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テーマ:政治について(19740)
カテゴリ:格差社会
ちょっと気が早いかもしれない。
でも書くことにしよう。 次の選挙のことである。 マスコミは勝手に争点を決めるかもしれないが、本当の争点を決めるのは私達有権者だ。 そして、たぶん次の選挙の争点は格差と貧困・・・。 ※ 貧困の問題は多くの人にとって他人事ではない。 あの秋葉原の殺傷事件になぜ多くの人が関心をもったのか。 実際の犯人像がどうであれ、あの一見、普通の家庭で普通に育った普通の若者の犯行に現代社会の病理をみたのではないか。 学校を卒業しても就職ができない。 真面目なサラリーマンがある日突然辞職を強要される。 なにかのきっかけで職場で辞めてくれといわんばかりの凄まじいパワハラやモラハラがはじまる。 こんなのは多くの人にとって決して他人事ではない。 そしてこの社会はひとたび落ちると蟻地獄のようにけっしてはいあがることができない構造になっていることも知られている。 ワーキングプアや非正規雇用。昼夜も土日も関係なく働いても自分ひとりの口も養えないような世界だ。 昔からたしかに貧困はあったが、健康な人間が真面目に働いて自分の口も養えないような貧困なんて、平成の今日が初めてではないか。 「蟹工船の労働者には結婚して赤ん坊もいる。まだ、恵まれているのではないか。」というのも今の読者からのいつわらざる実感である。 蟹工船ブームについて、元総理の中曽根氏は「反政府活動をする力はないが、本をよんで癒されている」と語っていた。現状への不満イコール反政府活動という認識はいかにも古い。古すぎる。 蟹工船の読者、いやこうしたブームに共感している一人ひとりが選挙で一票をもっていることを、この長老はお忘れなのだろうか。 ※ 実は前回の自民圧勝の選挙も、隠れた本当の争点は格差と貧困だったのではとにらんでいる。 しかし、既成政党の中でこの格差や貧困の問題に正面から応えようとしたところはなかった。 イラクの子供の写真をかかげてイラク派兵に反対したり、平和憲法維持を訴えたり・・・。 それも重要かもしれないが、これでは絶好のホームランチャンスにバントのかまえをしているようなものである。 ここで利口だったのはやはり天才的な扇動政治家のコイズミだ。 彼は大衆の間に巣くう格差への不満、貧困への恐怖を、身近な国家公務員である郵便局員に対する嫉妬にすりかえることに成功した。 アンタ方はリストラや就職難で苦しんでいるのに郵便局員は税金でのうのうと暮らしているよ…というように。 いったん民営化法案が流れたときに、大喜びしている郵便局員の映像がニュースで放映されたが、コイズミにしてみれば、あれも計算のうちだったろう。 あの選挙直前、郵便局員の話をしながら「人間だから人の庭に蔵がたつと面白くないんだよね。ましてやその出所が税金となるとね。」と言っていたタクシーの運転手の言葉が忘れられない。 ※ 蛇足だが、今度の選挙でも夢よもう一度とばかりに「公務員たたき」を選挙の争点としたがる政党がでてくるかもしれない。 でもそんな手に何度も乗るほど国民はバカなのだろうか。 公務出張マイレージの一括管理。それをやれば民間会社でも同じことをやるようになる。 公務員のレクリエーションの撤廃。趣旨はわかるけど、これからは民間でも福利厚生費をけずっていくようになるのだろう。 無能な公務員はクビ。そうなると民間でもリストラの嵐はますます強まることになる。 いずれも自分の首をしめるようになるだけの話である。 ※※ 最近ちょっと怖いもの。 青少年に有害情報を提供するなという名目で「ネット規制」がされていくこと。 ネット機能のない携帯が推奨されるという話があるが、そのうち携帯ではネットはできないというのが一般的になるかもしれない。 フィルタリングも青少年だけではなく、「青少年も使うことができる」という名目で普通のネットカフェなどでも一般化していくかもしれない。 そもそもいったい「有害情報」てなんだろう。 偏った政治的意見も有害情報だなどと言い出したら、それこそ日本も中国なみの情報統制社会になってしまうかもしれない。 有害情報かいなかの判断を政府ではなく、民間団体にやらせるという方向のようだが、これだって政府の看板ではできない「偏った」有害判断がなされそうで怖いことである。 ネットで床屋政談を書いても誰も読まないなんて時代になると本当にいやなんだけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[格差社会] カテゴリの最新記事
諸悪の根源「労働者派遣法」を廃止または大幅に改正して、正規雇用を増やし守らなくては、日本は壊れてしまいますね。
(2008年06月22日 08時51分44秒)
共産党が政権を取って格差はなくなったけど、
