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ドクターイワタの認知症ブログ~認知症専門外来と専門往診の二刀流~

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Feb 9, 2014
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

往診でクロイツフェルトヤコブ病と診断できた症例

20140214#5063#70

クロイツフェルトヤコブ病CJDはドクターコウノのスライドで見たことはあるものの、実際の患者さんを見たことはなかった。今回、当クリニック認知症外来を受診され、在宅診療をしてきた患者がCJDと確定診断されたので報告する。
H25/12上旬から亜急性に進行する認知機能低下があり、H26/1/6大学病院神経内科入院となった。頭部MRI:異常なし。H26/1/15頭部MRI:異常なし。髄液検査:蛋白上昇以外異常なし。希望により退院され、在宅療養されていた。H26/1/24当クリニック認知症外来受診された。せん妄のため閉眼しており、後屈、振戦。歯車様固縮を伴っていた。御家族から問診している間に、GCS(グルタチオン600mg/シチコリン1000mg/ソルコセリル4mL/生食100mL)点滴(15分間)を施行した。GCS点滴直後からやや覚醒して、開眼したため垂直性眼球運動麻痺を調べることが出来た。進行性核上性麻痺と診断して、GCS点滴を訪問点滴で継続することにした。通院は困難であると判断して、定期往診することとした。意識障害が改善せず予定より早くH26/1/31初回往診した。亜急性に意識障害が進行しており、音に対して敏感で全身ピクツキが診られたことからクロイツフェルトヤコブ病と仮診断した。H26/2/2大学病院神経内科にCJDの疑いのため脳波(PSD確認)および髄液検査14-3-3蛋白/Tau蛋白/NSEを検査依頼、1/6-1/15入院中の頭部MRIおよび髄液検査結果について診療情報提供を依頼した。H26/2/3診療情報提供書を受け取った。頭部MRI上CJDを疑う所見はないこと、脳波は提案したが家族が希望されず行っていないこと、髄液検査14-3-3蛋白/Tau蛋白/NSE家族は行っていないとう返事だった。H26/2/5定期往診時、家族に大学病院からの診療情報提供書を渡し、入院して追加検査が必要であることを説明したが家族が入院を希望されなかった。H26/2/12呼吸不全のため大学病院に救急搬送となった。脳MRI:視床高信号、脳波:PSDを認めて、クロイツフェルトヤコブ病と確定診断された。クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の感染対策について調べてみると、
高感染性:脳、脊髄、眼。
低感染性:脊髄液、腎、肝、肺、リンパ組織、脾、胎盤。
感染性なし:血液、尿、便、喀痰、唾液、鼻粘液、涙、汗、母乳、精子、脂肪組織副腎、歯肉、心筋、消化管、末梢神経、前立腺、睾丸、筋肉、甲状腺。
ということで在宅診療は問題ないとほっとした次第である。


GCS(グルタチオン600mg/シチコリン1000mg/ソルコセリル4mL/生食100mL)点滴の有効性を示す4例報告
20140214#5090#66
ケアマネからの紹介である。国立T医療センター神経内科でアルツハイマー型認知症および歩行障害(パーキンソニズムの疑い)と診断され、アリセプト5mgおよびマドパー1錠が処方されていた。診療情報提供書には「心筋交感神経シンチ(123I-MIBG)で正常な心筋集積が見られたからパーキンソン病PDやレビー小体型認知症DLBが否定された」と記載されていたが、レビースコア9点で明らかにDLBであった。高額な画像診断に頼りすぎで間違った診断して、間違った治療をしている典型例だった。問診、臨床症状、神経学的所見でほとんどが診断できる。画像診断は診断が間違っていないことを確かめているに過ぎない。パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症にアリセプト5mgは「禁じ手」であり直ちに中止、アリセプト中止後7日目からからリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M2包を勧めた。せん妄にはサアミオンおよびシチコリン1000mg、抗パ剤はDLBに対する第3選択であるマドパーから第1選択であるネオドパストン(メネシット)へ変更、グルタチオン600mgも併用した。。せん妄にサアミオンおよびシチコリン1000mg、幻視および幻聴に抑肝散、夜間不眠にベンザリン/ロゼレムとした。GCS(グルタチオン600mg/シチコリン1000mg/ソルコセリル4mL/生食100mL)点滴15分後には覚醒して左への傾きが改善した。1週間分の点滴を持ち帰り、隔日で訪問点滴を訪問看護ステーションに御願いした。

