|
カテゴリ:博物館・美術館
ホキ美術館に行ってきた。千葉の閑静な高級住宅街の一角にあり、建物自体もオブジェのような塀に囲まれた美術品のようであり、長い廊下に現代の写実画が展示されてある。絵画というと水彩にしろ油絵にしろ、筆の跡があるものなのだが、写真とみまごうような具象画にはそうした筆のあとはみられない。 現代絵画というと抽象画のイメージが強いのだが、具象画も、ガラスや布、金属などの質感表現がみごとでおどろくばかりである。昔、絵の初心者が静物画から入るという話をききかじったことがあるのだが、静物画の具象画をみると、これほど難しいものはないのではないかと思う。 展示されている画で、もっとも多いのは人物画で、そのほとんどは美しい女性の絵である。もちろんこうした絵もよいのだが、昔見たアンドリューワイエスの人物画を思い出した。アンドリューワイエスは米国の田舎で周辺の無名の人々の絵を多く描いたのだが、彼らは決して妙齢でもなければ美男美女でもない。それでいて、その肖像をみていると、なんとなくその人物に出会ったような気になった。もちろんそうした絵をみたのはずっと以前であり、今見れば印象は違うだろう。ただそれに比べると、今回見た具象画の女性たちは美しいのだが、人間を、そして人生を感じさせる絵というのとは違うように思う。けっしてそれが悪いというのではないのだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年09月22日 09時23分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[博物館・美術館] カテゴリの最新記事
|