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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Mar 12, 2017
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

土岐プレミアムアウトレット

久しぶりの土岐プレミアムアウトレット。今年のイースター復活祭は4月16日というのにもうこんな風景が、、、。。
20170312@Happy Easter1
イースター復活祭飾り@土岐プレミアムアウトレット
20170312@Happy Easter2
イースター復活祭飾り@土岐プレミアムアウトレット

症例報告

20170312@6688@906
知り合いからの紹介である。既往歴:内科 1.レミニール16mg 2.プラビックス50mg 3.ザグラス配合錠HD。物忘れ、徘徊、易転倒、病識欠如、語義失語、甘い物好き、収集癖、腕組みを呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.側頭葉萎縮中等度、4.海馬萎縮中等度、5.両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:6、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下に他院からレミニール16mgを継続、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に他院からプラビックス50mgを継続、プロルベインDR2Capを勧めた。BP155/94。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:10/30(+-)、近時記憶3/6(+-)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。BP122/78。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:18.5/30(+8.5)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。BP116/72。他院からのザグラス配合錠HDを減量するように指導した。

20170312@6705@907
インターネット検索で来院された。物忘れ、易興奮、物とられ妄想、昼間傾眠、甘い物好き、収集癖を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.右>左側頭葉萎縮先端部中等度、4.右>左海馬萎縮軽度、5.脳梗塞なし、6.その他 ピック切痕。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:4、前頭側頭型認知症(ピック病)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。前頭葉症状にウインタミン朝4mg夕6mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+5)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、いらいら時々以外上記周辺症状はすべて改善した。前頭葉症状にウインタミン朝4mg夕6mgから朝6mg夕9mgに増量した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(-1)、近時記憶3/6(-2)と軽度悪化、いらいら偶に以外上記周辺症状はすべて改善した。認知機能低下にメマリー5mg開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶6/6(+3)と軽度改善、いらいら偶に以外上記周辺症状はすべて改善した。家族天秤法によりメマリー1.25mg(メマリー2.5-5mgでは興奮)で維持した。

20170312@6767@908
インターネット検索で来院された。既往歴:H14脳梗塞、左不全片麻痺。物忘れ、左不全片麻痺、物とられ妄想、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮軽度、2.右>左前頭葉萎縮中等度、3.右>左側頭葉萎縮中等度、4.右海馬萎縮軽度、5.右深部白質陳旧性梗塞、境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化、右>左ピック切痕。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR2Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(-1)、近時記憶3/6(-1)と軽度悪化、物盗られ妄想が酷くなり興奮状態になっていた。サプリメントは飲んでおらず、レミニール4mg/ナウゼリン10mgだけ内服したため興奮状態になったと考えられた。

20170312@6880@909
知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、夜間不眠、食欲低下、味覚低下、語義失語、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮中等度、4.海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化、左>右ピック切痕、左>右脳室拡大。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:9、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:13/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ2.25mgを開始、フェルガード100M/粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18.5(+5.5)/30、近時記憶2/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。プロルベインDRは希望されなかった。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。

20170312@6887@910
知り合いからの紹介である。物忘れ、不定愁訴、語義失語、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.左>右前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮先端部軽度、4.左海馬萎縮軽度、5.脳梗塞なし、6.その他 両側淡蒼球石灰化、左>右脳室拡大。以上から、レビースコア:1、ピックスコア4.5、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶0/6と軽度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+7)、近時記憶3/6(+3)と一発改善、上記周辺症状はすべて消失した。


研究留学時代の話~University of Pennsylavania~

筆者は1999年3月~2005年9月まで6年半、アメリカ合衆国ペンシルベニア州にあるUniversity of Pennsylvania(以下UPENNと省略)に研究留学した経験があります。脳神経外科の頭部外傷センターのDr. Douglas H.Smith M.D.が私のBossでした(以下Dougと省略)。

頭部外傷センターでしたが、頭部外傷および脊髄損傷疾患の基礎研究を行っていました。DougはRat /Mouse Water Mase Testで名が知れた人でしたが、筆者はDiffuse axonal injury(以下DAIと省略、びまん性軸索損傷)についての研究を行っていました。UPENNにはDr.Gennarelli GAが中心になって開発した大がかりなDiffuse axonal injuryのMiniture Pigを用いたモデルで実験装置がありました。Diffuse axonal injuryの際に、神経細胞や軸索にアミロイドβが蓄積されることを発見したのです。

一方、DAIのin vitro model(細胞モデル)としては神経細胞の軸索のみを瞬間的に伸ばすことで顕微鏡下にDAIを再現して観察していました。DAI直後から軸索内にカルシウムが流入すること、カルシウム流入前にナトリウムが流入すること、ナトリウム流入を阻止すれば軸索損傷が軽減すること、ナトリウムチャンネル損傷を阻止すれば軸索損傷が軽減することなどを発見しました(The Journal of Neuroscience. 24 (19): 4605—4613.)。これらのことはhttps://en.wikipedia.org/wiki/Diffuse_axonal_injuryに詳術されています。

もう一つ、脊髄損傷モデルに神経移植を行い修復する試みを行っていました。in vitro model(細胞モデル)で軸索をゆっくりと伸ばして(1mm/day)からコラーゲンで固めてラットの脊髄損傷部位に移植を行っていました。移植片は1ヶ月間生着していることを証明しましたが、残念ながら機能的回復は認めませんでした。

UPENNにはアルツハイマー型認知症に関する世界一の研究室(Dr.Lee VMおよびDr.Trojanowski JQ夫妻)がありました。研究生活が5年経過したときに、今後の筆者の研究者としての可能性についてDr.Lee VMに相談しました。Dr.Lee VMは「あなたは日本に帰って臨床医をしなさい」とピシャリと言われました。今、筆者が帰国後こうして認知症治療に励んでいるのは何か因縁があるのかも知れません。
アメリカでの研究生活はモノにはなりませんでしたが、頭の中にいくつかのCPUを同時に回すという研究生活で得た経験は今でも生かされています。研究室のテクニシャンのKevin D. Browneとフランス人研究者 Hubert Monnerie とは今でもメールでやりとりしています。

失意のまま、2005年9月に帰国して、往診医を目指し、その中で認知症患者を救おうと心に決め、ドクターコウノと出会い、2007年11月には、長久手南クリニックを開院したのです。それから10年間、日々、認知症患者さんと真剣に向き合って来ました。今でも頭の中の整理をする上で、アメリカでの研究生活の経験が生かされています。これは、まさにSteve Jobsの言う「すべての経験は逆を辿ると繋がっている」という名言に言い尽くされているのではないかと思います。





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Last updated  Jun 18, 2023 04:32:14 PM
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