国際競争力は落ちて経済はがたがた、 庶民はますます貧乏になる、 な~んていう悪夢も存在します。 経済的な繁栄と格差是正のバランスを取るのは、 天才的な政治的手腕が必要でしょう。 派遣にしても移民にしても、 若者を育てて日本の将来を担える人物にする、 という観点がありませんから、 メイド・イン・ジャパンの賞味期限はあと20年、 早ければ10年後には斜陽になり、 トヨタやキャノンといった一流企業もダメになるでしょう。 今の若者が40歳、50歳になったとき、 中堅として企業を担う日本人がいなくなります。 経営陣は外国から連れてくればよいでしょうけど、 技術者、旋盤を回して正確に部品を作る、 そういう技術者が絶滅しますね。 アパレル産業がよい例で、デザインしかやっていない。 そのデザインも外国に持ってゆかれるのは時間の問題。 2年後、3年後ではなく、 10年後、20年後を考えた政治を今やらないと、 日本の没落は時間の問題だろうと思います。 (2008年06月22日 10時43分06秒)
福禄太郎さん
まだ次の選挙までには時間があるようですし、この見直しはぜひ行うべきでしょう。政権を無事に維持したければね。 そもそも日本の経済的繁栄は何故だったのか。それは日本が非常に人を大切にする経営を行ってきたからではないでしょうか。そして雇用者も仲間意識や忠誠心でこれに応えた。 派遣法は日本企業のよさも日本社会のよさを奪ってしまいましたね。 (2008年06月22日 13時16分01秒)
オルフォーさん
>共産党が政権を取って格差はなくなったけど、 >国際競争力は落ちて経済はがたがた、 >庶民はますます貧乏になる、 >な~んていう悪夢も存在します。 実はそれが最も怖ろしい悪夢なのかもしれません。 保守がこのままでは方向転換を促す程度に格差是正を掲げる政党が伸びればよいとは思うのですが、でも日本の信用には影がさすことになりますしね。 そしてまた貧困者が増えれば、日本全体がどうなろうが知ったことではない・・・という人々もまた増えるわけで。 私も正直、このままでは早晩日本は没落すると思います。世界史をかじればわかるのですが、スペインにしろ、オランダにしろ本当に栄華を極めた時期は短いのですよ。 日本もジャパナンアズNo1なんていっていた頃がピークだったのかもしれません。 (2008年06月22日 13時20分15秒)
>そしてこの社会はひとたび落ちると蟻地獄のようにけっしてはいあがることができない構造になっていることも知られている。
> ですから、私はそこが間違いだと言ってるのです。這い上がる努力が足りないだけ。もっと言うとそんなひ弱な人間に育てた親の責任でもあります。 詰まる所、親が子供の頃から甘やかせ過ぎなんですよ。全員で手を繋いでゴールするかけっこ、溝を塞いで絶対にピンが倒れるボウリング。他にも沢山あります。 挫折や敗北、失敗といった人としての成長過程で最も効果のある「教材」を拒絶するんだから、そりゃあ這い上がって来いと言う方が酷だと思いますよ。 (2008年06月22日 17時10分25秒)
今の日本は何から手をつけるべきか分からないというのが、正直な気持ちです。自分は、秋葉原の犯人の鬱屈の部分は理解できます。
小学校・中学校と成績が良くて、大きな明るい自分の未来があったでしょうから。それが、いつのまにかこんなはずじゃなかった…となってしまった人生。僕も同じ境遇に生きてきた気がします。なんでこうなったのか?と自問する日々です。 (2008年06月22日 19時53分21秒)
椅子取りゲームの椅子の数は決まってます。
そして、500人参加の椅子取りゲームに椅子は3つしか用意されてないのです(某企業の正社員登用試験ね)。全員が同じ努力をしても、497人はあぶれますね。 この状況では努力不足という言葉は経営者側に都合のよい言葉遊び以外の何者でもありませんね。 日本の悪い癖だと、私が思うものがあります。 調子に乗ってやりすぎて規制が強まると文句を言うということです。 『法律に違反してなければ何をしてもいいのか』って事ですね。 過去、その慣習は守られてきたのに、じわじわと言葉でごまかして慣習を破り、看過できないところまで自分たちで進めておいて、規制されたら文句を言うのです。マッチポンプかと思うときもありますね。 派遣についても言えるでしょう。 日本社会に多大な損失を招いている現在においても、企業利益のために放置している始末。 もっと取り返しがつかなくなってから法規制にでも乗り出すのでしょう。 拉致問題にしてもそうですね。 政府と司法が何かに遠慮している間に多数の日本人が日本の国土から外患によって拉致される。悪夢ですね。最初に果断な判断を下し、某団体に苛烈な処置を行っていれば…何人の日本人が救われたのでしょうか。拉致判明の現在においても某団体が日本に存在しているのはもう、悪い冗談としか思えません。 日本はいつも後手後手です。 そして、日本政府からは『日本人を守る』という気概などついぞ感じられないことが最大の問題かもしれません。 蛇足 『私は北朝鮮利権とは関係ありません』と言った某山○議員。北朝鮮利権が『存在しない』では無く『関係ない』と言ってしまったことで、『北朝鮮利権が存在する』ことを認めた形になりましたね。 (2008年06月22日 20時41分58秒)
今回の事件の原因を格差に求めている七詩さんに、ネット規制論を批判する資格はないと思います。
