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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Jul 31, 2018
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

天草はやっぱり天国だ
7月29日、名古屋を台風12号が通過して、名古屋~阿蘇くまもと空港に無事フライトすることが出来、レンタカーを利用して天草に無事到着。ほっとする間もなく、天草に台風が追っかけてきました。7月30日は台風一過の好天です。とてもかくても予定通り、夏休みを過ごすことが出来ています。


天草の島々が見下ろせるオムニテニスコート。素晴らしい環境です。7月29日、7月30日、たぶん7月31日も、夫婦でテニスを楽しんでいます。​

症例報告


ケアマネからの紹介である。既往歴:内科①ブロプレス8mg。物忘れ、昼間傾眠、易転倒、甘い物好き、生真面目、膝組み、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:14.5/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始、プロルベインDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(+3)、近時記憶1/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。低タンパク血症(BUN9.0,Alb3.5)。VitB1=19,VitB12=262,葉酸=4.6。ビタミンB1欠乏症(目標値50)、ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸低下症(目標値10)を呈しており、メチコバール500μg開始、胚芽米(ビタミンB1,2,3,5,6,9(葉酸)/ビタミンE)、肉・魚介類(ビタミンB12)を食事指導した。フェルガード100M粒1錠/プロルベインDR1Capは開始しておらず、再度勧めた。



看板を見て来院された。既往歴:H20/6腰椎圧迫骨折。H23&28両膝人工関節置換術。内科①ニューロタン②カルフィーナ③テネリア④ファモチジン⑤ガスモチン⑥アンプラーグ⑦ロキソプロフェン⑧セイブル。物忘れ、妄想、暴言、易興奮、歩行不安定、病識欠如、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:19.5/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23.5/30(+4)、近時記憶4/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。VitB1=30,VitB12=531,葉酸=7。ビタミンB1低下症(目標値50)、葉酸低下症(目標値10)を呈しており、胚芽米(ビタミンB1,2,3,5,6,9(葉酸)/ビタミンE)を食事指導した。一般採血:BUN13.7,Fe108,Alb3.9,Hb11.5,MCV102,Plt11.3以外異常なし。



親戚からの紹介である。既往歴:H29/10左股人工関節置換術。H29/12-H30/2右膝人工関節置換術。整形外科①セレコックス②ミオナール③ルネスタ物忘れ、夜間大声、悪夢、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、易転倒、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にレミニール4mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+0.5)、近時記憶3/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。VitB1=30,VitB12=387,葉酸=1.7。ビタミンB1低下症(目標値50)、ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸欠乏症(目標値10)を呈しており、胚芽米(ビタミンB1,2,3,5,6,9(葉酸)/ビタミンE)、肉・魚介類(ビタミンB12)を食事指導した。一般採血:BUN14.4,s-Cr0.78,K3.4,Fe18,Alb2.9,TCL147,Hb9.6以外異常なし。ビタミンB群欠乏症、低タンパクおよび低脂肪血症にエネーボ、鉄欠乏性貧血にフェロミア100mgを開始した。


ケアマネからの紹介である。既往歴:H28/1狭心症。循環器内科①バイアスピリン②アロプリノール③タケプロン④リバロ⑤プロスタット⑥プラビックス⑦エパデール⑧ワーファリン⑨アムロジピン。物忘れ、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、甘い物好き、生真面目、膝組み、小刻み歩行、左>右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:5、レビー・ピック複合(LPC)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR2Capを勧めた。易転倒にドパコール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶4/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。VitB1=27,VitB12=530,葉酸=5.3。ビタミンB1低下症(目標値50)、葉酸低下症(目標値10)を呈しており、胚芽米(ビタミンB1,2,3,5,6,9(葉酸)/ビタミンE)を食事指導した。一般採血:γGTP63,TCL120,Hb12.3,Plt10.5以外異常なし。



ケアマネからの紹介である。既往歴: 泌尿器科①ベタニス50mg。メンタルクリニック①サインバイルタ40mg②コンスタン0.8mg。循環器科①バイアスピリン100mg②アムロジン5mg③エカードHD。整形外科①エディロール。物忘れ、易興奮、夜間不眠、夜間せん妄、REM睡眠行動障害、寝言、鬱状態、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮中等度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他   両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR2Capを勧めた。欝状態にサインバルタ40mgから20mgへ減量、コンスタン0.8mgから0.4mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。VitB1=29,VitB12=367,葉酸=10.2。ビタミンB1低下症(目標値50)、ビタミンB12低下症(目標値500)を呈しており、胚芽米(ビタミンB1,2,3,5,6,9(葉酸)/ビタミンE)、肉・魚介類(ビタミンB12)を食事指導した。一般採血:Hb11.6以外異常なし。


