ハーブコア ♣ 高木肥料店

2018/12/04(火)16:34

『薬剤耐性菌の広がる経緯。』

いまの時期の定番記事。(275)

​薬剤耐性菌の広がる経緯。 2017年09月15日分ですが、次回資料分として再掲載です。 前回分の『日本政府の取組み』と併せて よろしかったら。 ↓ 『薬剤耐性菌の広がる経緯。』 本年7月14日に新聞各紙に掲載された『飼料抗菌薬2種禁止・ 耐性菌の人体影響懸念』という記事をご覧になった方も多いか と思います。 ここでもういちどその記事の内容を要約すると・・・ 「家畜の成長を促進させるため、飼料に混ぜて使うことが認め  られているコリスチンなど2種類の抗菌薬について、農林水  産省が飼料添加物としての指定を取り消し、使用を禁止する  方針を固めたことが13日、分かった。薬の効かない薬剤耐  性菌が家畜の体内で発生し、食品や環境を介して人に感染し  健康に悪影響が出るリスクが無視できないと判断した。​​​​​ 耐性菌による死者は、世界で年間70万人に上るとの試算も  あり、2016年の伊勢志摩サミットで各国は原因となる抗  菌薬の適切な使用を進めることに合意した。日本での禁止は  合意後初めて。審議会での検討を経て、本年度中にも正式に  決める。」 というものでしたが、その記事の内容をわかりやすく図示した ものが こちら ↓ 。    あらためてこの図を見ると、抗生物質の効かない薬剤耐性菌 が家畜の体内で発生し、食品や環境を介して人に感染し健康 に悪影響が出る経緯がよく表現できているなぁと思います。 しかし。このニュースの掲載時には、なぜか大部分の新聞は この図を使用せずに、薬剤耐性菌そのものの顕微鏡写真を付 記していた。そこで、前回のオランダの取り組み[こちら] と併せて、今回あらためて添付した次第です。 ・・・そして、今回の図と農水省の新聞発表をここであらた めて読みなおして特筆すべきなのは、   耐性菌に感染した患者を治療するときに医師が頼りにする  最強の抗生物質であり・既存の薬が効かない感染症への最  終手段として、いわゆる「最後の砦」として使われてきた  コリスチン  が、飼料添加物のひとつとしてある意味当然のこととして畜 産業の業界のなかで使用されつづけてきたということ。この 事実でしょう。 日本でさえこのような状態なのですから、2015年にはじ めてコリスチン耐性を持つ細菌が中国で発見されたのを皮切 りに、その後は検査するたびにつぎつぎにヨーロッパやアジ ア・アフリカなどの世界各地でみつかっていったのも、いま となっては必然であった気がしますよね。 その事実を鑑みれば、2016年の伊勢志摩サミットでこの 耐性菌問題が議題のひとつとされ、そして審議の結果として 参加各国の首脳が  原因となる抗菌薬の適切な使用を進めることに合意 したというのも[その危機感が]わかる気がします。 とにもかくにも、最初の一歩。人間に使われる抗生剤よりも 動物に使われる抗生剤のほうが多いとされている日本に住む いち市民の立場としては、これを皮切りに政府には耐性菌の リスクを少しでも減らしてく努力をつづけていってほしいな と、いまつよく思います。  ちなみに中国で2015年にはじめてコリスチン耐性   を持つ細菌が発見されたのは、じつは養豚場であった   とのことですね。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」 ​

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る