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カテゴリ:在宅医療に思う
5年間で認知症専門外来および専門往診で3200名の認知症初診患者を診察してきた。認知症が重症化すると摂食障害(口から食べることが出来なくなる)という人が生きる上で避けられない問題に遭遇する。胃ろうという人工的栄養補給路が開発される前は、誰でも年を重ねて食べることが出来なくなって死んで行くのが当たり前だった。
平成元年、脳神経外科医として市民病院で働き始めた頃、脳神経外科病棟では植物状態となった患者さんが6人部屋に集められていた。当時は胃ろうという物が無く、経鼻経管栄養のため鼻から胃まで管が留置されていた。当時は嚥下困難を改善するという発想もなかった。 最近では、嚥下機能評価として 嚥下造影検査(VF)や内視鏡嚥下機能検査(VE)(両者を併用するのが理想的)が行われるようになってきている。嚥下機能評価で水分で誤嚥することが分かるとゼリー状にして対応することは出来ても、嚥下機能を改善させる画期的な方法は一般的には発見されていない。 認知症に伴う摂食嚥下機能低下に対する治療方法について明示するので診断と治療の参考にしてほしい。摂食とは嚥下を含む一連の動作で、摂食には狭義の摂食と嚥下がある。 1.摂食(狭義)と認知症 A.食物の認識 意識障害がある場合は食事を行うには不適当である。目を開いて、周囲に対して気配りがきている状態にて食事は可能となる。 アルツハイマー型認知症=食物の認識低下(*NewフェルガードLA) レビー小体型認知症 =意識障害(シチコリン1000mg静注) 前頭側頭型認知症 =過食/異食/偏食(コントミン/フェルガード100M) うつ病 =食べる気力がない(ジェイゾロフト内服) B.口への取り込み 口唇や歯を用いて口への取り込みが行われる。基本的な動きは口唇を開いた後に閉鎖するという動きである。口唇閉鎖不全があると口からこぼれてしまう。 アルツハイマー型認知症=食べ方がわからない(*NewフェルガードLA) レビー小体型認知症 =顔面筋の硬直(ペルマックス/メネシット内服) 脳血管性認知症 =顔面筋の麻痺(プレタール/**プロルベインDR) 2.嚥下と認知症 A.咽頭への送り込み(口腔相=嚥下第1期) 舌の運動によって食塊は口の中で口唇側から奥舌へ移動する。奥舌で口峡を通過し咽頭へ移動する。咽頭への送り込みがうまくできないときは、上を向いたり仰向けに寝るなどの工夫が必要となる。 レビー小体型認知症=舌筋硬直(*NewフェルガードLA/ペルマックス/メネシット) 脳血管性認知症 =舌筋麻痺(プレタール/**プロルベインDR) 前頭側頭型認知症 =舌筋硬直/麻痺(フェルガード100M~*NewフェルガードLA/ペルマックス/メネシット) B.嚥下反射(咽頭相=嚥下第2期) 咽頭通過および食道への送り込みは嚥下反射によっておこる。気道が閉じ、食道が開き、舌根が咽頭後壁に押し付けられ、咽頭壁は蠕動運動を起こす。正常ではこの動きは0.5秒以内に完了する。 レビー小体型認知症=咽頭筋硬直(*NewフェルガードLA/ペルマックス/メネシット) 脳血管性認知症 =咽頭筋麻痺(プレタール/**プロルベインDR) 前頭側頭型認知症=咽頭筋硬直/麻痺(フェルガード100M~*NewフェルガードLA/ペルマックス/メネシット) C.食道通過(食道相=嚥下第3期) 嚥下機能を改善させる画期的な方法として認知症の種類に関わらず*NewフェルガードLAが第1選択である。脳血管性認知症に伴う筋麻痺がある場合には、プレタール/**プロルベインDRも併用すべきである。レビー小体型認知症に伴う筋硬直がある場合には抗パーキンソン病剤であるペルマックスまたは/およびメネシット、レビー小体型認知症に伴う意識障害がある場合にはシチコリン1000mg静注、レビー小体型認知症に伴う鬱状態がある場合には抗うつ剤SSRIであるジェイゾロフトを併用すべきである。訪問看護や訪問歯科による嚥下訓練を併用すべきであることは言うまでもない。 誤嚥性肺炎で命を落としたくなければ*NewフェルガードLAを飲むことである。*NewフェルガードLA2-3包1日2-3回朝夕~毎食前(易興奮状態にある場合には1/2包1日1回朝食前から開始)で内服しておけば誤嚥性肺炎で命を落とすことはまずない。NewフェルガードLAは認知症治療および予防もしてくれる。**プロルベインDR4-6Cap1日2-3回朝夕~毎食前で内服しておけば脳梗塞や心筋梗塞をはじめとする血管病変にならないのであるから脳血管性認知症とそれに伴う誤嚥性肺炎を治療および予防できる。 元気に長生きするためには*NewフェルガードLAと**プロルベインDRが必須アイテムであることは言うまでもない。もちろん、私も飲んでいる。ちなみに私は*NewフェルガードLA2包1日2回朝夕食前、**プロルベインDR6Cap1日2回朝夕食前である。 *NewフェルガードLA(グロービア)はフェルラ酸(神経細胞死抑制)とガーデンアンゼリカ(神経再生)の合剤であり認知機能回復および嚥下機能回復に著明な効果がある。 **プロルベインDR(カイン)は血栓溶解作用があり400名の頸動脈エコーで有意なプラークスコアの減少/10日間で約20mmHgの血圧降下/血糖降下作用を認める。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 5, 2013 06:30:18 PM
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