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ジョンは暇さえ在ればギターを弾くようになっていた。
満子はジョンの要望に添い、山をもう一つ売り、ピアノと録音機器を買ってしまった。満子はジョンの肉体的魅力もそうだが、えも言わぬ精神性にも惹かれているようだった。 テツロウは、ジョンと渾然一体となっていく感じだった。 テツロウの内面の意識が眠っている、つまりジョンの意識が顕在化しないときにも、レコードを買い求め、映画をみるようになった。 学生時代に、ミーハーサークルに籍を置き、そういった芸術系の学生を馬鹿にしていたが、自分がそうなっていくとは思いもよらなかった。 在る夜 ジョンはテツロウが買ってきたあるCDを見つけ、烈火の如く怒った。 「BEATLES ANTHLOGY 1 FREE AS A BIRD」それを聞いてしまったのだ 「なぜ俺のがらくたがビートルズなんだ」 「君以外のメンバーはOKをだしたんだよ」 ジョンは不機嫌だった。 「金儲けか・・・」 「かもね」 しかし、 何度か聞くうちに 特にミドルのポールとジョージのボーカルパートを繰り返し聞くようになった。 「しかし、テツ、ほかにもこんなBOOTLEGみたいなもんがあるのか」 「あるよ、ほれこのとおり」 とテツロウはビートルズアンソロジー 2 3と ジョンレノンアンソロジーを出した。 「他になかったのか??」 「どういう意味??」 「だから、ビートルズを墓場に送るような、凄い音楽さ」 「さぁ、君らみたいに売れたバンドは他にないよ」 「ふぅーん、この前、ドノバンのサンシャインスーパーマンがCMで流れてたぞ、その前はゾンビーズにストーンズだ、まるでシックスティーズだ、しかもストーンズはアルバムまで出してたぞ、チープトリックや、ブロンディはどうしたんだ??」 「ずいぶん前に消えてるよ」 「仕方がないな」 「何が・・」 「もう一度やるしかないな」 「えっ」 テツロウはなんだかいやぁーな予感がした」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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