2015/01/01(木)01:33
みるまに広がっていくのが売れ筋の作物。
みるまに広がっていくのが売れ筋の作物。G
前回はブドウの人気品種であるシャインマスカットの栽培が、日本全国で増え
ている現状をお伝えしました。そしてもちろん、こういった事象はシャインマ
スカットにかぎったことではなく、いったん売れると判断された作物であるな
らば、全国各地津々浦々でいっきに栽培が試みられます。
ブドウの実例でいえば、高度成長期の時代までの人気品種であったデラウェア
やキャンベル・ア-リーの場合がそうであったようですよ。たとえば・・・
果樹農家のAさんが、自分の果樹園のうちの10aをデラウェラに転換
↓
地元の市場に出荷されたデラウェラが高値で取引される
↓
Aさんは次期作で以前の品種を減らしてデラウェラの面積を20aに拡大
↓
地元の市場に出荷されたデラウェラ価格がさらに高値をよぶ
↓
Aさんの友人であるブドウ栽培農家のBさんも作付けをはじめる
↓
地元の市場に出荷されたデラウェラ価格がさらに高値をよぶ
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デラウェラの人気を知った野菜農家のCさんがデラウェラの栽培を始める
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地元の市場に出荷されたデラウェラの価格がさらに高値をよぶ
↓
3年後に地元で数十人規模のデラウェラの栽培が始まる
↓
地元にデラウェラ生産部会ができる
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5年後にデラウェラが県の重点作物にとりあげられる
↓
その3年後に栽培面積30ヘクタールという県の目標が掲げられる
↓
県の主要農産物になる
といったような経緯をたどってひろがっていく。じっさいに「栽培面積が30
0ヘクタール・生産者360戸の生産部会が1970年に設立された」とか、
「西日本有数のデラウェラ産地が1983年に総販売額9億円を達成した」な
どというケースも、これまでに実際にあったのです[ちなみにデラウェアとキャ
ンベル・ア-リーの栽培面積は全国で8000ヘクタールになったといわれて
います]。
そこで、今人気のシャインマスカットです。
日園連がまとめた概況では、その栽培面積は前年比10パーセント増の697
ヘクタール。高価格を原動力にどこまで栽培面積がのびていくものなのか、個人
的にも興味津々です。
つづく。
それぞれの農産物の大産地ともなれば「農家といえばブドウ農家ばかり」
とか「農家といえばピーマン農家ばかり」「農家といえばトマト農家ばか
り」といった状況も作り出します。
「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」