2024/09/24(火)14:24
^-^◆ 相変わらず分かり合えない上の者と下の者[3・完]
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^-^◆ 相変わらず分かり合えない上の者と下の者[3・完]
<Revival>
「絶対的に間違っているかというと、そうは言い切れないが、
相対的に現代の部下との関係を前提にすると、
間違いかもしれないな。
自分たちもそうやってきたから、
部下にも同じ試練を与えることが教育だと、
勘違いしているんじゃないか……」
「しかし、一般的には己の体験に基づいて、
それが成功体験であれば、それを繰り返すのは、
そんなにおかしいことじゃないと思うが……」
「そこなんだよ……。
若手は少なからず変化してきているわけだから、
このようなギャップが、コミュニケーションの上で、
苦手意識につながっていくわけだ。
相互にな…………。
だから現代は、上司の立場にある人間は、
部下が育ってきた環境や、価値観の違いを理解していないと、
部下を上手にマネジメントできない時代に、
なってきているんだよ」
「……理屈としては分かるが…………。
部下が育つ上司と、
育てられない上司は、一体何が違うのか?
そこんとこを具体的に教えてくれよ」
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「うん、俺の経験で役に立つなら幸いだが……。
最近、管理職研修をよく頼まれるんだが、
その時……、
受講生に必ず聞いていることがあるんだ」
「ほう……それはまた、何かな? (゜_゜ )」
「それはな……、
『部下を育成する上で最も大切なことは何ですか?』
という問いだ」
「……フム」
「日ごろから部下を成長させている上司達の返答はな……」
「うん、何て言うんだ?彼らは……」
「『コミュニケーションを多くとる』
『話しやすい環境をつくるために、
日ごろのコミュニケーションを大切にしている』
『部下の考えや意見を否定せずに尊重することで、
自ら考え行動するように心がけている』
といった回答が返ってくるんだよ」
「…………(-_-)」
「部下との間の信頼関係を構築するために、
上司のほうから積極的にコミュニケーションをとって、
部下を人間として尊重しているようなんだ」
「……よくそんな時間があるなぁ……。
いや、時間だけの問題でもないか…………(-_-)」
「いいかよく聞けよ。
一方、逆に部下を育てることが苦手な上司からは、
『やることが多くて、部下と話す時間が取れない』
『自分が率先垂範で引っ張っていきながら、
部下に経験を積ませている』という様な返答が返ってくる」
「……!! (゜_゜)」
「要するに、部下が育っていないこのような上司は、
部下とあまりコミュニケーションをとっていないようなんだ」
「……まさに俺のことだよ…………」
「しかし、よくよく考えてみるとだな、
忙しくて部下と話す機会がない上司たちの職場の現状が、
見えてくるんだよ。
昨今、多くの課長はプレイングマネジャーだから、
プレイヤー業務にもかなりの時間をとられて、
非常に忙しいのが実態だ…………な。
実際に、一人の部下と話す時間は1日に5分もないという
調査結果もあるくらいだよ」
「……分かるなぁぁぁ……」
「加えて、パワハラの問題なんかもあって、
昔のように部下に言いたいことが言えなくなっている。
飲みに誘うことも遠慮し、職場でも控えめに伝えるから、
本音や真意が相手に伝わらない。
部下のほうも、プライベートを重視する傾向が強くなり、
上司と飲みに行くことを避ける傾向にあるだろう……」
「うん、その上に最近は働き方改革の名の下に定時退社を
強要するから、上司が残業して、
部下は早々に帰るという職場も見受けられるのが実態だよ」
「うんうんそうだな……。
こんな風に上司と部下のコミュニケーションの機会は
ますます減少し、お互いを理解できない関係に陥って
しまっているのが現実だ」
「うーーーーん…………そうなんだよなーー」
「そんな風潮の中で、或る施策を実行して成果を出している
会社が注目を集めているんだ」
「えっ!! その施策って何よ!」
「簡単な事なんだ『定例的ミーティング』を導入して成果を、
出しているんだ。海外でも国内でも多くの会社が導入して、
かなりの成果を出している」
「そう簡単にいくのか?信じられん……」
「まぁ、頻度や時間などはさまざまなんだがな、
週1回だったり、或いは月1回だったりするし、時間も
1回あたり30~60分程度だが、
部下との対話を通して部下の目標支援と成長支援を目的に、
ミーティングをすることを制度として導入している訳だ」
「ミーティングを、定例業務にしてしまったか…………。
それでなくても忙しいのになぁ……」
「それ程、企業にとって後進の育成が重要課題ってことよ。
この制度を導入することで、部下は話したいことを話す機会を
得られるわけだ。一方上司は部下の考えや想いを聴くことで、
価値観の違いに気づくことができるようになるってことさ」
「うん考えてみれば、
制度としてミーティングをやるようになると、
我々プレーイングマネジャーも確かに助かるなぁ」
「上司と部下のコミュニケーションギャップを解消して、
よりよい人間関係や風通しのよい働きやすい職場をつくる
ひとつの有意義な方策だ。
こうした環境づくりは、会社人事の重要な課題だ。
提案していくという事も、管理職に取って、
ますます重要な役割になってきているんじゃないかな」
「うーん、そうだな……ほったらかして悩んでいたよ。
なんとも今日は良い話をありがとう。(^。^)
何だか君の話を聞いていて、家庭での子供たちとの
対応も似たようなもんだなぁ……って思えてきたよ。
いゃーー、今日はホントにありがとう。
講師料は、居酒屋という事で……(^-^)」
「ふふふふっ……いいね……(^。^)」
<完>
<出典>
茅切伸明氏『分かり合えない上司と部下~人事は何をすべきか?』
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