2021/03/18(木)18:05
^-^◆ 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群[4]
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^-^◆ 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群[4]
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群[3]
【文化的な価値について<上>】
「では、沖ノ島と関連遺産群の何が評価されたのかについて、
説明して頂けますか?」
「分かりました。(^。^)
沖ノ島と関連遺産が評価された最大のポイントはですね、
沖ノ島が、4世紀から1,600年の長きにわたって、
『聖地』として有り続けたことによってもたらされました」
「様々な掟を作って、島(神)を守ったんですね」
「そうです。永年守られてきた『沖ノ島の掟(しきたり)』です。
詳しく話しましょう。『不言様(おいわずさま)』これは、
沖ノ島で見聞きしたことは一切口外してはならないという事。
そして『一木一草一石たりとも持ち出してはならない』
江戸時代にはこの掟を破ったことで祟りがあったという伝承も
残っています。(-_-)」
「うわっ、それは恐いですね。でもこの掟が守られたお陰で、
様々な遺跡が残されたんですね……」
「そうです。そして『上陸前の禊』現在は一般の人が沖ノ島に
上陸することはできませんが、許可された場合も、初めに
裸で海に浸かり身を清める禊を行わなければなりません」
「冬でも……ですか?」
「当然です。季節を問いません。沖津宮に日々使える神職の方も
もちろん禊をしています。
そして『女人禁制』です。実は、2017年迄、
沖津宮大祭がある5月27日に限って、
抽選で当選した男性の上陸は許されていましたが、現在は、
禁止になりましたから『女人禁制』から事実上の『入島禁止』
となっています。
最後は『島内で四つ足の動物を食べてはいけない』です。
入島禁止になりましたから、これらの禁忌が犯される心配は
無くなりましたが……」
「何だか事細かに、凄い掟ですね…………」
「ですね、その事によって、奉献品(お供え物的なもの)や、
それらがどのように拝まれてきたかを示す
「原型」と「変遷」が、手つかずの形でそのまま遺されて
きたことが、文化的な高い価値として認められたんです」
「出土品八万点が全て国宝と聞きましたが……」
「うん、もっと沢山出土していますがね……。(^。^)
知っての通り沖ノ島は玄界灘のまっただ中に浮かんでいます。
周囲は4キロ・高さ243mの孤島なんです。
地理的な位置づけでも分かったように、
古代から航路の道標とされてきた神の島なんです」
「海が荒れた時なんかは本当に神に見えたでしょうね。
島内での人の痕跡というのは、何時頃からなんですか?」
「沖ノ島に人類が足を踏み入れたのは相当古くてね、
縄文時代前期から末期・晩期に至る土器が出土しています。
そして弥生時代・古墳時代を経て歴史時代に至るまでの遺跡が
存在しているんですよ……」
「歴史時代って……何ですか?」
「文献や記録によって過去の人びとの社会や文化を知ることの
できる時代のことで、日本では6世紀後半以降になるかな」
「なるほど、それ以前は出土品等から、類推することに
なるんですね」
第一次発掘調査
「そうだね。沖ノ島ではね、
現在迄に約23ケ所の古代祭祀遺跡が発見されているんだよ。
その祭場は、
岩上 → 岩陰 → 半岩陰・半露天 → 露天
と言う風に、4段階の変遷をたどっているのさ。
後で写真で説明するから少し待ってね」
「分かりました。
先ほどの話からしますと、4世紀位からの遺跡が、
たくさん残っているという事になるんですね……凄いなー」
「そう、4世紀から10世紀までの約600年の長い年月の間、
大和朝廷が鏡・金指輪・龍頭・唐三彩・馬具・奈良三彩などの
最高級の豪華な品々を奉納していたようなんだよ。
そして、対外交渉にかかわる重要な国家祭祀を執り行ったと
考えられている……」
「沢山の宝物は、その後どうなっているんですか?」
「これらの遺跡からの発掘品はね、現在全て宗像大社神宝館に
保管されているんだが、その総数は11万点とも12万点とも
言われていて、常時約1万点を展示上でみる事が出来るよ」
宗像大社神宝館
「ええっ!(゜_゜)そんなに沢山あるんですか?」
「そしてね、驚くべきことに、この12万点にも及ぶ出土品の
殆どが国宝・重要文化財に指定されているということ。
非常に貴重なものなんだよ」
「凄すぎます。そんな数の貴重な発掘品があるんですか?
うーーん、想像を絶していました。誰もが簡単に踏みいる事が
出来ない掟の島だったからこそ、保護されたんでしょうね」
「そうだね。(^。^)又、それらの奉献品のなかにはね、
遠く中近東のペルシャあたりから運ばれたと見られる品々も
沢山ある事から、この遺跡は『海の正倉院』と呼ばれている
のは、知っているね?」
沖津宮神官
「はい、以前にテレビで見ました。『地下の正倉院』と呼ばれて
いるのは、奈良橿原市の『新沢千塚古墳群』ですよね」
「ほう……、なかなかに詳しいね。見直したよ。(^。^)」
「それじゃー、沖ノ島の古代からの祭祀の形や、
主な発掘品の話に移って頂けますか?
まさに、世界遺産指定の文化的価値の主要部分ですね」
「分かった、それを次回に解説することにしようかね。(^。^)」
<続く>
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