父を想い飲む日本酒
数日前に入院中の父親が亡くなりました。病院から私の携帯電話に「容態が急変した」という連絡が入り、病院に駆けつけた時には父親は既に息を引き取っていました。享年85歳。家族の為に一所懸命生きた一生でした。 6年前に脳血管性の認知症になり、2年前に胃ろうになった父親は、先に往った母親に4年ほど遅れて旅立ちました。 その日の夜は、私一人、自宅に戻り安置された父親を前に、父が好きだった日本酒のワンカップを飲みながら一夜を過ごしました。 私が幼い頃、父も含め祝い事があると、燗にした二級酒(現在の普通酒)を大人たちは、よく飲んでいました。子供の私には、熱燗の香りが駄目でした。三増酒も普通に飲まれていた昔のことです。 燗酒のあの香りは、トラウマになり、成人してから、日本酒を進んで飲むことがなくなりました。そんな経過で、日本酒の前にウヰスキーに傾倒するようにもなりました。 翌々日、私の息子が戻ってきて、父親が昔から飲んできた、地酒「竹の露」を二人で飲みました。 今は、純米酒や吟醸酒もあるので、純米大吟醸(はくろすいしゅ)、吟醸(遊 ASOBI)生詰、普通酒の3本を利き猪口に入れながら味わいました。 普通酒は日本酒度-2で、常温で飲みましたが、かなり甘く感じました。吟醸酒はアルコール添加がされ、生酒でもあり、軽快な飲みやすさがありました。純米大吟醸の「はくろすいしゅ」は、コクと清々しさがバランスよく同居していて、一番惹かれました。 父にとっては、若い時から飲んできた普通酒が一番飲み易かったと思いますが、一度は「はくろすいしゅ」も飲ませたかったと、この夜、思いました。後悔先に立たず...です。 父親が飲んでいた頃よりも、味や表示も含め変わってしまったかもしれませんが、父を想い飲む日本酒は、少しほろ苦い味がするようなしないような...です。(ここまでは、6/30に下書きする) 葬儀の後の直会も終わり、遠来の客や子供たちが帰り、たまたま私が、一人になる時間が訪れました。母に続き父もなくなったことでの寂しさが急にこみ上げてきました。入院していて声かけにもなかなか反応しなくなっていた父でしたが、居ると居ないとでは、こうも違うものかと愕然としました。 合掌 「竹の露 はくろすいしゅ」720ml 純米大吟醸山形県庄内の日本酒原材料米は羽黒産の酒造好適米「出羽燦々」