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愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

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2022.08.23
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 ^-^◆【改訂】『長時間人を待つ』ってーー自分が試される[4・完]

  <前回>【改訂】『長時間人を待つ』ってーー自分が試される[3]


 表の現場はワイワイと賑やかだが、こっちにしてみれば、
随分待ったから今更焦る気も無くて、
ソファーの所で立って待っていた。

表から上司らしい方の声が聞こえてきた……。


     


「江藤君、事情は分かってるから……先に上がってくれー」

「……すみません、そうさせて頂きまーーす」

 ……と言いながら江藤が入ってきた。
助手の人(……といっても、江藤より年上の感じだが……)
と一緒に…………。

「おう!村井!待たせたな……。
 事情、聞いてくれたよな。……はははっ……参ったぞ……」

「ご苦労さん……。大変だったなぁ……」

「ちょっと、着替えて来るから待っててくれ……」

奥に消えた……。


      


互いの、たくさんの言葉を推定していたが、顔を見たら、
こんなもんだった。

……いつもの、ふたりの会話だ。

じっと立っておられる助手の人に、

「私のせいで、江藤が残りの作業抜けます……すみませんね」

と、言ったら、その人がいきなり手を握ってきて……、


        


「ありがとうございました。良く待っててくれました。
 私は、話を聞いても、全然信用していませんでした。
 …………すみません。
 私……、私……、お陰で、これから人を信用できます」

「……!」

「会社に電話連絡をした後……、
 村井さんが居られたかどうか確認した方が良いのではないかと
 何度か言いました。
 だって、待ってる人も居ないのにですよ……、
 異常に車を飛ばして事故にでもなったら……って、
 思ったもんですから……。
 5時間じゃー……多分帰られたはず。常識です。
 はっきり、事実を確認して、江藤さんにも諦めて貰った方が
 安全面で良いと判断したんです……。
 相当な荷も積んでますし……。
 でも…………、……ホント、すみません……。
 失礼な考えでした……」


     


「……いえ……」

「でも、江藤さん……『アイツは待ってる』って、
 一言、怒って言ったっきり相手にしてくれませんでした……。
 悪い事しました……。
 ホントにすみません……スミマセン」

なんと!!……涙ぐんでおられる…………。
こっちの方が感動してきた……。

「おっ、お待ちどう……。
 村井、こいつバカで涙もろいから、
 相手にするなよ。ははははっ…………。さぁ行くぞ、
 今日は、ぜ~~んぶ、俺のおごりやな……」

「ははははっ、そうやな……。ゴチになろうかな……。
 うぅぅー、腹減った。
 …………しっかしお前、この時間、店開いてないぞ」


     


「まっかせなさ~~い。
 さっき、行き付けの店に電話して、開けて貰ってる……」

「おっ、さすが…………。素早いな江藤(^。^)」

「江藤君、今日は、財産をはたいてご馳走しなくちゃな……」

 ……とは、責任者らしい人の発言。

「もちろんです。……では、お先に失礼します」


     
どんぐり実.jpg


「江藤……悪いなぁ……。良いのかホントに帰って……」

「ああ、ああ、皆の好意だ……。
 受けておこう。
 ところでお前を迎えに行った女の子……怒ってたろう……?」

「……っていうより、余りにびっくりした顔が、
 怒った顔の様に見えたんだと思うぜ……」

「ふふふふっ……、あいつ、俺に対して負けん気強いからなぁ。
 なーーんか突っ張ってなぁ……。お前が待って居なけりゃ―、
 帰って来た俺に『やっぱり居なかったわよー』って、
 威張りたかったんだ……アイツ……」

「好きなんじゃないか……お前の事。
 何か……俺に嫉妬してるみたいにも……感じたなぁ……」

「ふふふっ……相変わらず鋭いな……お前。
 ふふふふっ……(ー_ー)」


     


出口で、作業中の皆に向かって、

「これが、俺の親友の村井です。よろしくお願いします」って、

言ってくれたら、みんなから拍手が来て……これは……照れた。

 江藤が、すまなかったとか、ありがとうとか、
言わなかったことが胸を熱くした。
逆の立場でもそうだよな。……俺達って。
……たぶん。信じるってそんな事かもしれない。

そういう意味では……、
信じるっていう意味では、
俺は江藤に負けたかもしれない。

江藤の方が確信していたように感ずる……。
俺は、何回も心が揺れたもんなぁ…………。


      馬.jpg


 彼奴から『親友』という言葉をオフィシャルに聞いたのは、
初めての事だ。
……これはジーンと来た……。

 腹が減っていたのもあって、この夜の食事と酒は、
至極の極みであった。


      


 この出来事は、
今でも私の心の大切な部分を支える宝石として、
しっかりと光っている。

 その数か月後、衛藤の従姉の女性に会うことが
あったが…………。その彼女が、何と今、
我が家の息子たちの母親だから、
なんとも………縁深い……(一_一)

言うまでも無く……今でも、江藤とは、親戚として、
60年の家族ぐるみの付き合いだ……。  (´∀`)

        <完>




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最終更新日  2022.08.23 12:57:56
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