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ドクターイワタの認知症・発達障害ブログ~認知症専門外来と認知症専門往診を融合~

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Jun 27, 2022
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​春爛漫3~長久手南クリニック~​
今年で59歳となり、長久手南クリニックを開業して15年目を迎えています。70歳までは頑張ろうと思っています。

シラン@長久手南クリニック

シラン@長久手南クリニック

ジューンベリー@長久手南クリニック
​症例報告​

地域包括支援センターからの紹介である。物忘れ、アパシー、歩行不安定、語義失語、感情失禁、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:5.5/9、改訂長谷川式:13/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスチグミンテープ4.5mgを開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2粒を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+3)、近時記憶3/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失改善した。甲状腺正常。一般採血:Hb11.5,Zn73,Ferritin10.2以外異状なし。VitB1=21,VitB12=227,葉酸=10.2。VitB12欠乏症にメコバラミン0.5mgを開始、鉄欠乏性貧血にヘム鉄1Capを勧めた。

インターネット検索で来院された。既往歴:H31右頭頂後頭葉脳梗塞、左同名半盲、ドネペジル3-5mg、東名病院①バイアスピリン100mg②タケキャブ10mg③ドネペジル塩5mg④アジルバ20㎎。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、暴言、介護抵抗、昼間傾眠、感情失禁、食慾低下、徘徊、薬物過敏(クエチアピンで幻視/幻聴出現中止)を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:10、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。易興奮のためドネペジル5mg中止、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に他院からバイアスピリン100mg/タケキャブ10mg/アジルバ20㎎維持とした。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+4)、近時記憶3/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL164,Hb11.9,Zn64以外異状なし。VitB1=15,VitB12=364,葉酸=5.7。認知機能低下にタケキャブ10mg/アジルバ20mg中止を指示した。

インターネット検索で来院された。60歳で定年退職、再雇用。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)/軽度認知障害(MCI)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG172以外異状なし。VitB1=32,VitB12=313,葉酸=4.2。アルブミン/中性脂肪/ビタミンB12/葉酸栄養指導およびグルテンフリー・カゼインフリー指導を行った。

知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、介護抵抗、食欲低下、体重減少、鬱状態、生真面目、語義失語を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:5/9、改訂長谷川式:11/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+3)、近時記憶4/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Hb11.0,Zn72以外異状なし。VitB1=27,VitB12=428,葉酸=12.7。

愛知医科大学精神科からの紹介である。既往歴:R2/8パーキンソニズム、愛知医科大学精神科①アリセプト5mg②イーシー・ドパール2錠③トレリーフ25mg。 R3/10/31胸椎圧迫骨折、おおた整形外科①エディロール。物忘れ、幻視、被害妄想(電気で悪戯をされた)、易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:7、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg(F50mg/GA10mg)粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。歩行困難にアリセプト5mg中止/イーシー・ドパール2錠から1錠へ減量/トレリーフ25mg中止、グルタチオン点滴(生理食塩水100mL/グルタチオン2000mg/ビタミンC2g/ビタミンB12=1Ap/15min)を開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。歩行および姿勢改善しており、毎週グルタチオン点滴継続とした。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Hb10.7,Zn50以外異状なし。VitB1=24,VitB12=482,葉酸=5.5。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。
​患者やその家族を思いベストを尽くす~3つの点を辿って~
開業して15年間が経ちました。脳神経外科医として名古屋市立大学脳神経外科および関連病院で10年間。脳神経学者としてUniversity of Pensylvania (UPENN) 、Department of Neurosurgeryで6年間。認知症専門医として長久手南クリニックを開業して15年間。​Steve JobsがStanford Universityで行ったスピーチ​の中で"connecting the dots "、「点と点をつなぐ」という話をしています。
私にとって脳神経外科医としての経験は、一つ目の点です。医師として救急対応、全身管理、および頭部画像読影を学びました。1年目、3ヶ月間の麻酔科研修を受けてから関連病院である蒲郡市民病院へ赴任して、夜中に救急外来で呼ばれる毎日でした。最初の2人のボスは、名古屋市立大学および東海高校(偶然にも)の10年および20年先輩であり、20年先輩の故梅村訓先生には医師としての心構えを教えていただきました。10年先輩の大原茂幹先生には脳神経外科医としての基本を教えて頂きました。それからも名古屋市立大学脳神経外科および関連病院を転々としながら、6年目には脳神経外科専門医​試験を受験して、3名受けて私のみ一発合格を果たしました。その後、名古屋市立大学でラット脳虚血モデルにおけるbFGF遺伝子発現についての研究論文を書き上げ、医学博士を取得することができました。
10年目には脳神経学者としての経験は、二つ目の点です。​Douglas H. Smith, MD、Director ,Center for Brain Injury and Repair、Department of Neurosurgery、 University of Pensylvania (UPENN)​ へ海外留学することになりました。現地では、頭部外傷(Traumatic Brain Injury)とアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)との関連を研究していました。ラット頭部外傷モデル、ミニブタ頭部外傷モデル、ラット培養神経細胞軸索損傷モデルを用いて、頭部外傷を契機に神経細胞(軸索、樹状突起を含む)にアミロイドが沈着しましたが、時間経過と共にアミロイドやタウ蛋白はミクログリアにより取り除かれてくることがわかりました。頭部外傷(Traumatic Brain Injury)とアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)とは似て非なる者であるということです。頭部外傷ラットにMK801(NMDAレセプターアンタゴニスト/メマリー類似物質)を投与しても全く効かなかったものの、その後の研究でアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)にメマリーが60%の確率で効き目があったことも大きな違いでした。ラット頭部外傷モデルにおけるApoE遺伝子発現についての研究論文も書き上げました。
認知症専門医としての経験は、三つ目の点です。帰国後、​大隈病院(脳神経外科専門医である真砂敦夫理事長は東海高校の同級生)​から通院困難となった患者に対する定期往診を始めました。在宅には多くの認知症患者が隠れていることを知り、認知症治療について勉学に励みました。介護保険を学び、ケアマネージャーを通してドクターコウノ(老年専門医である​名古屋フォレストクリニック河野和彦院長​)に出逢いました。定期往診する前に、他院の診断を疑い、自らの手で認知症診断および治療の道を決めることが出来るように長久手南クリニックを開業しました。そのために自院に頭部CT(関連病院などで馴染みの深いGE製16列)および認知症問診(問診/時計描写テスト/改訂長谷川式簡易認知症テスト/語義失語テスト/老人性うつ病スコア/発達障害スコア/アルツスコア/レビースコア/ピックスコアなど)を備え、15年間認知症医療を実践してきました。
Steve Jobsが言っているように「3つの点は逆行性に遡る」ことしか出来ません。その後の人生で本当に役に立つかどうか分からないことを自分の本能に従って行動していると、どこかで点が繋がったのです。脳神経外科専門医で得た医師としての心構えで神経学的所見、頭部CTを読影し、脳内に起こっている伝達物質の様子を想像してどんな治療が必要であるか判断して、認知症問診を駆使して確定診断に至ることが出来ているのです。どの点が欠けていても今の自分はないと思います。どの出逢いが欠けていても今の自分はなかったのだと思います。






Last updated  Jun 27, 2022 03:02:15 PM
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