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テーマ:政治について(19781)
カテゴリ:格差社会
昨日の毎日新聞夕刊に蟹工船ブームについての中曽根総理の発言が掲載されていた。
以下のような発言である。 「ブームらしいね。フリーターなんかの境涯におる青年たちだろうね。全共闘みたいに反政府運動を起こす力はないが、心に時代や世の中に対する不満がうずまいておる。『蟹工船』を読むことで、仲間意識を持ち、癒やされるかもしれないな。これは自民党も民主党もない、政治家は考えないといかんよ」 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080606dde012040017000c.html 政治家は考えないといかんよの部分はそのとおりなのだが、「反政府運動をする力がないが読むことで仲間意識を持ち癒される」という部分にはちょっとひっかかる。 「蟹工船の惨状に比べれば今の貧困層はマシ」なんていうすっとぼけたことをぬかしている評論家よりはずっとまともなのだが、すぐに全共闘だの反政府運動だのを持ち出す感覚はいかにも古い。 今の時代、反政府運動などしなくても世の中は動く。民主国家だし、こればかりは後戻りできない。投票で政権だって変わる。何度も書いたけど、ネパールでだって選挙で王制が廃止され共産主義政権ができたことは中曽根氏も知らないわけではあるまい。 それに今の時代、政治活動はデモや集会だけではない。 ネットが登場して、一人ひとりの自発的な思いが発信できるようになったこと。 これも後戻りできない現実である。 そして、一人ひとりが思いを発信し、それが大きな流れになれば社会は変わる。 きっと変わっていく。 ※ 思えばオバマブームもネットで始まったものであり、当初はヒラリーこそが不動の有力候補とみられていた。 広がる格差や貧困に多くの人が他人事ではない危機感を感じている。それなのに政治家や御用学者はあいも変わらず、貧困は自己責任だといわんばかりの発言を繰り返している。財界人にいたっては「日本の貧困はアフリカよりマシ」なんていう人もいるくらいだ。 それをいうならネパールだって今世紀初頭のロシアだって、アフリカよりもましだっただろう。 蟹工船ブームは、貧困や格差の問題が、自己責任などではなく、人間らしく暮らせない社会のあり方自体の方に問題があるのではないかと問いかけるきっかけになったのではないか。 ※ 今後、おそらくこうした思いを受け止める政治勢力が大ブレークする。 それは多喜二の党とは限らないが、とにかく、ワーキングプアやフリーターとの連帯を実感させ、ネットをうまく使い、貧困や労働環境の問題に焦点をしぼって訴えかける政治勢力であることは間違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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僕の住んでいる田舎町の書店の店頭で、蟹工船が平積みされているのを見ました。一過性のブームで終わらないで欲しいと思いました。作者が拷問死していることにも注目して欲しいです。
思わず手にとってしまいました。 (2008年06月07日 17時03分12秒)
一夢庵 ひょっとこ斎さん
コメントありがとうございます。 一夢庵さんの日記も訪問させていただきました。 問題意識を共有しているみたいですね。 (2008年06月07日 18時15分34秒)
お気に入り登録しました^^
>ネットをうまく使い、貧困や労働環境の問題に焦点をしぼって訴えかける政治勢力であることは間違いない。 ----- 新自由主義は社会を根底から崩しますからね。 こんな状況下でネットを有効活用し、ナショナリズムの高揚に焦点を絞って訴えかける政治勢力にはウンザリです。 ただ…僕のブログは基本あんまり政治系がないです(左派を標榜するも甘い議論で自滅している例を見たので能力上がるまでは控えてます)が6月3日の記事にはグッドウィルの記事を書いてました。幼稚かもしれませんが… (2008年06月07日 21時39分20秒)
トマト旨いよね( ^ω^)さん
どうもありがとうございます。 日記も訪問させていただきグッドウィルの記事もよみました。 様々なところで労働待遇の劣化がおきているのですね。 何日か前の日記に引越しバイトは昔ほど割りよいバイトではないのではないか、仕事中の怪我なども増えているのではないか・・・ということを書きましたがやはりという感じです。 力のある人が自分の利益だけを考えたら、中核の人材や高度な専門知識を持つ技術者だけを大切に囲い込み、それと過重労働の正社員を少し、機械なみに扱える多勢の非正規雇用者という形が一番合理的でしょう。もちろん後2者に払う分はおさえにおさえ、管理職役員や株主だけが雲の上の生活をするのです。 役員が法外な報酬を得る一報、リストラなんだと社員を切り捨て、その生活や人生を木っ端微塵に吹き飛ばすようなことが行われるようになってから世の中変わりましたね。 資本主義は行き詰まっているように思います。 (2008年06月08日 09時20分03秒) |