キュウリの曲がり具合から対処方法を探る。
キュウリの曲がり具合から対処方法を探る。 たとえばハウスキュウリ栽培。収穫シーズンを通しての[工場でいえば製品にあたる]キュウリの品質はいかがなものでしたか。そんなキュウリの生育状態判断についてのご質問いただきましたので、当ブログの関連回を再掲載してみました。よろしかったら。 ↓『キュウリの曲がり具合から生育状態を知る』キュウリは曲がっているのがあたりまえ、いえ曲がっているほうが良い・・・と、思われている消費者さんもおられます。しかし、この考え方は、キュウリという植物の生育から見た場合には疑問符がつく考え方だといえるでしょう。キュウリの定植から収穫終わりまでの生育全体を見た場合に、キュウリ果実の曲がりの発生が多くなるときは、キュウリの樹が疲れてきたとき に多くなることが統計上報告されています。具体的には たとえば ● 葉が繁りすぎて、光が充分に葉にあたらないとき あるいは、 ● 病気や虫などの影響で葉の機能が落ちたとき、 ● 天候が悪いとき、 ● 一度にたくさんの果実をならしすぎたあと、 ● 肥料や水が不足して、樹にストレスがかかったとき といった状況で、果実の曲がりが多くなることが判明しています。せっかく読んでいただけているのですから、土壌栄養学的に特化して曲がり果が起きるときの土の状態を説明しますと、 ● 実の上部が細いものは肩こけ果といわれますが、これは 石灰欠乏 ● 尻が太いものは、下葉が枯れてきたとき ● 2本つながっていたり、実に葉がつく奇形果は、ホウ素欠乏 ● 果実が縦に割れる裂果は、根が弱っているとき、 ● 食べて苦い苦味果は、 乾燥が影響 しているということがわかっているんですよ。このように、キュウリ果実は、 なんらかのストレスが、作物にかかるときに曲がるのです。したがって対処法は・・・作物にかかっているストレスを取り除いてやること。その方法ですが、土壌栄養学的には 不足している石灰やホウ素や苦土分などのそれぞれのミネラル分のはいった資材を施用してミネラル類を補ってやることで対処します。同時に、全体的には最初に述べた作物管理の適正化に努めることで果実の“曲がり”に対処していきます。すっとまっすぐに育ったキュウリの樹から取れる、素直なキュウリの果実は、ミネラルのバランスとれているので、とてもおいしいですよ。 シーズンを通して、良品を継続的に出荷できること。それ が、農業経営における一番の 経営安定策だ思います。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」