かつて、かいじゅうたちの本棚があった。

本当にあったことそのままじゃないから嫌だと言われても。
例えば史実と言われることを元にしていたとしても、誰かが語った時点で、それは創作物だ。
ノンフィクションと呼ばれる創作物も、そう。歴史小説なんかもそうですよね。
史実をベースにおもしろいお話を作り上げている。どんなに装飾して作っても、つまらないものはつまらないよ。
いや、「チ。」のアニメがね、全何回かとクマが聞くので、もうあと何回もないよ。とテキトーなことを答えて、一応調べておくかとネットを眺めていたら、あのお話が創作だと知って「モヤモヤしている」という方が知恵袋にいらしたので、あらあら、と思ったのです。ネット上の書き込みを、私は「そういうふうに思う人もいる」という、ただそれだけを知るために見ています。正解不正解とかジャッジするためではありません。だから、その感想を言う人が目の前にいたら、そのモヤモヤをもっと詳しく聞いて、一緒に正体を見極めたい。もしかしたら、物語というものに慣れていないのかもしれないな。歴史上の出来事をモデルにした創作物で、本当にあったことだけを書いたものなんてないでしょう。そんなの不可能だ。そもそも、自分ちの昨日の出来事だって、記録した人の視点によるんだから、家族それぞれまったく違うものになってもおかしくない。だから、それを他人が読んで、おもしろい創作物になるかどうかは、作者の手腕によるわけよ。
まあ、実際「チ。」はモーレツおもしろいよね。もしかしたら、地動説にものすごく思い入れがあって、ここは変えないでほしかった、とか、この人物は登場させてほしかった、とか言う人もいるのかもしれないけど、だったら自分で書けばいいよねw　あれだけ作り上げたのは魚豊さんの成果だし、他の人にはできない。史実と違うから嫌だと思って、ただそれが気になって読めないくらいなら読まなくてもいいのだ。自分で納得いくように史実を調べればいい。地動説に興味はあるけど、史実を自分で調べる根気もない私は、魚豊さんがおもしろい漫画にしてくれて助かった。でも、あれを観て「地動説」を語ることはしないよ、おそれおおい。「チ。」アニメの感想なら書くよ。迷いのなかに倫理がある。ほほ～。

そして、もうひとつのお話です。「御上先生」を音だけ聞いていたクマがいちいちひっかかる。今回のお話は、教科書検定。（と教育指導要領とディベート／高校三年生の文化祭参加）たぶん、現役の現場の先生方からすると、ドラマなんぞで簡単に語ってくれるな、という話。センシティブ、だしね。まあ、テレビドラマを、どう観るか？というのも「テレビで言ってたから、そうなんだ」と安易に鵜呑みにして、受け売りするようなことはしてはいけないし、私は、テレビドラマが好きで観ている人は、それを踏まえた上で楽しんでいるんじゃないかと思ってるけど、クマはどうも、そこを危惧しているのではないかと感じます。それは、ドラマの問題じゃなくて、観る人の知性の問題でしょ、と思うけどねえ。少なくとも、考えたこともない、教科書検定なんて聞いたこともない人に知らせる効果はあるよ。（知らなくてもいいよって言われそうだけど）結局、一般テレビ視聴者を信頼してるか、馬鹿にしてるか、の違いなんじゃないの。テレビなんてみてるのはバカばっかり、っていう考え方だからさあ。違うんだよ。フィクションのどこに意味を盛り込むか、受け取るか、は作り手と受け手の問題で、作る人が何を言いたいか読み取らなくちゃいけないし、ものによっては、「こーいうのが好きなんでしょ？」という、ナメられてる感の強いものもありますからね。頭使おう。まあ、事件を起こして刺激的な展開にして興味を引こうという演出には、ちょっと辟易してきたところではある。考察にも興味はない。
でもそういう見方をする人が多い以上は、そうなるでしょうね。何にしても頭を使えばいいんじゃない？
感想を書けよ、みたいなことになってますが？「ホットスポット」見ようっと。