大人子供の犯罪
千葉でリビングで音楽の音がうるさいと注意された男が母と妹を人質にしてたてこもったというニュースがあった。包丁を振り回しただけでなく、灯油も撒いていたというので、単純な親子喧嘩という域ではないだろう。そしてまた殺人事件の半数は親族間で起きているというし、家族が警察を呼ぶほどに身の危険を感じても不思議ではない。犯人の男についての詳細な情報はないが、32歳で無職のようだし、ひきこもりではないにしても、それに近いようなものだろう。親は普段から息子の素行に恐怖を感じていたかもしれず、犯人を長期間隔離してほしいと思っているのかもしれない。昔の常識では32歳というのは、家庭を持って仕事でも責任を持つ立場にいるのが普通の年齢だ。しかし、最近はこういう大人子供のようなヒトによる犯罪が多い。いつかも、60歳の男がアニメを見るのを邪魔されたと両親を殺害した事件があったが、今日ではその年齢を聞いてもあまり違和感を感じない。それにしても、本当に、子育てが難しい時代になったものだと思う。そしてまた、こうしたことも、少子化の一因になっているのかもしれない。いっそのこと親子絶縁という制度を創設した方がよいのかもしれないが、そうした義絶とか勘当といったもの自体家制度を前提にしており、今日では現実的ではないだろう。ただ、親が無職の子供の暴力に危険を感じて引っ越したような場合には、DVによる住民票の閲覧拒否の制度の対象を広げ、子供から逃げ出せるような途を作ってはどうなのだろうか。また、生活に困窮した子供が生活保護を申請した場合に、親に十分な資力がある場合には、今日では生活保護受給は難しく、国民感情でも認めがたいのかもしれないが、これも、いったん生活保護を支給した上で、相当額を親から徴収するという仕組みはできないものかと思う。もし、そういう仕組みになっていれば、滋賀のタワマン夫婦も別居した息子に殺傷されなくてすんだし、東大前駅構内切り付け男も生坂村で生活保護を受給して暮らすことができただろう。