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北海道旅行二日目は摩周湖に向かった。前日の台風で道路上には葉だけでなく木の枝が散乱し、細い道だと倒木がふさいでいるところもある。そう思ってみると林の中にはところどころ風で倒れた木がある。もともと根の浅い木が強風の時に倒れるのか、それとも老木がこういうときに寿命を終えるのか…おそらく両方だろう。それでも幹線道路はきれいに清掃され、こういうところでも道路管理というのはすごいとあらためて思う。台風の過ぎた晴天の下、摩周湖はよく見えた。絶壁に囲まれたカルデラ湖で人をよせつけないだけに余計に神秘的な印象を与える。周辺をとりまく山のうちひときわ高いものはカムイヌプリ、神の山とよばれている。切り立った茶色の崖までくっきりと見えるのに、そこまで行くのは普通ではとうてい無理だろう。人の行くことのできない場所を神の領域と考え、カムイヌプリとよんだのかもしれない。
※ 摩周湖を後にして、次は野付半島に行く。野付半島は北海道の地図をよくみるとひときわ目につく羽のような奇妙な形をした小さな半島で、正体は砂嘴である。潮の流れが砂を堆積させてできた半島で、その生成は非常に新しくわずか3000年前だという。今まで堆積していたところが海に沈み始め、新たに堆積された陸ができる。そういうことが現在も進行中で、そのため、塩水の侵入によって枯れたトドマツや楢の林が見どころになっている。車で行けるところまで行くとあとは歩く。ハマナスの花はすでに終わって、つやつやとした赤い実が目につく。両方を海に囲まれた道を2キロほど行くと、枯れたトドマツが白骨のように浮かぶトド原につく。地質学の時間でみると生物ははかない。数年前までは、枯れたトドマツはもっと見えたらしいのだが、沈んで風化していったようだ。もっと手前の林がそのまま立ち枯れている楢原もいずれは白骨のような白い枯れ木が浮かぶだけとなり、それも消えていくことだろう。 トド原からは木の橋をわたるが、この幅がちょっと狭く注意を要する。海の中に突き出した橋の散策コースもあるがこれは幅が広く手すりもついている。両側に海をみながらの海面散歩はなかなかよい。 地の果てのような半島だが、北海道の地図で小さな野付半島をみるたびにきっと日がかたぶくまで散策した一日を思いだすことだろう。 なお、野付半島からは国後の島もはっきりとみえる。 事実上外国に占拠され、自由にゆくことのできない地が目の前にあるのは不思議な気がする。 将来的には日ロの共同管理のような形で自由に行き来できるという日がくるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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