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2020年01月08日
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カテゴリ:読んだ本
人生なんてこんなもの…読み終わっての感想である。
主人公は執事で、彼はその職業に誇りを持ち、有用な仕事をする主人に最高のサービスを提供することで、自分も世界を動かす車輪の中心に近づけることに職業的意義を見出している。かといって決して執事としての境界を越えることはなく、主人の客がたわむれに世界情勢についての意見を聞いた時も、何も答えない。執事にそんなことを聞いたって答えられるわけもないのだから…と。
主人公の生き方に身分制度が安定していた時代の古きよき英国を見る見方もあるだろう。けれども、そんな人為的な身分制度のない今の時代だって似たようなものじゃないのだろうか。能力とか才能とかいった神が定めた身分の制約の中で人はそれぞれの人生を生きているのだから。そんな中で世の中の圧倒的多数の人は、ほんの社会の小さな歯車として生き、それでもその職業にそれなりの誇りと矜持を持って生きている。それはこの主人公の執事の職業的誇りと似たようなものなのかもしれない。「身の丈」というと悪い意味にも聞こえるが、実は人生の不幸の多くは自分の能力以上のものを望んで不満を募らせることにあるのかもしれず、そうだとしたら、己の身の丈を知り、決してそれ以上を望まない執事の人生は悪くないともいえよう。
そして主人公の尊敬してやまないかつての主人のダーリントン卿は戦後は対独協力者として非難の的になり、失意のうちに亡くなる。これも戦争などの価値観の大激変があると、自分の仕えていた会社、さらには自分が忠誠をささげてきた国家が間違ったことをしていたという経験をすることもある。けれどもそうした主人の評価が地に落ちたとしても、執事としての自己の業績に対する誇りはゆらぐことはない。トップは判断を誤ったとしても、そんなのは黙々と使える側の知ったこっちゃないというわけである。
そんな主人公もかつては女性に愛されたことがあった。ただそうした想いにきづくことはなく、女中頭であったその女性は別の人に嫁ぎ、しだいに伴侶との間に愛をはぐくんでいく。必ずしも望み通りの恋愛結婚ではなくとも、夫婦として生活していくうちに、家族としての自然の愛が生まれてくるのも世の中にはよくある話だ。
そして物語の最後には「夕方が一番いい時間だ」という見知らぬ男の述懐がある。執事も、そしてかつて彼に想いをよせていた女中頭の女性も人生の夕暮れを迎え、それは一番いい時期のはずだ。人生はいいことばかりではないが、かといってそう悪いことばかりでもない。






最終更新日  2020年01月09日 12時52分00秒
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