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2022年07月01日
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カテゴリ:読んだ本
デイヴィッド・コパフィールドを読み終えた。幼少期に幼くして父を亡くし、母の再婚でやってきた継父とその姉には虐待を受け、母の死後は家から出されて工場で働き…という不運な境遇にあった主人公が、様々な人々の助けや出会いを経て社会的成功と幸福な家庭を手に入れるという成長物語である。最初は誇張されデフォルメされた奇妙奇態な登場人物がなかなか受け入れにくかったが、これもエンタメと割り切ってみれば、非常に上質な娯楽小説であるといえる。ストーリーテラーとしての作者の才に、登場人物の一人の台詞のように「上手いもんだ」と感心するばかり。文筆家としての文筆家としてのその裏の苦労や努力はほとんど描かれず、物語のかなりの部分は主人公よりも主人公の身近な友人知人の人生浮沈の挿話になっている。強烈な人物の多い中では、主人公デイヴィッドは、恋にはのぼせやすいという面はあっても、きわめてまともだし、むしろ狂言回しのようでもある。
舞台は19世紀の英国。登場人物も市民以上の階級と労働者階級に色分けされ、主人公の行動もそうした階級意識が色濃く反映されている。初恋の少女は女中の親族なのだが、幼い恋は「身分違い」でそれ以上は深まらず、工場で出会う労働者の子供とも友人という関係にはならない。主人公と忠義な女中やその親族など労働者階級の人間との交友はあるのだが、それは忠実で気持ちのよい人たちとしての友情や信頼であり、同種類の人間のそれとは距離があるようにみえる。「奥様」になるのを夢見ていた初恋の少女は船大工の好青年との結婚を前に主人公の友人と駆け落ちをするし、小説に出てくる悪役はいずれも下層から手段を択ばず上層に上ろうとした人間であるというのも面白い。
そしてまたこの時代の英国は、植民地帝国でもあった。今もそうなのかもしれないが、人々には「移民」という人生の選択もあった。駆け落ち後に男と別れた傷心の娘やその親族、あるいは事業に失敗して人生の捲土重来を期す一家などは、物語の終盤で豪州に向かう。英国は階級社会であったが、一方で移民の道も開かれており、こうした風通しのよさがかなり救いになっていたのかもしれない。小説と関係ないがマルクスは英国労働者の悲惨な実態を見て、英国で必ず社会主義革命が起きることを信じ、不況のたびに友人エンゲルスと祝杯をあげたという。実際にはそんなことにならなかったのは、新天地を求めて植民地に渡っていった労働者階級の者がかなりいたのだろう。
文庫本にしても全四巻からなるかなり長い小説なのだが、終盤では様々な登場人物にまつわる伏線も回収され、さらに最終章では登場人物達の後日談も語られる。途中で読むのを止めたら、この小説の本当の面白さはわからないように思う。
最後にお気に入りの登場人物をあげるとしたら、だんぜん主人公の伯母と誠実な友人である。伯母は主人公を保護し導く大変な女傑なのだが、それでも若い頃は変な男にひっかかり結婚に失敗している。世の中、そんなこともあるのかもしれない。






最終更新日  2022年07月01日 18時00分06秒
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