入口。 映画では入口の右側へチケットブースを付け足して撮影。 そこから館主(三上市朗)が、 トレードマークのスタートレック姿で出て来る。 このせり出したコンクリートを穿つ樹は、 どのような工法と順序で実現したか?善通寺市の七不思議である(嘘) それにしても、 大正湯もそうだったが、いい感じにレトロで渋い。 なお、撮影時に銭湯の壁を飾っていた絵(砂漠のオアシス)は、 この中に今も掛けてあるらしい。 続いて善通寺市街地編としては番外の讃岐うどん清水屋・赤門筋へ! STMBとは関係ないのだが、 上の写真は前記事で触れた赤門筋を真っすぐ前進した様子。 JR土讃線の駅方面から善通寺を目指すと、ここを通過することになる。 ていうか、屋根付きのオブジェがあったり、綺麗な舗装で、 「こちらからどうぞ」と、誘うかのような作りになっている。 奥へかすかに見えるのが善通寺の赤門。 こちらは善通寺の東門にあたるが、 実は南側に正面玄関とも言える立派な「南大門」が存在する。 ●清水屋 赤門筋と大学の中間地点にあるうどん屋「清水屋」へ寄ってみた。 老舗に有名店が多い讃岐うどんとしてはニューウェーブ的。 清潔で小綺麗な店内です。讃岐うどんらしくない?(笑) うどんを紹介した雑誌から事前に情報を入手。 本広監督が気に入り、ここのうどんを何度も食べたそうで、 こりゃ行かねばなるまいと期待して暖簾をくぐった。 ●肉玉ぶっかけ 雑誌でオススメされてた「肉玉ぶっかけ」420円を注文。 温玉なので生たまごが苦手な人でも大丈夫。 この日は暑かったので「冷」を食べたが、 麺はツルツルでエッジがあり、コシも強くて大満足。 サッパリ系が多い讃岐にしては濃いめのダシで、 温玉と絡んでも旨味が薄れない。 実は今回巡ったうどん店の中では個人的に一番好みの味だった。 DVDのコメンタリーによると、 映画「UDON」で讃岐うどんの打ち方を紹介するシーンは、 ここの大将が実演していたとのこと。 うどん店詳細データ(四国新聞社:讃岐うどん遍路) 善通寺市街地編は、くすりのまつい&松井うどん・UFO通りへ! ●松井うどん 映画では「くすりのまつい」と「元祖松井うどん」が並んでいた場所。 店頭を「ギンギン」が飾っていた。 そしてそこは本広監督のお遊びが見られた要チェックポイント、 だったのだが、現在は花屋さん(?) 映画撮影の頃には「岡村薬局」があったらしい。 なお「松井うどん」は本広監督の弟が映画「UDON」をきっかけに 現在、三豊市三野町で同店名にて営業している。 「お前、うどん屋になれ」みたいな兄の言いなりで開店したそうだ(笑) ちなみに、UDONで主な舞台となった主人公の実家は「松井製麺所」 香川を舞台にしたUDONの構想を練っていた本広監督だったが、 STMBの方を先に撮ったため、 UDONと重複する素材やキャラが多数存在する。 ●UFO通り 石松(ムロツヨシ)や甲本(瑛太)がギンギンを持って駆け、 カメラクラブの女性達が未来人:田村を案内した「中通り商店街」 撮影スタッフは街灯の形から「UFO通り」と呼んだ。 (写真右が、その街灯のアップ。確かに変わった形) そして巡礼隊は、いよいよ善通寺へ! ●南大門 SF研の面々がオアシス湯の帰りに通る善通寺。 その正面玄関とも言えるのがここ南大門。 総本山善通寺は弘法大師生誕の地として知られる 四国八十八ヶ所の七十五番札所。 裏手に広い駐車場も整備されており、 門前町善通寺にあって最大の観光資源である。 SF研は洗面器を抱えて南大門をくぐり、 この先を左に折れて大学へ戻るが、 (石松と甲本は「用がある」と言ってここから分かれる) 現実の位置関係は当然のように全く異なる。 ●五重塔 高さ45メートルに及ぶ善通寺のシンボル、五重塔。 南大門を入ると右手にそびえる。 現在の塔は明治35年(1902)に再建が完了したものだという。 それでも百年は経過してるんですね。 なお、手前に見えるのは鐘楼。 ●赤門 これは赤門筋を通って辿り着く赤門。 善通寺は東院(迦藍)と西院(誕生院)に分かれているが、 市街地から入る場合、 東院へは通常この赤門か南大門のいずれかをくぐる事になる。 実は赤門筋に釣られてここから入場することがあっても、 動線的に退出時は南大門へ向かう造りになっている。 そのため赤門は比較的質素で、この辺りは人通りも少ない。 善通寺編は神様(升毅)出現ポイントの金堂・常行堂へ! ●金堂 南大門を入ると正面に見える金堂(本堂)。 STMBでは升毅が、様々な姿で何カ所も小さく出演しているが、 神様というくくりで一つの大役(?)を演じた事になっている。 そして金堂前は善通寺での神様出現ポイントの一つ。 なお、善通寺において神様は、お遍路さん姿で統一されている。 ●常行堂 常行堂は、甲本(瑛太)と新美(与座嘉秋)がオアシス湯からの帰路、 ヴィダルサスーンについてやり取りした時に 「これはセーフなのか?」と甲本が首をかしげたカットの背景。 丸い環になった石灯籠が特徴的だ。 なお、そのシーンで向かい側に立つ新美のカットも神様出現ポイント。 これは数ある神様出現シーンの中でも示唆的なものとして知られ、 神様セーフと呼ばれているとかいないとか(笑) ●お遍路フォトロケーション 南大門を入ってすぐ左側にあるお遍路成りきりフォトロケーション。 実はここも神様出現ポイントだが、 エンディングに映る写真の一枚としてなので非常に発見が困難。 ていうか、小さ過ぎるから言われなければ無理。 神様は、このパネルの向かって右側にお遍路姿で立っているため、 ただ、お遍路さんが三人並んだ写真に見えるし(笑) ちなみに、その写真でパネルから顔を覗かせているのも出演者。 神様と記念撮影しちゃったのかよ(笑) とりあえずSTMBでいう神様とは、 映画のラスト近くで伊藤(真木よう子)が発した言葉 「全ては決められていたんじゃないかと思う、神様に」 その神様を指し、時間を監視する者のようだ。 善通寺編としては「本家かたパン」とかの番外。 ●本家かたパン「熊岡菓子店」 映画ではSF研のクーラーが壊れた翌日、 暑さを演出するワンシーンとして写っていた店がこれ。 本家かたパン「熊岡菓子店」 しかし、なんと取材に行った日は休業だった(泣) もちろん名物は、本家と謳っている「かたパン」 石のように固い煎餅のような菓子で、計り売りしている。 この熊岡菓子店は東院と西院の間の通りにあるため、 ざっくり言えば善通寺の一部、みたいな・・・。 ●神様セーフの門 これは東院の西端にある名称不明の門。 (たぶん門には「寺通善」と書いてあるのではないかと) 前出の神様セーフは、この門を背景に撮られている。 以上のように映画では大きく登場しないが 田村と曽我のロケ地案内(SF研と周る「街」)においては、 善通寺部分の頭がここから始まるため、彼らがくぐるシーンもある。 (コレクターズエディションDVDの特典ディスクより) 善通寺西院の裏に駐車場があるため、 ロケ地案内コンビ(田村と曽我)は最初に西院を通過し、 この門をくぐってロケ地の東院へ入ったと思われる。 つまり、逆に東院から西院へ行く場合もこの門をくぐることになる。 善通寺編最後は番外の西院へ! ●仁王門 仁王門、人の身長の二倍はあろうかという大ワラジ(?) こちらは門の裏側にあたり、表に対をなす仁王像がある。 