「書の前にたたずむ思い」
「時間よ止まれ」道場の中のある場所に飾ってある額の中に書かれた言葉だ。私の道場の近くに住む女性の書画の方の作品である。書は剣や禅の世界とひとつになっていて、とても“リン”とした氣を発するものが多い。 しかし、彼女の書く書画はいつもやわらかく、やさしさに溢れている。字と字の間に人を思う“思いやり”という氣が生まれて、こちらに伝わってくる。それでいて夏の庭に咲く向日葵の様に躍動的でもある。まったく不思議な書画である。「時間よ止まれ」人は流れゆく時間の中で幾度となくこう思う。しかし、吾々人間に与えられた時間は永遠の1秒しかない。一瞬一瞬を生き抜き輝く、時には曇りも雨の日もあっても良いが、人の本質はやはり 太陽のように輝くものだろうと感じる。この書画を見る度に私はこの与えられた永遠の1秒を心地よく生きたいと思う。この書画を一度はごらんになっていただきたい。