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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Mar 6, 2014
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

ドネペジル/プレタール併用療法の有効性

2014/2/27の米国オンラインジャーナルPLoS ONEでMCIにおけるドネペジル/プレタール(シロスタゾール)併用療法の有効性が発表された。3月2日付けの「ドクターコウノの認知症ブログ」で既に紹介されているが、ここに簡単に記載させて頂く。

結果として「認知症が進んでしまった患者を含む認知症全体の解析では、シロスタゾールの同時投与によるMMSEスコアの低下は有意には抑制されなかった。しかし、軽度認知症(MMSEスコアが22点以上26点以下)患者のサブグループ解析により、ドネペジル塩酸塩単独で治療された36名の患者ではMMSEスコアの2点以上の低下が観測されたものの(-2.2/年)、シロスタゾールを6カ月以上追加投与された34名の患者では、MMSEスコアの低下が0.5点と抑制された(-0.5/年)。」と記載されている。

結論として「MCI(軽度認知障害)にはドネペジル単独療法に比べ、ドネペジル/プレタール併用療法が進行予防に優れている。一方、Moderate/Severe dementia中等度/重度認知症には有効性は見られなかった」と記載されている。ただし、ドネペジルおよびプレタールの用量については記載はなかった。

Ihara M, Nishino M, Taguchi A, et al.: Cilostazol Add-On Therapy in Patients with Mild Dementia Receiving Donepezil: A Retrospective Study.
PLoS ONE 9(2): e89516. doi:10.1371/journal.pone.0089516,Epub 2014 Feb 27.

ドクターコウノは以前からプレタールは文献上も有効性が高いと指摘されており、プレタールをコウノメソッドに採用されている。プレタールは抗血小板作用とともに血流量増加作用、内皮機能改善・保護作用、血管平滑筋細胞増殖抑制作用があり、意欲減退といった老人性のうつ状態に対する効果、神経保護作用、嚥下障害の改善効果がある。プレタールは頻脈と両下肢浮腫などの心不全傾向になるのが問題な薬だが、アリセプトは徐脈となるため組み合わせとしては良いという記載もある。プレタールで心不全を数例経験したトラウマから私自身プラビックスへ逃げる傾向にあったが、今後は心不全以外の方にはプレタールを優先して処方して行こうと考えている。

症例報告
20140228#5072#81
知り合いからの紹介で見えた。診察中の態度や問診から前頭側頭葉変性症FTLDであることはすぐにわかった。レビースコア2。ピックスコア4。前医ではアルツハイマー型認知症と診断され、アリセプト5mgが出ていた。同居する長男嫁の話では全く効いていないという。FTLDだからアリセプトは効かないのである。頭部CTでもFTLDの所見が見られた。アリセプトを直ちに中止して、フェルガード100M2包を開始した。アリセプト中止後8日目からリバスタッチパッチ4.5mgを開始した。28日後、中核症状、周辺症状共に著明改善、一発改善である。

20130307#5062#83
親戚からの紹介で見えた。物とられ妄想が酷く、「泥棒が入った」と警察通報を2ヶ月の間に4回されていた。前医からアムロジン2.5mgが出ており、初診時の血圧114/72であった。頭部CT上、両側基底核ラクナ梗塞数カ所および境界領域梗塞を認めた。言ってみれば、脳血流低下状態に降圧剤が追い打ちをかけている状態であった。妄想にはセレネースと行きたいところであるが、アムロジンを中止してプロルベインDR4Capを勧めることで脳血流を回復させ「妄想を引き起こしている脳血流状態から回避」する道を選んだ。リバスタッチパッチ4.5mgは妄想を悪化させるおそれがあるため我慢して、フェルガード100M2包を勧めておいた。35日後、再診されたが、物とられ妄想は全くなくなっており、血圧も144/72と丁度良い程度まで上昇していた。境界領域梗塞で高血圧を合併している場合、BP130-150を目標に血圧調節するようにしている。中核症状は軽度改善に止まっており、初診時に我慢したリバスタッチパッチ4.5mgをここぞとばかりに処方しておいた。

20130307#5075#84
特養からの紹介である。2ヶ月前に特養入所したものの、幻視、幻聴、暴言、暴力、易興奮、物とられ妄想、夜間不眠、感情失禁、甘い物好きなどの周辺症状で困り果て後見人と共に来院された。嘱託医からは抑制系も興奮系も全く処方されていなかった。レビースコア4。ピックコア6。レビー・ピック複合LPCである。生保で特養入所と言うことで健康補助食品は使えない。暴言/暴力にはウインタミン朝4mg夕6mg 、幻視/幻聴には抑肝散2.5g(抑肝散2.5gに対してアスパラK0.6gを処方しておくと低K血症にならずにすむ/腎不全など高K血症の場合を除く)、物とられ妄想にはセレネース0.2mgとした。28日後、暴言および易興奮以外の周辺症状はなくなり、中核症状も軽度改善していた。ウインタミン朝6mg昼6mg夕6mgに増量して、施設天秤法ウインタミン18-36mgとしておいた。この方は脳梁欠損症を伴っていた。認知症/脳梁欠損症でpubmedで検索してみても特別な論文は得られなかった。半球間連絡路である脳梁がないといことが認知症発症に関連しているのか興味が持たれるところである。