他所の寺でも仁王像の近くで大ワラジを見かけるが、 そこでの説明文によれば大ワラジは、仁王像が履いたとされる、 あるいは履くために奉納された物であることが多い。 (注:善通寺においては未確認) ●御影堂 西院の御影堂。奥殿には大師自作と伝わる本尊が秘蔵されている。 映画には登場しない善通寺の西院(誕生院)側だが、 弘法大師生誕の地に建つことから、 寺としての重要度はむしろここ誕生院の方が高いのかもしれない。 御影堂地下には、約100メートルの「戒壇めぐり」があり、 暗闇の中、宝号を唱えながら大師と結縁する道場となっている。 その「戒壇めぐり」を盛り込んだ観光ツアーも存在する。 ●済世橋 西院の裏(山側)にある駐車場から見た済世橋。 巡礼隊は駐車場に車を停め、ここを渡って参拝したのだが、 まるで浄土へ渡るかのような趣きがある。 参考サイト:総本山善通寺 http://www.zentsuji.com/sanpai/keidai.html もう一つついでに番外編「SF研と周る街」より。 ●赤門筋の屋根付き交差点 赤門筋の中間地点にある交差点の屋根。 これも映画には登場しないが、 田村と曽我のロケ地案内(SF研と周る「街」)において、 くすりのまつい&松井うどんを案内するコーナーの頭部分で映る。 (コレクターズエディションDVDの特典ディスクより) 写真の奥、柱の陰へかすかに「まんでがん」の看板が見えるが、 左手前、黄色の傘のテナントにも実は「まんでがんプラザ」の文字がある。 彼らは映像内で、それを見て「まんでがんて何ですかね」と語り、 すかさずそこに解説のテロップが入る。 「まんでがん」とは讃岐の方言で「すべて・全部」を表すとのこと。 なお、奥の看板は 「善通寺市まちづくり会社(株)まんでがん」の物のようだ。 (ジュース・ワイン等を扱っているが、町おこしが本業のTMO) ●DEAR 田村と曽我が「まんでがんプラザ」へ入ろうとして不可だった後、 映画の「かっぱ祭」について語りながら通過する際、 背景に映るのがこのDEAR。セルフの小綺麗なカフェ。 この界隈では入りやすい店だったので、 思わずここで休憩をとった。 どっちかって言うとテイクアウトのケーキが主力っぽくて、 ついでに「ゴマとサツマイモのタルト(写真左下)」も食べたが、 普通に美味しかった(笑) 善通寺市のSTMBロケ地巡礼は、これで終わり。 狭い範囲に多くの見所があって、とても充実した旅だった。 なお、サマータイムマシン・ブルースは3枚組の 「プレミアム・コレクターズ・エディション」が絶対オススメ。 比較的安いし(笑) 特にDisc.3:SF研ディスクが必見! あの部室にSF研(Z3+なんと瑛太まで)が会し爆笑トーク。 映画見ながら(小窓で被せ)裏話を語りつつ自画自賛する(笑) さらに外回りとして前述の田村(本多力)と曽我(永野宗典)が (二人は元ネタ舞台劇のヨーロッパ企画に在籍) 街を散策するという内容。 Disc.1:本編は通常版と共通で、監督と脚本家のコメンタリー入り。 Disc.2:タイムマシンディスク(約130分)は主にメイキング。 2時間スペシャル番組1本分に相当する編集が為されている。 クランクインする前に合宿が行われていた映像や、笑える舞台挨拶、 涙もろい川岡大次郎など見逃せない。 また、必見の「神様」は出現ポイントを隈無く紹介。 STMBは最初に観た時、瑛太や上野樹里が目立たない、 キャラの活きていない映画と思ったが・・・、 何度か観るうち、またメイキングを観ればなおさら、 これはチーム全員で成り立った「突出しないユルイ映画」だと解る。 そして、観るたびに学生時代を思い起こすような、 それ自体がタイムマシンの役割を果たす癒し系青春コメディなのだ。 |