2021/01/27(水)08:11
at Home(アット・ホーム) 本多孝好
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at Home(アット・ホーム) 本多孝好
ブロ友&小説すばる友のくれぱすさんがブログで紹介されていて、
面白そうだし、本多孝好さん好きだし、で読んでみました。
家族をテーマにした短編集です。
「at Home」、「日曜日のヤドカリ」、「リバイバル」「共犯者たち」
の四編載っています。
どれも面白いですが、表題作の「at Home」が一番印象深いです。
淳坊と呼ばれている主人公は、父さんと母さんと、
妹の明日香、弟の隆史の五人で暮らしている。
父さんの職業は泥棒。空き巣だ。
母さんの職業はこれまた人には言えないもので・・・・。
という話ですが、この家族があっと言う秘密を持っています。
それぞれの事情が絡み合って、重大な事件を引き起こします。
しかし、何よりも家族の絆を大事にする面々の行動が
とても素敵で、胸が熱くなります。
この家族構成、「ストレイヤーズ・クロニクル」にも
通じるものがあって、本多さんのテーマなのかな、と思ってしまいました。
「日曜日のヤドカリ」は子持ちの年上の女性と結婚した男の話。
女性の子供が娘なのですが、二人の変わった関係がとても面白い。
とても仲が良くて、良い関係だなあ、と思いましたよ。
最後何事もなかったかのように振る舞う二人が素敵でした。
「リバイバル」は一番悲しい話ですかね。
人生は辛いものだ、と痛感させられます。
最後の「共犯者たち」は痛快な話です。
いや、話はちょっと辛い、というか悲しい話なのですが、
主人公達の行動が痛快なのです。
特にお母さんが賢くて、度胸があって、秘密も持っていて、
と印象深い人物でした。
くれぱすさんもおっしゃっていますが、普通ってなんだろう?と思います。
家族ってなんだろう?とも思いますね。色々考えさせてくれる短編集でした。
どれも暖かい話で、読むと何だか希望がわいてきます。
くれぱすさん、ご紹介ありがとうございました。