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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Mar 16, 2025
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ドクターイワタの認知症治療
​​​​~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名​~​​​

認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。

​問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。

​新患予約サイト​​​​
​​​​​

栄養障害が発達障害や認知症を発症させる​
​~栄養食事指導、栄養補助薬、サプリメントから治療を始めるべきです~
発達障害も認知症も栄養障害が原因で発症する方が多いのです。低タンパク質(アルブミン)血症、低コレステロール血症、高中性脂肪血症の組みあわせの方が非常に多いのが特徴です。発達障害も認知症の素因を持っている方でも栄養障害にならなければ普通通りの生活を送ることが出来る方が多いのです。栄養障害を予防するためには、定期的に血液検査を受け、栄養食事指導を受ける必要があります。実際に栄養食事指導だけで発達障害や認知症が改善されます。栄養状態が改善してから発達障害や認知症治療薬を投与すれば、副作用無く治療効果が得られます。逆に、栄養障害があるのに治療薬を投与しても効かないし、副作用に悩まされることになります。今までも書いてきましたが、発達障害や認知症は栄養食事指導、栄養補助薬、サプリメントなどから治療を開始して、他に症状を改善させる手段がなくなって初めて治療薬を投与すべきです。



​グルテン(小麦粉)とカゼイン(牛乳製品)は毒である​
​~小麦粉と牛乳を止めれば難病や癌を予防出来ます~​
慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患はグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエット指導により、リーキーガット症候群が改善させることが一番大切です。グルテンやカゼインは腸粘膜機能不全を起こし、身体に入るべきではないタンパク質を誤って身体に入れてしまい、それに対する抗体が出来、身体の一部を攻撃するのです。原発性とか特発性とか一見、難しそうな名前が付いた病気はすべてリーキーガット症候群が原因の自己免疫疾患なのです。自分の身は自分で守るしかありません。グルテン(=小麦粉)やカゼイン(=牛乳製品)を止めることが元気で長生きするためにはとても大切なことです。しかし、自己免疫疾患を扱う医師は全く栄養食事指導をせず、薬ばかりに頼っているのが実情です。栄養食事指導をして生活習慣を改善することで根本を治ることが本当の治療なのですが、毎回同じ薬を処方して満足しているのでしょう。往診先の介護施設長が慢性関節リウマチに罹患していると伺い、私がグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエット指導をしました。この方は完璧に実践して、2週間で関節痛が改善、1か月でペインフリーになりました。驚いたことに担当医がプレドニン15mgを3か月間かけて漸減して中止になったと教えてくれました。もう1人、テニスのコーチが尋常性乾癬で皮膚発疹が酷かったのですが、私がグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを指導し、完璧に実践され、数ヶ月で全く発疹がなりました。現在は全く発疹がありません。


​症例報告​


知り合いからの紹介である。既往歴:R1/11脳梗塞、呂律不全、左半身麻痺、大隅病院。松阪クリニック①シロスタゾール100㎎②リバロ1mg③メチコバール1.5mg。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、夜間排尿3回、左不全片麻痺を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:1、特発性基底核石灰化症(IBGC)/レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバロ1mg中止、メチコバール1.5mg継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシロスタゾール100㎎からプレタール100mgへ変更、シトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+5)、近時記憶4/6(+1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TG181以外異状なし。VitB1=26,VitB12=632,葉酸=5.3。中性脂肪高値にグルテンフリーダイエット指導、葉酸低下症に栄養指導を行った。
治療のポイント
1.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。
2.プレタール先発品:認知症改善効果
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
5.シトルリンによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。




知り合いからの紹介である。既往歴:R7/1/18転倒して左後頭部切創、公立陶生病院。林整形外科①エディロール。物忘れ、日光過敏、易転倒を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、特発性基底核石灰化症(IBGC)/レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+6)、近時記憶5/6(+1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn75以外異状なし。VitB1=38,VitB12=70,葉酸=21.9。ビタミンB12欠乏症に対してメコバラミン1mg、シアノコバラミン1Ap筋注を開始した。卵を毎食1個食べるように栄養指導した。
治療のポイント
1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
2.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。




知り合いからの紹介である。既往歴:R6前立腺がん、放射線療法、八事日赤。同病院①トレシーバー300単位②メキシチール③テルミサルタン④アクトス⑤アマリール⑥ジャディアンス⑦メトホルミン⑧ベイスン。はなみずきクリニック①アリドネパッチ27.5mg。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にアリドネパッチ27.5mgを継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、シトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。糖尿病にグルテンフリーおよび砂糖減量を指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+4)、近時記憶5/6(+4)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TG166,Zn78以外異状なし。VitB1=22,VitB12=253,葉酸=4.1。ビタミンB12欠乏症に対してメコバラミン1mg、シアノコバラミン1Ap筋注を開始した。
治療のポイント
1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
2.プレタール先発品:認知症改善効果
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。
3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
4.シトルリンによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。




知り合いからの紹介である。既往歴:H21/7脳梗塞、右不全片麻痺、公立陶生病院神経内科①プラビックス75㎎②パリエット10mg③クレストール2.5mg④エゼチミブ10mg⑤アムロジンOD5㎎。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数。 以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にパリエット10mg/クレストール2.5mg/エゼチミブ10mg中止、アムロジン5㎎→2.5mg減量、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプラビックス75㎎継承希望、シトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.6,TCL170,Zn68以外異状なし。VitB1=28,VitB12=329,葉酸=6.7。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。
治療のポイント
1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止
プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。
2.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。
3.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
6.シトルリンによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。
7. ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
8.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。


知り合いからの紹介である。既往歴:名東ホスピタルリウマチ科①アクテムラ点滴②ビビアント20mg。同内科①テラムロ配合錠AP(ミカルディス40mg/アムロジピン5mg)。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、特発性基底核石灰化症(IBGC)/混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:20.5/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能低下にテラムロ配合錠AP(ミカルディス40mg/アムロジピン5mg)→アムロジピン2.5mg、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。慢性関節リウマチに対してグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエット指導をした。最近3日間の食事メニューからビタミンB12低下症を疑い、メコバラミン0.5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:23.5/30(+3)、近時記憶3/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn62以外異状なし。VitB1=26,VitB12=179,葉酸=5.8。25-OHビタミンD=13.8ng/mL。ビタミンB12欠乏症に対してシアノコバラミン1Ap筋注開始、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンD欠乏症にエディロール0.75μgを開始した。
治療のポイント
1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。
2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療
赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
4.シトルリンによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。
5. ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
6.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
7.ビタミンD欠乏症
ビタミンDの生理作用の主なものに、正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収促進、血中Ca濃度調節、神経伝達や筋肉収縮を行う、免疫機能を調整する、ホルモンバランスを調整する働きがあります。ビタミンD2欠乏症=日光不足(特に冬は紫外線量が減るため)、ビタミンD3欠乏症=栄養不足(きのこ類(きくらげ、干し椎茸、まいたけ、エリンギなど)、魚介類 (しらす干し、サーモン、イワシなど)、卵 (鶏卵、うずら卵))。ビタミンD2とD3は同等の働きがあります。





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Last updated  Mar 16, 2025 10:30:33 PM
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