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ドクターイワタの認知症・発達障害ブログ~認知症専門外来と認知症専門往診を融合~

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May 24, 2009
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カテゴリ:在宅医療に思う
先週、5月21日(木)の14:00-16:00にドクターイワタが「長久手の福祉を考える会」(長久手交流プラザにて開催)に招かれ、認知症講演『認知症は改善しますよ』を行った。一般向け講演は今回が初めてであり、医学用語をなるべく避けて一般の方々にもわかりやすい言葉遣いに心がけた。
「長久手の福祉を考える会」の方々意外にも、長久手町近隣から認知症に興味のある方々、約60名に集まっていただけた。

前半は認知症についての概論を行った。
1.認知症は85歳以上では約1/3、90歳以上では約1/2の方々に見受けら、決して希ではないこと。
2.認知症は病気であり、早期発見、早期治療が必要であること。
3.認知症外来では、”認知症かどうか”、”脳のどの部分に機能低下が見られるか”を見極めるために行う ”時計描写テスト(CDT)(頭頂葉機能テスト)”や”改訂長谷川式簡易知能検査(HDS-R)(側頭葉機能テスト)”が一番大切であること。
4.画像検査(頭部CT、頭部MRI、脳血流シンチなど)はあくまでも補助診断であり、認知症の種類を見極めるために必要であること。
5.画像検査のみで認知症を診断して大丈夫だという医者は信じるなと言うこと。
6.認知症には治療可能な内科的認知症(甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症など)や外科的認知症(水頭症、慢性硬膜下血腫など)が含まれること。
7.認知症(変性疾患)は10人の認知症患者さんがいたら、アルツハイマー型認知症6名>レビー小体型認知症2名>前頭側頭型認知症1名=脳血管性認知症1名の割合である。
8.アルツハイマー型認知症(ATD)は、側頭葉と/または側頭葉が萎縮しており、アリセプト有効であること。脳血管性認知症(VaD)との混合型が含まれること。
9.レビー小体型認知症(DLB)は、頭部CT画像上、純粋型DLBでは脳萎縮はなし~軽度、移行型DLBではアルツハイマー型に類似していること。幻視、動作ぎこちない(易転倒)=パーキンソン症状、急に症状が変わる(たとえば5分でも)などの特徴があること。 少量のアリセプトでは有効であるが、通常量では副作用が出ること。
10.前頭側頭型認知症(FTD)は、ピック病など反社会行動、常同運動、甘い物好き、盗みなどの特徴があること。比較的記憶保たれること。興奮性薬剤アリセプトは基本的に投与しないこと。
11.脳血管性認知症(VaD)は、かなり広範な脳梗塞病変、両側性深部白質病変が原因になること。
12.アリセプト5mg投与により異常興奮が出ている場合には7日間中止してから減量した量を再開すべき事。
13.暴言、暴力、妄想、幻視、徘徊、独語など陽性症状(興奮系周辺症状)には抑制系薬剤(グラマリール、セロクエル、コントミン、リスパダール、抑肝散など)を投与することで介護がしやすくなること。

後半は症例検討を行いながら「認知症は的確な治療により改善する」ことを示した。
1.レビー小体型認知症では、治療前HDS-R6/30点から治療後1ヶ月HDS-R26/30点に回復する奇跡の復活をされることがあること。そこまでは行かないにしても、治療前HDS-R19/30点から治療後1ヶ月HDS-R27/30点、治療前HDS-R19.5/30点から治療後1ヶ月HDS-R24.5/30点、治療前HDS-R17/30点から治療後1ヶ月HDS-R26/30点と奇跡に近い復活をされる方が多く見られること。
2.アルツハイマー型認知症でも治療前HDS-R19/30点から治療後1ヶ月HDS-R26.5/30点に回復することがしばしば見受けられること。
3.210名分纏めたところでは、平均2.19点の改善が見られたこと。周辺症状の治療のため抑制系薬剤のみ使用およびアリセプトを減量した場合を除けば、改善度はさらにアップすること。
4.フェルガードが有効であること(詳しいことは以前ブログに書きました)。
5.嚥下機能回復 がNewフェルガード(*GA100mg/包) 2包が有効であること。誤嚥性肺炎を繰り返していた胃瘻経管栄養患者にNewフェルガード(*GA100mg/包) 2包を開始し、4週間後、経口摂取可能になり、その後、誤嚥性肺炎の合併はないこと。
6.介護と医療の連携が重要であること。
7.介護に家族・医療情報を、医療に家族・介護情報を迅速且つ的確に取り入れることにより、介護サービスの充実ならびに医療の質の向上を図ることが出来ること。家族、介護、医療の連携により、認知症患者さんや御家族が安心して療養生活を行うことが出来ること。
8.介護の情報の活用により早期発見が可能になり、早期治療が可能になったこと。
9.「各部署が情報をキャッチボールするような形で、すべてその患者さんの情報を共有しているという風にしない限りは、なかなか良い介護もできないし、良い医療もできないということだと思います」、NHK クローズアップ現代 H21/3/3(火)
10.「医師一人では限界があり、将来的には各地域に一人ずつ認知症専門の往診医を置いて、お互いに連携していく必要があると思います」NHK ウィークエンド中部 H21/4/11(土)
11.「在宅介護医療ネットワーク」は在宅介護や医療を良くしようと考えている介護および医療職の方々に登録をしていただき、患者さんやその御家族がより良い介護サービスや医療サービスを自由に選択することを助けようとするシステムであること。

今後も一般向け講演を行い、認知症の早期発見および早期治療の重要性、介護と医療の連携の重要性についての啓蒙を行っていきたい。






Last updated  May 27, 2009 11:14:25 PM



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