20130307#5084#85
親戚からの紹介で見えた。毎日、バスに乗ってマッサージ機器の販売店に通っていた。購入する気は全くないが、毎日通っているため友達と会って話をするのが楽しみであるという。これは周徊である。最近、バス停を間違えて降りて、警察保護や消防署保護されるようになったため長男が困って連れて見えた。現在、独居生活をおくっている。道に迷うというのに時計は上手にかけた。改訂長谷川式ではアルツパターンであったが、5品目テストは満点だが野菜が出ない。でも、語義失語もない。うーんと困っていると、不機嫌そうに腕組みをしてくれた。ピックスコア4。頭部CTでは前頭葉萎縮中等度および左海馬萎縮軽度を認めたため、前頭側頭葉変性症と診断して、リバスタッチパッチ4.5mgとしてフェルガード100M2包を勧めた。24日後、道に迷わなくなったが、相変わらず「購入しないマッサージ機器店」への周徊は続いていた(敬老パスでお金もかからず、デイサービスの代わりにまあいいかと納得)。中核症状は改訂長谷川式:17/30(+1)、近時記憶3/6(+3)と改善しており、不機嫌そうな態度や腕組みも見られなかった。

20130307#5083#86
知り合いからの紹介である。この方も独居である。やはり、時計は上手にかける(時計描画テストは車運転、迷子、炊事、洗濯、掃除などの生活力を見る)。開業医からアリセプト3-5mgと処方され、食欲低下のため中止されたことがあった。アリセプトに対する薬物過敏である。メンタルクリニックで鬱病と診断され、デプロメールを処方されたことがあったが自己中止していた。初診時、見るからにやせ細っていた。開業医からアムロジピン5mgとメマリー20mgが処方されていた。今考えるとこの時点でメマリーを減量すべできであった。物とられ妄想があるにも関わらず、アムロジピンでBP120/68まで血圧が下げられていた。頭部CTで境界領域梗塞を認めた。脳血流低下状態に降圧剤が追い打ちをかけている状態である。アムロジピン5mgをすぐに止めた。リバスタッチパッチ4.5mgを開始して、フェルガード100M2包を勧めた。24日後、中核症状は軽度改善、物とられ妄想はヘルパーにのみ残っていた。ふらつきと食欲低下があることが確認でき、メマリー20mgを10mgに減量、鬱状態にサアミオン5mgを開始した。

20130307#4866#87
知り合いからの紹介である。7年前にN大学老年科でアリセプト3-5mgが処方され、直後にグループホームに入所されていた。1年前にはメマリー5mgが処方され、歩行悪化、右大腿骨頸部骨折となり、大学病院~リハビリ病院を経由して、老健に入所された。半年前、老健入所中に来院された。幻視、パーキンソニズム、薬物過敏を伴った典型的なレビー小体型認知症であった。運の悪いことにアリセプト5mgが継続投与されており、中止してリバスタッチパッチ4.5mgに変更すべきであると伝えたが、老健ではパッチは無理であるとアリセプト5mgを継続されてしまった。1ヶ月前に特養に入所され、晴れて正しい治療を受けることが出来るようになった。直ちにアリセプト5mgを中止。アリセプト中止後8日目からリバスタッチパッチ4.5mg開始とした。パーキンソニズムにはニュープロパッチ2.25mgを開始した。ここでGPS点滴の出番である。グルタチオン1000mgとした。両脇を抱えても立位が出来なかった(左写真)のに、点滴直後からぐんぐん歩けるのである(右3枚、左から順に)。


ニュープロパッチ 3月1日から長期処方解禁
ニュープロパッチが3月1日から長期処方解禁となった。最後の症例の方は3月に入ってからの来院であり、長期処方をした初めての方である。リバスタッチパッチは4人に一人がパッチ痒疹に悩まされている。ニュープロパッチもリバスタッチパッチと同じ処置、すなわち、貼る前にヒルドイドクリーム、痒くなったらフルメタローションをするように指導している。それでも駄目ならヒルドイドクリームのかわりにピュアバリアである。

「ドクターコウノの認知症ブログ」における「岩田 明先生ブログ」へのリンク

3月5日から「ドクターコウノの認知症ブログ」において「岩田 明先生ブログ」へのリンクをはって頂いた。光栄であると共に身の引き締まる思いである。「長久手南クリニック認知症ブログ」はまだまだ知名度が低く、twitterやfacebokなどでブログ更新を紹介しているものの、更新日金曜日は来訪者200名、土曜日150名、日-木曜日の5日間が100名程度である。「ドクターコウノの認知症ブログ」にリンクをはって頂いたおかげで、本日は水曜日にも関わらずブログ来訪者は156名に増えている。

最近、日々の症例をスライドに纏める習慣が出来たため、木曜日~金曜日に認知症ブログのために夜更かしすることがなくなった。また、症例を纏めるようになって自分の治療を見直すよい機会にもなってる。これからもブログの中で日々の症例をコウノメソッド医療者をはじめ出来るだけ多くの方々発信していくつもりである。





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Last updated  Jun 18, 2023 05:26:47 PM
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