@itan-journ@l

2015/01/23(金)23:47

『アイズワイドシャット』10年経って、味わいを増しました

シネマ感想:あ行(76)

                                     送料無料!!アイズ ワイド シャット★【中古】DVD!レンタルじゃなく、やっぱり手元に置いと... 価格:300円(税込、送料込) ※古い映画なので、ネタバレ全開です。   変な映画である。とーっても変な映画である・・・。巨匠スタンリー・キューブリックの遺作にしてトム・クルーズとニコール・キッドマン元夫婦共演作品ということを念頭においても、とってもとっても変な映画なのだ。 公開後のDVDリリース後すぐに観たのですが、実はどんな映画かということは、ほとんど忘れてしまっていたんですよね・・・。覚えていたのは、ニコール・キッドマンが「微乳」だったこと、仮面乱交パーティーでの怪しげな儀式(ここで繰り返される呪文のような歌が、妙~なんだけど、なんか安らぐのは私だけ?)、当時ミドルティーンだったリーリー・ソビエスキーのロリータな魅力が炸裂していたことくらいでしょうか・・・ってほとんどエロ関係しか覚えてないことに、今、気がつきました(笑)。 シネフィル・イマジカでアメリカ公開版をやっていたので、つい観てしまったのですが、上記以外ほとんど忘れていました・・・なので、やっぱり観なおしておいてよかった・・・。ニューヨークに住む裕福な医者夫妻。結婚9年目で娘が一人。やや倦怠期気味・・・という夫婦を当時スーパーセレブ夫婦だったトム・クルーズとニコール・キッドマンが演じています。そんなスーパーセレブカップルが夫婦役ということで、当時はメディアですごく騒がれていたような・・・。セックスシーンを撮るためにセックスセラピスト(指導員的な?)が雇われたから、やっぱり二人は仮面夫婦だった!!とかいう噂もありました。でも、そんなシーンはほとんどなく、実際に観て、肩透かしをくらった!みたいな感じだったと記憶しています。 確か、予告編も♪very bad bad thing~♪というロック調の歌をバックに全裸のキッドマンが鏡の前で踊り、そこへまた全裸(いや黒いパンツはいてたかな・・・)のトム・クルーズがやってきてキスをするというセンセーショナルな感じでしたね。キスをしつつも、キッドマンの方が鏡の中の自分を見ている感じがミステリアスかつサスペンスフルなムードでした。これで、セレブ夫婦の寝室が覗き込める映画だ!と思って下心全開で観にいったら、なんじゃこの映画・・・?という感じ。 しかし約10年前の映画なので、二人とも若いですね。特にトム・クルーズは若くてイケメンすぎて、これでさらに医者ですか・・・と思わず笑っちゃいそうなくらいなトゥーマッチ感。彼の日常の診察風景が短く描写されるシーンなんか、あまりにリアリティーがなさすぎて、ちょっとコントみたいでした。キューブリック監督はそれを狙っていたのでしょうか? 寝室でマリファナをやりながらお互いのジェラシー感について話す夫婦・・・。結婚しているから患者には欲情しないだとか、女だって他の男に目移りするんだ、とか実際に発生した浮気事件ではなく、「もし他の誰かに誘惑されたら、どうする?」という仮定の話で、仮の浮気話でそこまで嫉妬し合えるのなら別にいいじゃん・・・結構円満だよ、アンタたち、と思う私。ここではラリっているがゆえの幼稚っぽい言動のキッドマンに注目です。そして昔会ったイケメンの軍人にグッときた話をされて、マジにショックを受けるトムちん・・・。もう勝手にしてくれ!(笑)   そしてそのまま急患の電話がかかってきて、夜の街を徘徊するトムちん。ここからガラッと映画のテイストも変わる感じです。夜のニューヨークが美しくも怪しげでゾクゾクします(後で知ったのですが、ニューヨークを思わせる撮影はすべてロンドンで行われたそう!キューブリック監督は飛行機嫌いなんだそうです。いろんな意味で巨匠っぽいエピソードだなあ・・・)。患者の家で、「ふたりは最高!ダーマアンドグレッグ」のグレッグが登場してなんか得した気分。グレッグみたいなメンズ、かなり理想なんです。  旧友の働くバーで秘密の仮面パーティーがあることを知ったトムちんは、貸衣装屋でタキシードを借りて大胆にも乗り込みます。東欧系の貸衣装屋オーナーはレイド・ゼルベッジア。ミッションインポッシブル2にも博士役で出ていました。あと、「プラハ・デュエット」というラブロマンス映画にチェコ人役で出ているんですよ~。相手役はジーナ・ガーションでした。プラハの魅力満載の映画なので、興味のある方はチェックして見て下さい・・・。   そして、ヨーロッパ風の大きなお屋敷に到着。「フィデリオ」というパスワードをクリアし中に入るトムちん。そこでは全員仮面着用で、女たちは仮面とTバックのみの恰好、司祭らしき男が香炉を振り回し呪文を唱えている・・・という激ヤバな儀式が繰り広げられておりました。部外者だとバレそうになるも、ある女性に助けられ脱出するトムちん。この女性は前半部分のダンスパーティーで助けた女性なんでしょうね、やはり。   仮面パーティーを脱出しても、とってもゲイなホテルのフロント係り(アラン・カミング)に色目を使われたり、昨夜怒られていたリーリー・ソビエスキーが父親公認で売春してたりして、不思議な世界は続いています。そんなキューブリック的不思議世界で、ひたすら翻弄されるハリウッドスター・トムちんを眺めるのもまたオツな味わい。「えっ?・・・なんだろうコレ」「何かが変だなあ~」と右往左往する世紀のイケメン、トムちんをまるで神視点から観察する、ちょっぴり悪趣味なテイストなんです。   そして、やっと家に帰ってくるトムちん。嫁のニコール・キッドマンが、なくしたと思っていた仮面の横で眠っているのを発見し、「ごめん、すべて話すよ」と全落ちするトムちん。翌朝、娘のクリスマスの買い物のために無理やり外出する夫婦。浮ついたクリスマス商戦の中、重~い雰囲気を肩に乗せて、おもちゃ売り場をうろつく二人。「・・・僕たち、これからどうしようか」「たぶん・・・これだけは言えるわ」「なんだい?」「私たち、ファックすべきよ」(会話うろ覚えだけど、こんな感じ)そして映画終了。   ね、変な映画でしょう?!最初見たときの感想は、「・・・なんだこれ?浅っ!」と思ったものですが、10年経って「・・・・そんなものかもなあああ」という感想に変わりました。そして離婚してしまった二人が出た映画ということも相まって、経年とともに何とも言えぬ味わいの映画に熟成したような気もします。5年、10年とかのスパンで定期的に鑑賞して、感想がどのように変化するのを記録すると面白いのではないかと思いました。

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