該当する人間の圧倒的多数が大きな犯罪を犯していないのに、自分が問題視しているというだけで原因として持ち上げる姿勢はそっくりです。 >「蟹工船の労働者には結婚して赤ん坊もいる。まだ、恵まれているのではないか。」というのも今の読者からのいつわらざる実感である。 昔と違い今では結婚しなくても女性が生きていけるようになったり、老後の福祉が整備されたのが原因でしょう。 途上国が子沢山となり、先進国が少子化になるのと同じです。 >蛇足だが、今度の選挙でも夢よもう一度とばかりに「公務員たたき」を選挙の争点としたがる政党がでてくるかもしれない。 前も言いましたが、今やってますよ野党が。 >いずれも自分の首をしめるようになるだけの話である。 格差批判、資本家たたきも似たようなものでしょう。 お隣の韓国も格差是正を掲げておきながら逆に格差は拡大しましたし。 (2008年06月23日 01時47分16秒)
コアラのリボン222さん
>ですから、私はそこが間違いだと言ってるのです。這い上がる努力が足りないだけ。もっと言うとそんなひ弱な人間に育てた親の責任でもあります。 世の中は努力もでき能力もある人間だけでなりたっているわけではありません。個別にみれば努力しろとか給料は勝ち取るものというのもよいでしょう。 スキルをみがけというのももちろん間違っていない。 でも世の中全体を見た場合にはそうもいっていられません。椅子とりゲームの椅子が少なくなっているのに、いつまでも努力しないあんたが悪いではそのうち反動がきますし、もうきているのかもしれません。 >挫折や敗北、失敗といった人としての成長過程で最も効果のある「教材」を拒絶するんだから、そりゃあ這い上がって来いと言う方が酷だと思いますよ。 今の貧困は親の教育で云々できるものなのか。たとえそうであっても、貧困者が増えれば、それの利害を代弁する政治勢力の躍進はさけられません。 (2008年06月23日 04時40分45秒)
一夢庵 ひょっとこ斎さん
>今の日本は何から手をつけるべきか分からないというのが、正直な気持ちです。自分は、秋葉原の犯人の鬱屈の部分は理解できます。 実態はどうであれ、多くの人があの犯人の背後に派遣労働者の絶望をみたのでしょうね。 >小学校・中学校と成績が良くて、大きな明るい自分の未来があったでしょうから。それが、いつのまにかこんなはずじゃなかった…となってしまった人生。僕も同じ境遇に生きてきた気がします。なんでこうなったのか?と自問する日々です。 成績はともかくとして、彼の世代は子供時代は豊かに過ごした、少子化の中で大切にされてきた、という点が重要です。 要するに貧困への耐性が、前世代とはまるで違うのです。 低賃金のフリーターや非正規雇用者で、今は親と同居し、生活の庇護を受けているという人は多い。しかしあと10年くらいして親が面倒みきれなくなったとき、本当の問題が起きるのかもしれません。 (2008年06月23日 04時48分37秒)
しろたん0606さん
>派遣についても言えるでしょう。 >日本社会に多大な損失を招いている現在においても、企業利益のために放置している始末。 >もっと取り返しがつかなくなってから法規制にでも乗り出すのでしょう。 こんな資本主義の暴走をとめるためには、貧困者の声を代弁する政治勢力が躍進するっきゃないのではと思いますよ。 >そして、日本政府からは『日本人を守る』という気概などついぞ感じられないことが最大の問題かもしれません。 そうですね。5人の被害者の方が帰国したときも、「一時帰国」ということで、日本政府は北に戻そうとしていましたね。外務省の高官などは「北に戻らないと困る」なんて言ってね。わすれてはならない事実です。 >蛇足 >『私は北朝鮮利権とは関係ありません』と言った某山○議員。北朝鮮利権が『存在しない』では無く『関係ない』と言ってしまったことで、『北朝鮮利権が存在する』ことを認めた形になりました 語るに落ちるとはこのことですね。 (2008年06月23日 04時58分58秒)
トーマスさん
>該当する人間の圧倒的多数が大きな犯罪を犯していないのに、自分が問題視しているというだけで原因として持ち上げる姿勢はそっくりです。 たしかに今回の事件がそうだとは言い切れないのかもしれませんけど・・・。 でも今回の事件を契機に派遣労働者のおかれている状況に思いをはせたという人は多く、だからこそ多くの議論を誘発しているのでしょう。 >昔と違い今では結婚しなくても女性が生きていけるようになったり、老後の福祉が整備されたのが原因でしょう。途上国が子沢山となり、先進国が少子化になるのと同じです。 そうかもしれませんけど、本当に生きていけなかったら結婚もできなかったはず。その分、今の貧困は深刻なように思います。 また、同じ貧困層でも家庭をもっていると持っていないとでは大違いで、家庭のない貧困者が多勢いる社会というのはどうしても不安定になります。 >前も言いましたが、今やってますよ野党が。 民主党ですかね。まあ、自民党と同じ穴の狢ですから。 >格差批判、資本家たたきも似たようなものでしょう。 そうかもしれません。 有権者の票というのは感情で動きますから、格差批判の政党が勢力を伸ばした先に何があるかというのまでは想像もつきません。 (2008年06月23日 05時15分33秒) |