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テーマ:ニュース(99440)
カテゴリ:時事問題
ずっと昔なのだが、国会脇を通った時、タスキをかけた一団の人々が国会議員としきりに握手をしている光景をみた。一団は職業病の救済を訴えている現業職員組合員であり、議員は社会党の議員であった。当時は社会党は野党第一党として、自民党に対峙しており、自民党が財界などを支持基盤にしているのに対し、社会党は労組が主な支持基盤であった。そして経済優先の自民党に対し、社会党はどちらかといえば経済的に恵まれない層の利益代表として労働者の権利擁護や福祉を唱えていた。その後、ずっと社会党は長期低落傾向にあったが、背景には組合の集票力が減り、さらにその背景には「古典的な労働者」がいなくなったことがあるのだろう。炭鉱が閉鎖されれば炭鉱労働者はいなくなる。工場がオートメ化すれば工場労働者も少なくなる。
そんな社会党も一度だけ飛躍したことがある。「山が動いた」というおたかさんブームである。けど、今にして思おうとあの「山」は実は盛り土だったのではないか。山ならよいが盛り土は将来の崩壊の原因になる。なにか「おたかさんブーム」を境に社会党が変質したように思う。「いま、市民との連帯」というポスターがおたかさんの頃にあったが、もともと社会党が連帯していたのは市民ではなく、労働者だったのではないか。社会党はその後社民党となり、ミニ政党へと凋落していった。 社民党が若者に人気?だというネット記事があったが、もし本当だとしたら、それはものめずらしさ人気ではないのか。 今の社民党の主張はちょっと「…はあ?」というのが多い。 憲法9条を守るというのはよいが、9条があれば平和だという理屈は小学生だってついてゆけない。それに憲法改正の国民投票すらだめというのは一種の愚民思想ではないか。 選択的夫婦別姓は一部では熱心に主張されているが、独身で苦しい生活をしている人にとっては正直どうでもよい問題である。家族があり、仕事があり、自分の姓を守りたい…気持ちはわかるが贅沢な悩みだ。それにまた夫が妻の姓を名乗ることもできるし、通称を認めている職場も多いので、現行でもさほど不都合があるとも思えない。 同性婚の推進となると、その先には当然に養子の問題がある。大人には選択権があるが、子供にはない。同性の父母の下で育つことが子供にどんな影響を与えるかは正直未知数だし、子供の人権もあるだろう。 最後に、女性の権利を守るとあるが、具体的にはどういうことだろうか。様々な場への共同参画はずいぶんと進み、むしろ女性優遇、男性差別のように見えることもある。入試や採用試験での差別もほとんどなく、今後はかえって女性しか入れない国立大学の存在などが問題になるのではないか。差別のないところで、「女性、女性」と叫ぶ一方で、少年犯罪の厳罰化となるとまっさきに反対するのがこうした人々であるのも不思議だ。少年犯罪の被害者の多くは少女であるのに…。それに19歳の少女を拉致暴行したあげく生きたまま焼き殺した男に対する死刑執行に抗議したのもこの政党の党首だった。この政党の言う「女性の権利」ってなあに?と聞きたいものである。 今度の選挙で社民党は消えると思ったが、どっこい生き延びてしまった。絶滅危惧種の珍種として議席を維持するだけなら、それも面白いのかもしれない。 ※※ 昔の社会党を知っているから、ああいう経済的弱者のための政党があり、そして一定の勢力を有していることは必要だと思っている。ただ、今の社民党、そして正直言ってたの野党を見ても、実際に生活に苦労している人々の目線にたたず、たつつもりもなく、どうでもよい主張ばかりを前面に出している。…わざとやっているのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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