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2022年04月20日
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カテゴリ:読んだ本
水村美苗の「本格小説」という小説を読んでいる。
まだ、半分くらいなのだが、作者の投影とも思われる「私」がこの小説を書くにいたる経緯(この部分も小説の一部なのだが)が、序盤のかなり長い部分を占めており、それにより、この小説に「本格小説」というタイトルをつけた理由を想像してみる。米国で日本文学の教鞭をとる「私」は日本文学には私小説的なるものが大いにあるとみており、これに対して海外文学に見られるような作者を神の視点に置いた小説が少ないとしている。そうした私小説的なるものから脱却した主節として「本格小説」と銘打ったのではないか…たぶんあたっていると思う。作者の分身である「私」が退場し、それこそ私小説部分が終わった後、「本格小説」の世界が始まる。
軽井沢の友人の別荘に行った若者が。自転車で道に迷い古い別荘の生け垣に衝突したことで、別荘の所有者である風変わりな男とそこに仕える女中と称する女に出会う。若者は女中や女中を通じて知り合った別荘族の老女たちから男にまつわる物語を聞く。男は、もとは別荘を所有していた上流階級に仕える車夫の孤児であり、米国に渡って財をなして日本に戻って来たのだという。「私」は米国に居住していた頃、男が住み込みの運転手からベンチャー企業の社長となり巨富になるまでを知っていたというわけである。
文章は読み易いだけでなく、はっとするような情景描写の名文もあり、しかも「私」は世代的にもそんなに若くはなさそうだ。作者紹介をみると、なんでこうした作者を今まで知らなかったのか不思議に思う。「私」が最初に言っているように、物語のプロットはある古典的な名作に酷似している。非常に気に入った名作がある場合、小説家はそうしたものを自分の世界に移し替え、自分の筆で書きたいと思うのだろう。登場人物のドラマが始まるのは。これからなので、作者がいかにあの名作を自分流に作り直すかも興味深い。






最終更新日  2022年04月20日 18時15分02秒
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Re:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   ・曙光 さん
>登場人物のドラマが始まるのは。これからなので、作者がいかにあの名作を自分流に作り直すかも興味深い。

水村美苗ですか。水村の筆力、構想力なら面白いと十分期待できるでしょう。私はかなり以前に漱石の「明暗」を一気呵成に読んだ後に、続けて水村の「続明暗」読み、単なる漱石の模倣でなく、その構想力、独自性の確かさに驚いた記憶があります。

「明暗」と「続明暗」の内容はすっかり忘れましたが、ストーリー展開の面白さは、「続明暗」は「明暗」に匹敵すると思われました。然し乍ら、人間の不可思議性というか人間の内心に迫る深みは、残念ながら漱石に及ばずの感を抱いた記憶があります。

唯、水村の価値はそれで損なわれるものでなく、一廉の文学者、作家としての水村の力量は、日本文学を語る時忘れてはいけない作家とその名を記憶した次第です。
(2022年04月20日 21時31分06秒)

Re[1]:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   七詩 さん
・曙光さんへ
どうもありがとうございました。
「続明暗」は知っていましたが、「明暗」自体、自分にとっては素通りした小説なのであまり読みたいとは思いませんでした。夏目漱石も国民作家といわれますが、初期の頃の作品に比べると、「道草」、「それから」、「明暗」は私小説的であまり面白くないように感じます。私小説という文学形態がなぜ日本で生まれたのか不思議でなりません。
なんというのか、トルストイやドストエフスキーなどと比べると、まあ、比べること自体が不相当なんですが、日本の私小説作品は薄味のお茶漬けのようなもので、正直つまらないというかどうでもよいというか…。 (2022年04月21日 07時00分44秒)

Re:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   ・曙光 さん
>「続明暗」は知っていましたが、「明暗」自体、自分にとっては素通りした小説なのであまり読みたいとは思いませんでした。

畢竟の名作「明暗」を読まずしてして漱石を語る勿れでしょう。私の記憶では「明暗」はそれまでの「則天去私」の漱石感を覆す視点の多様性があり、漱石が晩年に感得したドストエフスキ―の影響が反映された唯一の作品と思われます。
「明暗」は読み始めたら面白さに時間を忘れて一気呵成に読了しました。漱石の作品はその人間を洞察する筆力により途中で止められず私は大抵一気呵成に読了してしまいます。

>夏目漱石も国民作家といわれますが、初期の頃の作品に比べると、「道草」、「それから」、「明暗」は私小説的であまり面白くないように感じます。

喰わず嫌いは余りよろしくないでしょう。「道草」も「それから」も「明暗」も内容は殆ど忘れましたが、読後感は、読んで心充たされた充実した気分でした。

>日本の私小説作品は薄味のお茶漬けのようなもので、正直つまらないというかどうでもよいというか

七詩さんらしからぬ私小説に対する偏狭な見方と云ってよいでしょう。私小説だろうが、物語性に優れた大河小説だろうが、そんなことは小説を語るにどうでもよい事でしょう。

要は登場人物を通して如何に人間を描いているか、人間の本質の一端に肉薄しているかが全てではと思います。

>私小説という文学形態がなぜ日本で生まれたのか不思議でなりません。

小説とは大河小説だろうと、時代小説だろうと、現代サスペンスだろうと、題材は如何に変わっても、登場人物を通しての人間の振る舞いが言動が、自分に何かしら共感、共鳴、得心できるものがあるかどうか、その有無が本当に面白いかどうかの決め手となると思われます。
小説は、抑々虚構の世界を描くものですが、其処に如何に作家自身の人生観、想念を投影させるかどうかでしょう。

