|
テーマ:ニュース(99452)
カテゴリ:事件・犯罪
大阪のビル放火殺人は多くの人に衝撃を与えたが、防犯カメラの映像では容疑者とされる男は炎の中に飛び込むような動作をしていたといいう。殺人事件ではあるが、性格的には一種の拡大自殺のようなものなのだろう。社会に対する漠然とした恨みや自分の運命に対する怒りを持っている人が自殺をしようとする場合、できるだけ多くの人を巻き添えにして自殺しようとする。社会に対する報復のようでもあり、社会との無理心中のようでもある。
容疑者はクリニックとトラブルを抱えていたというが、院長も亡くなり、容疑者も重篤な状態ではわかりようがない。ただ、容疑者の自宅は電気も止まっていた状態で、近所づきあいもなかったという。そうだとすれば、診察券を持って通っていたクリニックは容疑者にとって唯一社会とつながる場所であった。いわばクリニックが容疑者にとっては社会であり世間であったわけである。社会や世間に対する反感や恨みが犯罪行為の底流にあったのだとしたら、それだけで、クリニックが標的になる可能性はあったのかもしれない。 今度の事件を契機にしてガソリン販売についての規制はさらに厳しくなるだろう。ただいくら規制してもガソリンを買うこと自体を禁止することはできない。ガソリンでなければ、他の揮発性物質というのも考えられる。金もない、家族もない、未来もない、友もない…犯罪のブレーキとなるような失うもののない人を「無敵の人」というらしい。これに失う時間もないとなると、さらに無敵になる。 正直、こうした最初から死ぬつもりの犯罪者に対しては如何ともしがたいのではないか。重刑による抑止力もないだろうから、刑罰を重くしても効果はなさそうだ。しいてやろうとすれば、正当な理由なく刃物を持ち歩くことを禁止しているように、ガソリン等を持ち歩くことを禁止することが考えられるが、それとても決定打にはならない。 コロナ禍が輪をかけている困窮者の増加、今後予想される単身貧困高齢者の増加がこうした「無敵な人」による犯罪の増加につながらなければよいと願うばかりである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[事件・犯罪] カテゴリの最新記事
|