2014/02/10(月)15:45
^-^◆ 下情(かじょう)と下事(かじ)
^-^◆ 下情(かじょう)と下事(かじ)
下情(かじょう)は 下事(かじ)と同じからず
人の君たる者は 下情(かじょう)には通ぜざる可(べ)からず
下事には……則ち必ずしも通ぜず
下情(かじょう)は下事(かじ)と同じではない。
人の上に立つ者(指導者)は下情に通じていなければならない。
……が下事には必ずしも通じなくてもよい。
下情というのは下々の心情、人情風俗の状況である。
人の上に立つものはこれをよく知っていなければならない。
昔の君主が「民心を把握する」というのはこれである。
下事というのは下々の技術的な仕事のことである。
これは長たる者、必ずしも通じていなければならないという
ものではない。
大臣や長官が計算器やタイプライターの打ち方まで
一々おぼえなくてもよい。しかし、民衆が何を考え、
何に苦しみ、何に悩み何を望んでいるかという下情に通じ
なければ、本当の政治はできない。
政治ばかりではない。
官庁や、学校、会社でも、上に立つ者が下事に通じていても、
部下の不満や希望、その他、人心の幾微に通じないため
人々の協力が得られなくて、大事なことを行うことができない
場合がある。
江戸時代、信州松代藩の家老恩田大工(たくみ)や、
備中松山藩の家老山田方谷が、窮乏に陥った藩の財政を
建て直して、見事に行政改革を成功させたのは、
自ら率先垂範(そっせんすいはん)とともに、よく民心を
把握し下情に通じた改革であったからである。
【注】・君 ---天皇とか藩主とかと解しやすいが、
本来の字義よりすれば、「指導者」
と解すべきである。
・下情 --下々の様子、民心、人情風俗。
・下事 --下々のなすわざ。
・必ずしも通ぜず---通じていなければならないという
ものではない。
越川 春樹 著 人間学 佐藤一斎 言志録 より
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◆木戸俊彦さんのメルマガの中の『志言寺子屋』で
見つけたものを、ご了解を頂いて転載しました。(^。^)
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