隠者の遠近見聞回想録

2008/08/11(月)21:00

四半世紀。

     オマエがこの世に生まれ出でてから、今日で、ちょうど、25年、四半世紀が経った、な。 オマエが生まれた時のことは忘れられない。 初めての子というだけでなく、陣痛が始まってから産声を聞くまで三日三晩もかかった、その間に起こったことも忘れられない。 なかなか生まれ出ようとしないオマエのことを、母とよく話しをした。 いまどきの産科医は、自分の都合で、出産日を決めてしまう。当時も、陣痛促進剤を使用するのは、ごく普通のことだった。 だが、オマエを取り上げてくれた老医者は、頑固一徹のオヤジだった。「生命の誕生は自然に任せる」・・・と、三日三晩もつきあった。 「眠り腰」とかいうようで、なかなか、陣痛が切迫してこないのだ。 生命の誕生には、月の満ち欠け、潮の干満が大きく影響すると聞いていたが、ソレは、本当にそうだったと、母も私も身をもって体験した。 なにしろ、三日三晩もつきあったのだから、ね。 私の、26歳の夏だったよ。

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