七詩さんのHP

2020/12/02(水)12:55

恋に恋するということ

雑感(689)

さる皇族女性の方の結婚の意思は変わらず、そのため父宮様も会見で結婚を認める旨の発言をされた。そうした風向きを見たせいか、報道の雰囲気も少しずつ変わってきたようだ。来年の今頃には、お相手の方やその御母堂に関する絶賛報道があふれかえっていることだろう。 ただ不思議なのは、2年間も実際には会っていないのに、ネットで会話を続けるだけで恋愛感情を維持できるのだろうか。オンラインでの会話はたしかに臨場感があり、手紙やメールとは違うのだが、やはり現実に会うのとは違う。恋愛感情があるのなら、特に男性の場合には現実に会いたいと思うのが普通ではないか。恋愛というとやたらに美化されがちなのだが、しょせん根底にあるのは種族保存本能なのだから。件の皇族女性の方のことは知らないので、あくまでも一般論なのだが、あまり世間を知らない女性には、どうも恋に恋するという傾向があるように思う。別に恋に恋したような恋愛が打算づくの恋よりも劣るわけでもないし、幸不幸とも関係ないのかもしれない。それに、恋に恋して、そのあげくに現実を見て幻滅するのだって、長い人生の中での貴重な人生経験なのかもしれない。 そういえば、小説なんかではけっこうそういう恋愛もでてくる。思いつくのが女性作家のものばかりなのは、想像力のたくましい女性ほどそうした恋愛の陥穽をこころえているからなのだろう。見目好く教養もある男性に恋して最後に幻滅するのは「風と共に去りぬ」の主人公だし、逆に、自分とは全く境遇の違う男性を勝手に美化して不幸になる女性がでてくるのは「嵐が丘」。人は人生のうちにそう何度も恋愛ができるものではない。もちろんハッピーエンドの恋愛がいいにきまっているのだが、恋愛に失敗しても、それを糧に成長していく女性もよい。そんな女性を描いているのが戯曲「かもめ」である。

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