2006/11/23(木)23:20
MY FAVORITE 100 100/7 ABBEY ROAD
1969年
ロックがその質を変え、アドリブと大音響の渦巻く世界へ移行し
ビートルズがちっぽけなもののように感じられた時期ではなかったのか
「ウッドストック」「ワイト島」
ビートルズの「B」の字も無い。
彼らが撒いた種は彼ら自身も覆い尽くそうとしていた。
そんな時勢に抗うが如く
ストーンズは強烈なナンバー「JUMPING JACK」を噴出し
ミックテイラーを加え、巨大化したコンサートユニットを引きずってアメリカをまわっていた。
レッドゼッペリンが確立してしまった途方も無いコンサート
天下のストーンズはアジャストするのに必死だ
鬱憤を晴らすが如くアメリカ、イギリスから「アイドル」とは程遠いルックスのミュージシャンが出てきていた。
ビートルズは余りにもか細く、頼りなく見えたに違いない。
内部的な矛盾も噴出し
アップルは泥沼化し、アレンクラインの登場はポールの孤立を決定的にした。
「GET BACK」セッションは活性化どころか、亀裂を深めるだけに終わった。
アビーロードは、心不全になりかかったビートルズの最後のプライドだ
「SHOOT---」余りにも不気味な「R&B」で幕は開く
彼らは演奏家ではなく「ARTIST」で「PHENONMEN」だった。
ペンタトニックスケールもアドリブも
彼らの方法論には無い
マーシャルアンプとレスポールが錬金術で「黄金」となり
ビートルズ株は暴落したかのように見えた。
彼らはあえてスタジオの鍵をかけてしまったかのようだ
8Trのマスターテープは彼らの最も上質な部分をすくいとっている
彼らは永遠にヌーベルバーグという明らかな矛盾を最後まで貫き通した
若年層のサブカルチャーとしてのロックが解体して
60’Sのキッズたちがやがて労働の癒しとしての商品を求めることを予見して
ビートルズは幕を下ろす
「世にあふれる演奏家」にThe Endで皮肉をこめて