40代の警察署長が女性キャリア警視にセクハラをしたと言って訴訟になっているという。報道によると、警察署長は、県警から警察庁に転任し、女性警視と同じ部署に配属されたが、女性警視を「ちゃん」付けで呼んだり、「女らしくしろ」などと発言し、職場や酒席などで卑猥な言動を繰り返したという。この警察署長は組織犯罪対策などでかなりの実績をあげてきた人物だという。
こうした報道を読んだ感想は人様々なのだろうけど、日本の治安を担っているのは、こうした警察署長のような人たちなのではないのだろうか。セクハラがよいとかそういう意味ではないのだが、そもそも警察のような組織にはキャリアシステムというのはかなり無理があると思う。現場で百戦錬磨の経験を積んだベテラン警察官の上に若いキャリアがやってきた場合、「なめられる」ということは今までもあったのではないか。今回はたまたま女性だからということで「セクハラ」となったというわけなのかもしれない。
警察以外でも、税務署長や自治体の幹部に中央省庁から若いキャリアがやってくることがある。ただこうした税務署や自治体が多少なりとも偏差値の世界であるのに比べると、警察となると様相が違う。税務署長や自治体の幹部なら、豊かな知識や業務に対する情報量、それに論理性などで、部下を指導することはできるが、警察のような現場中心の組織で、その現場を知らないエリートが部下を指導するのは難しい。平の警察官で入ったものと比べ、警察庁キャリアは新幹線のようなスピードで出世していくといい、県警本部長もほとんどはキャリアの指定席となっている。こうしたシステムが現場の警察官の士気をそぐようなことがあれば、被害を受けるのは一般の市民である。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
もっと見る