土壌診断は有効に使いましょう。
土壌診断は有効に使いましょう。前回[こちら]の続きです。もっとも稼がなければならない、いまこの時期に微量要素欠乏がででしまう圃場の土づくりの考え方として、ご参考までによろしかったら。 ↓土壌検査が一目でわかるこのような図。土壌検査表についていますよね。 9個の項目の割合が均等であれば問題ないのですが、うえの図のような歪/いびつな形になったら問題あり・・ということです。[畜産業が盛んな県でみられることが多い]この図の場合の いびつなかたちの原因は、 カリや石灰が多すぎる & 苦土/マグネシウムが少ないということ。したがって対策としては、 ● カリと石灰を減らす ● 苦土/マグネシウムや微量要素を増やすということになります。つまりのの ののの こういうことです。ここでかんがえなければならないのは、カリが過剰になった原因です。もっとも考えられるのは、圃場に使用している“たい肥” の種類と量。たとえば 毎年やっている土壌の検査の診断値においてカリが多く苦土が少ない傾向にあるにもかかわらず、たい肥料の材料原料を区別することなく毎年毎年 “家畜ふんたい肥”を施用しつづけていませんでしたか・・ということです。 こういった圃場の土の特徴は土壌検査表でもわかりますよ。 たとえばこれが冒頭のグラフの土の診断表になるのですが、この表のアンモニア態窒素の量は 0.2、硝酸態窒素の量は 4.2 と、割合に低い値なのですけれど、EC値は 1.16 と、なっています。ここがポイントです。EC/電気伝導度の数値は 塩素にも反応しますからね。つまりは この土壌検査表に表されているEC値は 肥料分ではなく塩分に反応している と みるべきなのです[肥料分があるとおもっていたらあったのは塩分であったという話は こちら]。青菜に塩〔塩化ナトリウム〕の状態ともなれば、植物の生育もうまくいかないのは、まああたりまえの話でもありますし。。これだけでも充分だとは思いますが、もっとはっきりとそれぞれの成分のバランスを知りたい場合は、改めての土壌検査をおこない通常の土壌検査ではおこなわれない圃場の塩分とナトリウムの量を計測してみることもよいですね。おなじ意味で圃場の柔らかさなどをしるうえで腐植の量を調べることもよい。そうしたうえで、いよいよ カリと塩素にナトリウムが多く、腐植が少ないという圃場の状態がはっきりしたならば、この状態の改善策をとる。まずは 塩分を含んでいることの多い家畜ふんたい肥の施用を中止して、 ● 野草や落葉、藁などが原料の“昔ながらのたい肥”を施用していく ● 植物質の原料で作ったセンイ質の多いたい肥を施用する ● ピートモスを使用する ● 腐植酸を含んだ資材を活用するなどといった対策が、最適の土壌改良になります。ということで、今回はせっかくの土壌検査。検査した結果がでているのであれば、検査の結果に応じた対策をとりましょう&苦土や微量要素の効いた作物からできる健康な生産物をつくりましょうよ・・というおはなしでした。 そういったたい肥原料のちがいについては こちら。 ・・・たい肥原料の区別や作り方に言及しない現在の 有機JAS法であれば、いつまでたっても国際的には 認められないと思うんです[たとえば家畜の飼料に使 用する抗生物質などの問題は こちら。]。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」