うつ病患者の家族は…
今日は一日雨で、そうでなくてもアンニュイなのに、北朝鮮がミサイルを乱発していて、落ち着かないA.G.真織です。あれ、海を航行している船とか、避けてくれるんですかね。ところで。夫がうつ病の闘病中、ということをブログで書いたりしていると、たまにうつ病を煩った方の家族の人から相談を受けることもあります。相談といっても、私は素人で、自分の体験や夫の症状について話すことしかできませんが、それでも不安に思う人の何かしらのヒントになればなあ、と思って話します。うつ病というのは、誰でもかかる病気です。事故に遭って骨折した、とか、インフルエンザにかかった、というのと同じ様に。ですが、かかりやすい人というのはいるようです。それは生真面目で、責任感の強い、何もかもを抱え込みやすい人というのが、それに当てはまるようです。ストレスをうまく発散させることが出来ない人も、その部類になるようです。つまり、社会で一番頼りにされて、一番必要とされるタイプ、会社で一番いい社員だ、と言われる方ほど、うつ病にかかりやすいというわけです。そういった人たちに、「あなたは病気なのだから、しっかり休養しなさい」といっても、なかなか受け入れてもらえないことが多いです。それは自分がいま仕事を休んでしまったら、他の人に迷惑がかかる、とか、申し訳ない、とか、生活はどうなる、とか自分よりも周りの事の方を気にしてしまうからですですが、実際問題として、うつ病を治療しながら仕事をこなすのは難しいようです。仕事が原因でうつ病を発症した場合などは、なおさらです。特に、心療内科や精神科に行った時、医師の方から「お休みされてはどうでしょうか」と言われた場合は、休むのが得策です。発症してすぐ治療に専念すれば、早く完治する、という話もあります。うつ病は一番つらいのは本人です。家族はその辛さを良く知る必要があります。そして、何よりも患者さんを早く休ませてあげる事を考えるべきです。ただ、家族も人間です。大黒柱が仕事を休む、ということに不安を感じることもあるでしょう。うつ病なんて病気、どうしたらいいの?と思うこともあるでしょう。怪我や熱など症状が目に見えるものでないことから、またその日によって症状の重い軽いがあることから、なかなか理解できないこともあるでしょう。そんな時は、他の家族に相談するのも一つの策です。事実、私もそうでした。夫の症状が重くなり、育児と主人の闘病を支えることの両立が難しくなった時、頼ったのは、夫の実家でした。私は夫の妻ですが、子供達の母でもあります。子供達には私しかいません。ですが、夫には夫に深い愛情を注いでくれるもう一つの存在、両親がいるのです。夫を両親におまかせすることで、私は冷静になれました。それまでおぼろげでしか理解出来ていなかったうつ病を、しっかり勉強しようと思う余裕ができました。たくさんの資料を読み、多くの患者さんやその家族のブログを読みました。うつ病患者の家族として、何をすべきなのか。何が出来るのかをもう一度考えました。そして次に夫が戻って来たときは、一緒に病気と闘うんだ、という覚悟を身につけました。私は今、病気と闘う夫と話す機会をたくさん作ろうとしています。私はうつ病の経験がありませんから、彼の話を聞くことで、彼の気持ち、彼の考えを理解するしかないんです。今日の気分はどうか。今どんなことを不安に思っているか。何が一番辛いか。患者さんはどうしても負の感情を抱えることが多く、楽しいとか幸せだと感じる機会が少なくなります。その抱えてしまった不安や辛さを一緒に同調して、発散させることが出来れば、素晴らしいなあ、と思います。そして、夫から聞いた話や彼の様子はメモして残しています。それは診察の時に役に立ちます。いざ医師の前で何を話していいやらわからなくなる、という事をを防ぎます。薬の副作用なども知る事もできるでしょう。うつ病という病気は判断力や記憶力を鈍らせたり、時に気分が落ち込んでしまったら、人と話すどころではなくなってしまうので、メモする事は大事です。とても重要な家族によるサポートだと思います。薬の管理も大事なサポートです。のみ忘れを防ぐためにも、「飲んだ?」と確認します。しかし、うつ病の患者さんのサポートは一人では無理です。一人で抱えるには、負担が大きすぎます。逆に参ってしまうでしょう。家族みんなに理解してもらって、サポートしてもらうことが一番いいと思います。みんなに知られたくない、と患者さんは思うこともあるでしょうが、それがそもそも間違いです。うつ病は誰でもかかる可能性のある病気です。風邪や怪我と同じ様に。それの何が恥ずかしいというのでしょう。何がみっともないというのでしょう。今、うつ病にかかる人が増えていると聞きます。そのことは大変不幸なことだと思いますが、増えることで、正しいうつ病の認識が広まってくれれば、嬉しい事だと思います。最近眠れなくなったなあ、とか、仕事に集中できない、仕事の事を考えると変な汗が出る、イライラする、落ち着かない、悲観的になる…など辛いと思う様になったら、病院へ行きましょう。同じ職場に最近様子が変だ、と思う仲間がいるなら、その人に是非声をかけてください。「休んでゆっくりしてみたら?」とその仲間の方に言葉をかけてください。そして自分の家族やパートナーが苦しんでいるなら、「一緒に病院へ行こう」と言ってください。「長い人生少々休んだところでたいしたことじゃない。体を休めて、ゆっくり病気を治そう」と言ってください。最近笑顔を見せる様になった夫をみて、私はとても幸せです。もっともっとたくさん見れれば、私はもっと幸せになるでしょう。みなさんも、どうかそうでありますように。