『華氏451度』"FAHRENHEIT 451" レイ・ブラッドベリ
レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』を原文で読みました。1920年生まれのブラッドベリが1953年に世に出した小説です。私が読んだのは、上画像のペーパーバックでイギリスの HarperVoyager から出た、This paperback edition 2008 59って書いてあるんだけど「59」って何かな・・わからん。刷数?以前も書いたとおり、三部構成で「50周年記念版に寄せての前書き」と「後書き」(AFTERWORD)がついてます。本文に興味のある方は、翻訳版でも原文でも読んでいただいて、このブログは小説のあらすじを書くブログじゃありませんよ? 残念wちなみに、本のデザインどおり、タイトルのFahrenheit 451 は『華氏451度』摂氏にすると何度かな? こないだネコスケが200℃ちょっとくらい?って言ってましたけどそんなに高くないねって、これはFAHRENHEIT 451:the temperature at whichbook-paper catches fire and burns紙が自然発火する温度ということです。上の英文は巻頭辞にあります。ですから「炎、燃やす」っていうイメージと「本、書物」ってイメージがくりかえしことばや形を変えて現れる。タイトルはキャッチーだけど、本文に自然発火する書物が出てくることはないので(なかったと思うけど!?)本文との関連性は自分で考えなくちゃいけない。2回映画化されていて、タイトル検索すると映画のビジュアルも出てくるので、想像はつくと思いますが、消防士(fireman)が本を焼く世界の話です。登場人物は何人もいないのでわかりやすいんですが「本が焼かれる」世界の秩序に、疑問を持つ人、荷担する人、従属する人に大きくわかれます。SF的な要素ももちろんありますので、う~ん、道を歩くことが禁止されてるとか(これは、自分が夜友人と帰宅途中ただ歩いていただけで、職務質問されていらついた経験からきてるそうですw 早く帰ってつづき書きたかったのに!って書いてあったw)「parlour」って何だろうな?と思いながら読んでたんだけど応接室じゃなくて、でかいスクリーン(wall)がいくつもあって住んでる人の思想、感情、生活に干渉してくる・・要は、管理社会なんですね。こんな世の中だったら?って想像しながら読むとおもしろい。あー、あとあれだ! 機械犬が襲ってくるね!wMechanical Houndって書いてあったな、クモみたいな脚の? どんなのよ・・映画を観たくなるわ。新しい方の映画ならCGで作れそう。firemanである主人公に、疑問を抱かせるClarisse「I'm seventeen and I'm crazy」って自己紹介するすごく地面に近い女の子。一緒に歩いてもいい?追われる身になった主人公に手を貸す引退した教授のFaber(唯一頼れる人)「Mr Montag, you are looking at a coward. I saw the way things were going, a long time back. I said nothing.」(まだつづきます)間違ってると思いながら、何もしなかった自分を責めている。何か、できたはず。この人、翻訳ではおじいさんしゃべりしてますかね・・?w 怖くて読めないわ・・なぜ本を焼くのかを冷静に語る署長(Chief)管理社会に翻弄される妻のMildred登場人物はみな興味深く。第三部 Burning Bright は本に愛着を持つ人が胸を詰まらせずにはいられない結末です。あなたが、本だ。前書きも後書きも、そんなに大きな違いはなく最終的に作品が完成するまでの経緯とブラッドベリの「図書館」に対する愛着が語られます。大学に進学する費用のなかったブラッドベリが新聞を売りながら、図書館にどれだけお世話になったか、それは小さいころから。彼の知ってる女の人は、みんな本関係だってw先生と司書さんと、奥さんは書店員だったってwwわかりやすい。この小説は、大学図書館地下のタイプ室で小銭をかき集めて仕事場代わりに借りたタイプライターで書かれたものだそうです。巻頭の引用辞を探して、上の図書館から本を抱え降りて、また戻しに行ってをくりかえし。だからこその、結末でしょう。焼きたくて、本を焼いてるわけじゃないわ。最後にブラッドベリの後書きから。I did not write Fahrenheit 451, it wrote me.自ら動き出す作品の力よ。泣きそう。Anti-Hero / Taylor SwiftDirected by? テイラーが監督したの?あ、私の大好きな遺産争いをテイラーがMVに入れ込んでいる!!w遺産争いなら映画「ナイブズアウト」をおすすめしますよ。大騒ぎだねwIt's meHiI'm the problem, it's me夢って不思議ねー。さて。ああ、読み終わってしまった・・ほんとに満足しました。ブラッドベリは、書かなきゃご飯が食べられない!妻子を養えない!って状況で小説を書いてるんですね。だから、回想にもナントカの原稿はいくらで売れたとか買い手がつかなかったとか、リアルな話が多くて何とかして人を楽しませるお話を書かなくちゃいけないと努力していて伝えたいことが、伝わるだけのことばづかいで小難しいこけおどしの表現はしない。ハリー・ポッターのローリングさんもたしかシングルマザーになって追いつめられて、書き始めたって(なんと「賢者の石」のペーパーバックもここにあるぞ!?w 読もうかw)切羽詰まると、何が出てくるかわかりませんね!しかし・・私も図書館大好き。うちの子たちも当然のように大学図書館に通ってるけど「本をめくる」って行為がアナログ過ぎて、廃れる日がいつかくるのかしら。なんだか、さみしいわ。でも、私が本だ。ではでは