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カテゴリ:雑感
世の中の大きな変化というものは深く静かに潜行するという説がある。 そうだとしたら、今という時代も急速に人々の価値観や考え方が変わりつつあり、未婚化だとか少子化だというのは、その波頭の部分にすぎないのかもしれない。 例えば、昭和の時代には次のようなことがよく言われた。 ・老後は子や孫に囲まれて暮らすのが一番幸せであり、年老いた親を一人暮らしさせるのは親不孝であるし、ましてや親を老人ホームに送るなどとんでもないことである。(今は子供の負担で親を施設に送るのは非常な親孝行) ・盛大なお葬式や立派なお墓は幸福な人生の集大成であり、反対に寂しいお葬式や墓のないのは不幸なことである。(家族葬は普通のことだし、直葬も樹木葬も増えている) ・妻を働かせている男は甲斐性のない男であり、結婚する際には、男は妻には仕事を辞めるように要求した。(今時いるのですか、そういう人) ・女は高学歴だと結婚市場では男に敬遠されるとして娘の進学に反対した。 ・女の就職は結婚までの腰掛であり、収入が高く社会的地位の高い男に扶養されるのが幸福とされた。(これは今でもいるのかも) まあ、全部が全部そうだったというわけではないのだが、昭和の時代(30年代以降)はこういう考え方がけっこう多数派だったのではないか。上記のいくつかは令和でも多少は遺っているのかもしれないが、今では時代錯誤となったものもある。 こうしてみると、妻の扶養手当や社会保険などでの優遇はいずれ見直されていくのが趨勢であろうし、最近は婚活市場で花嫁修業という名目の無職女性が敬遠されるというのもありそうな話である。してみると、稼げる女性はより稼ぐ男性しか相手にしないので結婚難、稼げない女性は男性に敬遠されて結婚難、かくて未婚化はすすむということなのだろう。 それに高齢者の介護も、昔はさほど介護期間が長くなかったということもあるのだろうけど、家庭内介護が普通で、日本的家族制度は「含み資産」なんて言った政治家もいた。今はそんな期待もできず、介護業界は人手が足りずに「ネパールに熱視線」だという。まあ、円安がさらにすすめば、そのうち「アフリカに熱視線」になるのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025年05月12日 10時22分36秒
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