七詩さんのHP

2024/04/28(日)11:08

韓国ドラマ「高潔な君」をみて

ドラマ(85)

少女漫画のお手本のようなストーリーである。 つまりヒロインは、庶民出身で特に美人というわけではない、しかし、一生懸命生きていて性格もよく非常に好感がもてるタイプ。そして恋人は金持ちでイケメンで視聴者あるいは読者の願望を満たすタイプである。さらに、これに意地悪な金持ちの令嬢が絡めば、まさにお手本なのだが、本作ではそれっぽい登場人物はいるが、さほどストーリーにはからまない。むしろ恋の障害は恋人の母親である。ラブコメということで、まあ、ハッピーエンドは予想されているし、一話当たりの時間も短く全体の話数も少ないので、さらっと視聴するにはちょうどよい。本当は「福寿草」のようなどろどろ愛憎劇の韓国ドラマの方が好きなのだが、最近は漫画原作がおおいせいか、ちょっと傾向が変わってきているように思う。また、アマプラでの視聴が多いのだが、最近、追加料金なしで全話見られるというのが少なくなっているように思うのは気のせいだろうか。 それにしても、なんでこうしたシンデレラストーリーが人気あるのだろうか。ずばり言ってしまえば、それが多くの読者や視聴者の願望だからだろう。源氏物語も「勝れたるかたち」ではない、つまり絶世の美女というほどではない中下級貴族の娘が光源氏に見初められ、中宮の母として宮中に入る物語とよめば一種のシンデレラストーリーだろう。恋愛は蓼食う虫も好き好きというように不確定要素が強い。だから現実世界でもシンデレラのような成功物語はありうるし、そうした願望につけこむ詐欺もある。ただ、時代の変化かもしれないが、かつてのように自称医師や自称弁護士の結婚詐欺というのはあまりきかなくなっているように思う。めでたしめでたしの後も人生はまだまだ続く。一度の結婚で人生安泰と思って舞い上がる人は少なくなっているのかもしれない。 最後にタイトルの「高潔な君」であるが、原題どおりであるが、高潔かどうかは物語とはあまり関係ない。「猟奇的な彼女」の猟奇的もそうなのだが、同じ漢字語でも、日韓でニュアンスの違いと言うのがあるのかもしれない。

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