20140214#5092#67
札幌に住む長男がインターネット検索をして当クリニックを受診された。N日赤神経内科からアリセプト3mgおよびマドパー2錠が処方されていた。アリセプト服用後、歩行困難が出現し、怒りっぽくなり、薬の副作用ではないかと心配になり来院された。アリセプト3mgから5mgに増量された際に症状が顕著になり、家族が減らすように頼んで3mgに戻したという。パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症にアリセプト3-5mgは「禁じ手」であり直ちに中止、アリセプト中止後7日目からリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M2包を勧めた。Binswanger型脳梗塞にはプロルベインDR4Capを勧めた。抗パ剤はDLBの第3選択であるマドパーからDLBに相性の良いネオドパストン(メネシット)へ変更、グルタチオン600mgも併用した。せん妄にサアミオンおよびシチコリン1000mgとした。GCS(グルタチオン/シチコリン/ソルコセリル)点滴15分後には覚醒して手が振れ、身体が揺れないようになった。この方の場合は、投薬変更で歩行改善が見込まれるため訪問点滴は依頼しなかった。

20140214#5085#68
デイサービスからの紹介である。M市民病院神経内科で幻視とパーキンソニズムがあるにも関わらずアルツハイマー型認知症と診断され、アリセプト5mgおよびリスパダール1mg、いわゆる「パニック処方」がされていた。開業医の先生がその処方を継承しており、おかしいと感じたデイサービスの提言で紹介されたという経緯である。抑肝散陳皮半夏7.5gが処方されていたが、アリセプト5mgのため幻視、幻聴、妄想、暴言、暴力という周辺症状の中で独居生活を続けていた。アリセプト5mgとリスパダール1mgではパーキンソニズムが悪化するのは当たり前で、転倒して右上腕骨折していた。直ちにアリセプト5mgおよびリスパダール1mg/セパソン2mgを中止、フェルガード100M2包を勧め、穏やかになり次第、リバスタッチパッチ4.5mgを開始する予定である。幻視/幻聴には抑肝散陳皮半夏7.5gを継続、妄想にはセレネース0.2mg、鬱状態にはパキシル20mgからパキシル10mg/ジェイゾロフト25mgへ危険分散した。パーキンソニズムにはネオドパストンを開始して、グルタチオン600mgを併用した。せん妄にシチコリン1000mgを開始した。この方の場合も、投薬変更で歩行改善が見込まれるため訪問点滴は依頼しなかった。

20140214#1824#69
5年5ヶ月通院されている方である。開業医の先生が定期往診されており、アルツハイマー型認知症としてアリセプト5mgが処方されていた。途中で幻視、幻聴、せん妄、鬱状態が加わり、レビー化したためアリセプト1.67mg~リバスタッチパッチ4.5mgへ移行し、ジェイゾロフトを追加した。意識消失発作に対しては毎月~毎週シチコリン1000mg静注を訪問看護に依頼していた。最近では語義失語も加わり、意味性認知症SD化していた。近々、グループホームへ入居予定であるということで外来受診された際に、せん妄が酷く後屈している状態であった。GCS(グルタチオン/シチコリン/ソルコセリル)点滴15分後には覚醒して後屈がなくなった。御家族が待ち望んでいた施設入所だが、毎週シチコリン1000mg静注を止めてしまったらどうなってしまうのか心配である。暫く、外来通院していただくつもりであるが、グループホームでは訪問看護も利用できないため嘱託医が隔週シチコリン1000mg静注するしか方法はない。このような時、施設入所によるジレンマを感じずにはいられない。


菫ホームクリニック 小田 行一郎先生からのメール
2月1日品川ホテルパシフィックで行われた認知症治療研究会発足記念講演会でお会いした菫ホームクリニック 小田 行一郎先生から嬉しいメールが届いた。こんなメールを頂くと、「認知症になったら真っ先に読む本」を書いて良かった、「認知症ブログ」を頑張って書いていて良かったと思う。


<以下引用>
長久手南クリニック 
岩田 明 先生 御机下

突然のメールで申し訳ございません。

土曜日の河野先生の講演の後ご挨拶させていただきました,菫ホームクリニックの小田 と申します。

以前より,先生のブログを拝見して是非ご連絡したいと思っておりました。
連絡先がわかりませんでしたが,今回名刺を頂戴してはじめてメールさせていただきます。

私も元は消化器外科医でしたが,訪問診療を行うようになってから認知症の治療に困っておりました。
ところが,河野先生のブログに行き当たり,まさに前の前の世界が開けたようでした。
昨年6月の東京での講演後,実践医登録させていただきました。

先生のブログは昨年より拝見しておりますが,元々先生は脳外出身で,河野先生とはまたひと味違った知見を提供してくださり,毎週拝見しております。

先生の著書の認知症になったら真っ先に読む本は,大変わかりやすく20部保護購入し,施設スタッフ,患者ご家族に配布させていただきました。

まだまだ,実践医として経験も少なく未熟ですが今後ともよろしくお願い致します。

菫ホームクリニック
小田 行一郎 拝
<引用終わり>





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Last updated  Jun 18, 2023 05:27:24 PM
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