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カテゴリ:旅
西伊豆町に黄金崎という岬があり、行ってきた。
伊豆半島は火山性の地形が非常に多いのだが、この黄金崎の黄褐色の岩も火山の熱変成作用を経てできたものだという。そしてこの岩に夕陽があたると黄金のように輝いて見えるので黄金崎というのだろう。このあたり一帯が公園になっていて、遊歩道もあるのだが、ひときわ有名なのが馬ロックという岩である。下に海蝕洞窟があり、それがちょうど馬の首と顔の境になって、岩全体が海水に顔をつっこんで水を飲んでいる馬のように見える。 馬ロックという名称はいかにも新しい。そして三島由紀夫の文学碑があるのだが、そこにも黄金崎について一枚一枚の岩が黄金の板のようにみえる情景についての描写があるのだが、馬ロックの記述はない。どうも昔(昭和初期くらい)は馬の形には見えていなかったのだが、いつの頃からか、馬そっくりだと言われるようになり、今ではパワースポットとして展望台に競馬的中祈願の絵馬までがかかっている。 こうして姿を変えつつある岩というのは、これからもその姿を変えていく。 波の浸食は24時間、365日休むことなく続く。永遠に水を飲み続けているようにみえる馬も、そんなに遠くない将来(地質の時間では一瞬)に浸食により首に部分だけが独立した岩として水面に立ち、やがてそれも海中に没していくのだろう。 この黄金崎からは富士山もよく見え、特に冬型の晴天となった昨日は、雪をかぶった赤石山脈の山も見えた。遠く御前崎の沖に夕陽が沈んでいった後には、大きな積雲がみるみる茜色と灰色に染まり、やがて濃い灰色一色となって、夕暮れの空に溶けていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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