コロナの感染者数が下げ止まっているが、これは別の表現でいえば、上昇していないともいえる。ヨーロッパのいくつかの国で明確な第二波がきており、しかも、秋の到来や、経済活動の活発化を考えると、減少どころか急増してもおかしくない状況にもかかわらずである。それはやはり、「緩み」といっても、ただ単に昔に戻ったのではなく、新しい生活様式の効果があるのかもしれない。マスクはほぼ常識になっているし、販売の際のビニールシートも普通になった。たいていの施設では検温やアルコール消毒が普通になっているし、外食でのアクリル板も増えた。そしてまた、賑わいが戻ったといっても、その内容は変わった。かってはさすが高齢社会というくらいどこに行っても高齢者が目立ったのだが、最近は若い人が目立つように思う。これは若い人が増えたというよりも、高齢者が減った分だけ若い人がめにつくようになったのだろう。
経済か感染拡大防止かという人がいるがそれは違う。ただ政府の施策をみると、gotoなんちゃらキャンペーン、外国への入国出国規制緩和、オリンピック開催宣言…と感染拡大防止よりもとにかく経済を回すことにまえのめりになっているように見える。特にオリンピックは「人類がコロナに打ち勝った証としての開催」から、いつのまにか「with コロナ時代の五輪」と宗旨替えしており、なんなんだと思う。
ただ、多くの人は口にださなくても思っているのではないか。政府が感染拡大阻止をする気がないなら一人一人が自衛するしかない。高齢者が外出を自粛していることや、いまだに客の戻らない業種があることなどはその例ではないか。gotoなんちゃらだって、個人や家族の自動車旅行で混雑をさけるならそれ自体危険ではないし、外食も少人数で静かな会話程度ならあまり問題ないだろう。ただ密室で声をだすイベントはちょっとまずい。オリンピックももし開催時に世界的にコロナが蔓延しているような状況ならボランティアが集まらない、観客も来ないという形で国民が背を向けるだろう。
いったん陽性になった人が再度感染する例があったり、インフル同様に変異しやすいウィルスであることを考えると、ワクチンや集団免疫による収束というのは考えにくい。2月から今までの状況を見ると、感染拡大を抑えながらコロナと共存していくしかないように思う。
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