​エネーボ®配合経腸栄養液 vs  エンシュア®およびラコール®配合経腸栄養液​

アボット久々の新作である『エネーボ』は、2014年に登場した新しい半消化態栄養剤です。『エンシュア』や『ラコール』など、従来の栄養剤には入っていなかった「セレン」(「セレン」の不足は慢性心不全のリスクになります。『ラコール』には少量含有)・「クロム」・「モリブデン」といった微量元素を含有し、これら微量元素のほかにも脂肪代謝に関与する「L-カルニチン」・胆汁酸を分泌する「タウリン」・腸内細菌に良い「フラクトオリゴ糖」・食物繊維である「難消化性デキストリン」 が配合されています。脂肪を8.8gから9.3gに増量、脂肪組成をリノール酸(オメガ6)を多く含むコーン油からαリノレイン酸(オメガ3)を多く含むひまわり油、なたね油、魚油(EPA/DHA)に改善しています。たんぱく質を8.8gから13.5gへ増量、アレルギーの原因になるカゼインを取り除いています。これらは厚生労働省策定 2010年度版 日本人の食事摂取基準をもとに設計されているため、エンシュアより今の時代にあっていると考えられます。高齢者で骨粗鬆症や骨折が多くみられていることから、以前よりビタミンDを増量しています。一方で、粘度が高く『エンシュア』や『ラコール』と比べるとややライン詰まりが多いため8Fr以下の径では詰まり易いこと、バニラフレーバーしかないことが欠点と言えます。









以上から、『エネーボ』は、『エンシュア』や『ラコール』と比較して低糖質・高タンパク・高脂肪食であり、たんぱく質組成および脂肪組成が改善、微量元素も追加されています。

筆者の臨床経験上、鉄欠乏性貧血、ビタミンB欠乏症に低アルブミン血症を伴う場合は、鉄剤を投与すると鉄運搬タンパクであるTIBC(トランスフェリン)が低下していることが多く吐気による食欲低下、ビタミンB群製剤を投与すると糖質・タンパク質・脂肪分解促進などによりるい痩を悪化させることが多く見られます。従って、低栄養の治療は、アルブミン>鉄>ビタミンB群の順または同時に開始する必要があります。鉄分、ビタミンB群、タンパク質を含む『エネーボ』は食欲低下のためるい痩が進んだ高齢者にとって理想的な栄養補給食品と言えます。

添付文書、インタビューフォーム記載内容の比較

◆栄養剤としての分類
エンシュア:半消化態栄養剤
ラコール:半消化態栄養剤
エネーボ:半消化態栄養剤

◆効能・効果
エンシュア:経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給
ラコール:経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給
エネーボ:経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給

◆販売単位の分量・カロリー・価格
エンシュア:1缶250mLで250kcal(135.0円)
ラコール:1袋200mLで200kcal(146.0円)
エネーボ:1缶250mLで300kcal(182.5円)

◆誕生した年
エンシュア:1988年
ラコール:1999年
エネーボ:2014年

◆三大栄養素のカロリー比率
エンシュア:炭水化物54.5%、タンパク質14.0%、脂肪31.5%
ラコール:炭水化物62.0%、タンパク質18.0%、脂肪20.0%
エネーボ:炭水化物53.0%、タンパク質18.0%、脂肪29.0%

◆動物性タンパク質:植物性タンパク質の比率
エンシュア:  87.3:12.7
ラコール:  66.6:33.3
エネーボ:  90.5:9.5

◆製剤の粘度
エンシュア:9.0mPa・s
ラコール:5.51~6.52mPa・s
エネーボ:16.0mPa・s

◆セレン・クロム・モリブデンの配合
エンシュア:なし
 ラコール:セレンのみ5μg程度含有
エネーボ:セレン20μg、クロム31μg、モリブデン34μg

◆味付けの種類
エンシュア:バニラ・コーヒー・ストロベリーの3種(※エンシュアHは6種)
ラコール:ミルク・コーヒー・バナナ・コーンの4種
エネーボ:バニラのみ1種

◆派生の剤型
エンシュア:通常の『エンシュア・リキッド』、カロリーが1.5倍の『エンシュアH』
ラコール:経腸用液、経腸用半固形剤
エネーボ:経腸用液のみ

◆メーカー
 エンシュア:アボット
 ラコール:大塚製薬
エネーボ:アボット

http://10ai-konan.jp/pdf/eiyou03.pdf
http://products.abbott.co.jp/medical/product/ppg/tenbun/enebo.pdf






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Last updated  Jun 18, 2023 04:20:22 PM
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