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ドクターイワタの認知症ブログ~認知症専門外来と認知症専門往診を融合~

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pinot club 466th wi… 道草.さん

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Aug 9, 2014
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認知症治療で使われている薬と介護者の観察ポイント
- コウノメソッドによる認知症診断および治療の実際-

認知症のタイプによる薬剤の選択
一般的に認知症はアルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、脳血管性認知症(VD)に分類されます。最近では色々な病理所見が混在していることがわかってきており、アルツハイマー型認知症(ATD)はレビー化(ATDと思われていた患者に振戦、幻視、小刻み歩行などが加わってくること)、前頭側頭葉変性症(FTLD)の失語症候群はピック化(失語症候群に暴言、暴力、盗癖、盗食などの脱抑制行為が加わってくること)することがわかってきました。2012年9月2日名古屋フォレストクリニック河野和彦先生が「ドクターコウノの認知症ブログ」の中でレビー・ピック複合(LPC)というレビー小体型認知症とピック病が合併した新しい疾患概念を提唱されました。認知症分類が困難になったからと言って、治療を諦めてはいけません。コウノメソッドの素晴らしいところは、ピック症状(暴言、暴力、盗癖、盗食などの脱抑制行為)にはピックセット、レビー症状(振戦、幻視、小刻み歩行)にはレビーセットと言った処方骨格が決まっていることです(コウノメソッド2014の35ページ参照)。レビー・ピック複合であればピックセットとレビーセットを併用すれば治すことが出来るのです。当クリニックにおける認知症専門外来病型分布はDLB(44.8%)>FTLD(24.8%)>LPC(13.8%)=ATD/MIX(13.8%)>VD(2.4%)>NPH(0.5%)の順です。

アルツハイマー型認知症(ATD)
レビー小体型認知症とピック病を否定した残りをアルツハイマー型認知症と診断します。具体的にはコウノメソッド2014の28ページにあるレビースコア(3点以上なら90%レビー小体型認知症)およびピックスコア(4点以上なら90%前頭側頭葉変性症)で、レビー小体型認知症とピック病を否定します。治療としては認知機能低下にドネペジル1.5-5mg(1.5mgで開始して2.5mg,5mgへ漸増)、フェルガード類(フェルガード100M1-3包またはNewフェルガード1-3包)、メマリー2.5-10mgを併用します。詳しくは2.A.中核症状の治療薬を参照下さい。中核症状の治療薬で興奮症状が出た場合については、4.Bを参照下さい。脳梗塞を合併する場合には妄想が多く見られ、セレネース0.2-1mgを併用します。脳梗塞再発はアルツハイマー型認知症の悪化因子であり、画像上1カ所でも脳梗塞を認めたらプレタール50-200mg(またはプラビックス25-75mg)およびサアミオン6-15mgを併用します。混合型認知症の場合はドネペジルよりもレミニールが優れているという報告があります。

レビー小体型認知症(DLB)
レビー小体型認知症は 1.物忘れなどの認知機能低下、2.幻視・幻聴・悪夢・夢の続きなどの幻覚症状、3.小刻み歩行・振戦(ふるえ)・歯車様固縮(こわばり)などのパーキンソニズム(パーキンソン病様症状)4.鬱状態が合併した認知症です。夜間不眠、せん妄・意識消失発作もしばしば伴います。1-4すべてを持つタイプ、1および2のタイプ、1および3のタイプと色々なタイプがあります。従って、治療は症状に合わせて、1.認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5-9mgおよびフェルガード100M2包、2.幻覚症状に抑肝散2.5-10g(副作用:低K血症に伴う両下肢浮腫・心不全、低K血症の予防としてアスパラKを併用)やシチコリン1000mg静注、3.パーキンソニズムに伴う歩行困難にニュープロパッチ2.25-4.5mgまたは/およびメネシット(ネオドパストン)(100)1-3T(副作用:幻覚の悪化、興奮)、4.妄想にセレネース0.2-1mg(副作用:パーキンソニズムの悪化)、5.夜間不眠にレンドルミン0.5-1T、6.せん妄・意識消失発作にシチコリン1000mg静注、7.うつ状態にジェイゾロフト(25)1-2Tとします。症状に合わせて処方することが大切で、幻覚症状がなければ抑肝散は必要なく、パーキンソニズムがなければニュープロパッチ/メネシット(ネオドパストン)は必要ありません。

前頭側頭葉変性症(FTLD)
前頭側頭葉変性症(FTLD)は認知症症候群(前頭葉に主病変があるピック病(FTD))と失語症候群(側頭葉に主病変がある意味性認知症(SD))大きく分けられます。ピック病(FTD)の初期には、前頭葉症状(甘い物好き、収集癖、盗癖、暴言、暴力、徘徊、唾吐き、煙草のポイ捨てなど)のみで側頭葉症状である記銘力低下は見られません。従って、時計描画テストや改訂長谷川式簡易知能検査では正常となることがしばしば認められます。FTDの診断には問診が最重要です。前医がアルツハイマー型認知症と誤診してアリセプト3-5mgを処方して興奮している場合、直ちにアリセプトを中止します。治療としては、まずはウインタミン朝4mg夕6mgで開始してウインタミン家族天秤法(10-72mg)で興奮を抑えます。次に前頭葉機能回復のためフェルガード100M2包で開始してフェルガード100M3-4包を維持量とします。落ち着いてきたらウインタミンを漸減して可能であれば中止します。前頭葉症状が改善したら、リバスタッチパッチ4.5mg(max)を追加可能です。意味性認知症(SD)の場合は、語義失語の口頭試験(「右手で左肩を叩けますか?」、「猿も木から落ちる」の意味は?、「犬も歩けば」の続きは?、「弘法も筆の」の続きは?、「利き手」はどちら?)を行い、1つでも出来なければ語義失語ありとします。前頭葉症状がなければリバスタッチパッチ4.5-9mgおよびフェルガードB2包(またはNewフェルガードLA2包)を開始します。

脳血管性認知症(VD)
頭部CT上、広汎深部白質梗塞(ビンスワンガー型脳梗塞)または境界領域梗塞(脳内血管、頸動脈および椎骨動脈の狭窄のため脳血流が不足した状態) を認めます。治療としてはプレタール50-200mg(副作用:頻脈、心不全、頭痛)およびサアミオン6-15mgを用います。境界領域梗塞にはサプルメントであるプロルベインDR4-6Cap(カイン)を併用します。プロルベインDR(副作用:口渇、蕁麻疹を数例のみ経験)は血栓溶解作用があり、400名の頸動脈エコーで有意なプラークスコア(血管壁のヘドロ)の減少が見られます。プロルベインDRには高血圧症や糖尿病の改善作用も見られます。妄想を伴う場合には、抑制系薬剤セレネース0.2-1mgを併用します。






Last updated  Aug 9, 2014 06:30:35 PM
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