私が長編小説で魅かれた日本の小説には「永遠の都」(加賀乙彦)、楡家の人々(北杜夫)、人間の条件(五味川純平)、さらば星座(黒岩重吾)などがありました。又、徳川家康(山岡宗八)、竜馬がゆく(司馬遼太郎)、宮本武蔵(吉川英治)、親鸞(吉川英治)、人生劇場(尾崎士郎)等は長編小説として読み応えがありました。
(2022年04月21日 10時53分37秒)

Re:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   ・曙光 さん
前記補足します。

明治以前までの物語性豊かな日本文学の古典的名作としては「源氏物語」「平家物語」を筆頭に「桜姫東文章」「与話情浮名横櫛」「俊寛」「日本永代蔵」「国姓爺合戦」「曽根崎心中」他の綺羅星の如き名品が浮かびます。この辺りは七詩さんの得意分野でしょう。あと昭和の大河小説の名作として「飢餓海峡」(水上勉)、砂の器(松本清張)を追記しておきましょう。

純粋小説としては、文学史上は二葉亭四迷の「浮雲」が言文一致の日本の近代小説の嚆矢として承知していますが、その物語の普遍性から先述の古典的名作群も広義で捉えれば本格小説と云っても可笑しくはないでしょう。
(2022年04月21日 13時56分47秒)

Re[1]:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   七詩 さん
・曙光さんへ
つまらない…は言い過ぎですが「道草」、「それから」は日常的な場面が延々とえがかれているだけで、初期の「三四郎」や「草枕」のような清新な雰囲気もなく、つまらないと思いました。まあ、これは主観ですし、ほんの受け取り方はその時の読者の状況にもよりますので、今読めば面白いのかもしれません。
紹介いただいた長編は読んだのもあればいずれ読みたいものもあります。
日常生活を描こうが、主人公が作者そのものであろうが、そこに人間や世の中の真実、感動があればよいですね。私小説という形式そのものを否定するわけではありません。そういえば「失われた時を求めて」は終始「私」(名前も不明)の視点で「私」を掘り下げて書いた小説ですが20世紀文学の金字塔ともいわれているようです。
(2022年04月22日 08時39分02秒)

Re[1]:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   三代目翔盟 さん
・曙光さんへ 七詩さんへ 常連諸氏の方々へ

《本題とは関係ないのですが私事のご報告だけ。》

3月10日に持病の心不全の発作で入院していて22日に退院出来たのですがその3日後に再度呼吸難の発作で救急車で同じ病院へ搬送されてそこではどうにもならず文京区の順天堂医学部附属順天堂医院へ入院して今月20日まで術前の検査を終えて一旦退院してきました。

5月13日に再度入院して16日に手術です。

心臓の弁と以前に冠動脈(心臓内3箇所)にステントを入れて広げた血管の何箇所かで目詰まりをしていること。
更に過去に左上腕へ下手な看護師に点滴の針などで動脈と静脈を同時に刺されてしまって(癒着)交差して動脈の血が静脈に流れ込んで逆流を起こしているので分離などの手術です。

パソコンで遊べるようになるまではまだまだ時間がかかりそうです。
(今回は簡単に近況報告だけにしときます。)

したっけまた。
(2022年04月22日 08時50分18秒)

Re:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   ・曙光 さん
三代目さんの含蓄とユーモアのある投稿が途絶えていたので,生活に何か変化が起こったかと思っていましたが、検査、入院、治療が続いていたとは、大変な事でした。

現代医学は10年、20年前と比べ格段に進化発展しているものと思っています。
85歳ともなれば、寿命と言われてもやむを得ない年令かと思いますが、それは未だ未だ遥か先なので、それまでは決してあきらめる事なく、回復されたら是非変わらない健筆をふるって頂きたいと思います。
症状が安定され、少しでも今迄に近い日常が戻られる事を、お祈りしています。
これからが人生本番だと思いますので、少しでも早い回復を重ねてお祈り致します。 (2022年04月22日 09時52分51秒)

Re[2]:「本格小説」(水村美苗)を読んでいる(04/20)   七詩 さん
三代目翔盟さんへ
曙光さんのいうようにいつだって「人生これから」です。
医学も進歩していますし、そうでなくとも生命には人智を超えた力が働いているようにおもうときがあります。
元気に戻ってこられるのを待っています。 (2022年04月22日 14時54分09秒)


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