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カテゴリ:認知症専門外来と専門往診の二刀流
医者が認知症を作っている~医原性認知症を排除すればあっと驚く回復が起こる~ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ドクターイワタの認知症治療 ~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~ 認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト 上記、新患予約サイトにて予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。 問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸)ビタミンD、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日からサプリメント治療および他院投薬調節を行います。1週間後には血液検査結果に従って食事指導および補充療法を開始します。自己免疫疾患やアレルギー疾患がある場合はGFCF指導もおこないます。 新患予約サイト ![]() 症例報告 ![]() 親戚からの紹介である。既往歴:H19/9心筋梗塞、ステント留置、藤田医科大学。 加藤内科医院①バイアスピリン100mg/タケプロン15mg②クレストール2.5mg③レニベース5mg④アーチスト2.5mg。物忘れを呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤多発性脳梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、医原性認知症(ID)/前頭側頭葉変性症(FTLD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト: 8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケプロン15mg/ロスバスタチン2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。17日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+4)、近時記憶6/6(+2)と中等度改善、治癒状態となった。甲状腺正常。一般採血:BUN26.6,TCL140,Zn72以外異状なし。VitB1=37,VitB12=244,葉酸=6.6,VitD=21.7。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン0.5mgを開始した。 治療のポイント 1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止 プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。 2.スタチン中止 高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。 3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。 4.ビタミンB12低下症 ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。 ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:H25/12脳梗塞、左上肢脱力、右頸動脈狭窄症ステント留置、名古屋市立大学。R5前頭側頭型認知症、名古屋フォレストクリニック。R7/1一旦停止違反、認知機能検査指示。R7/2/1フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠/ヘスぺリジン・ナリルチン・α-GPC2Cap開始。R7/3/11HDSR:20/30、金山クリニック①バイアスピリン100mg②降圧剤③スタチン。物忘れ、易興奮、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にスタチン中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠/ヘスぺリジン・ナリルチン・α-GPC2Cap継承した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+7)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:K5.2以外異状なし。VitB1=38,VitB12=366,葉酸=18.5,VitD=28.7。脳梗塞にバイアスピリン100mg継承、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg開始した。 治療のポイント 1.スタチン中止 上記参照 2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 上記参照 3.ビタミンB12低下症 上記参照 ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:H17意識消失発作、内服薬不明、名古屋記念病院。蛍光灯取替、上方視、意識消失発作。R3膀胱炎、膀胱脱、中村日赤。R5餅投げ、上方視、意識消失発作。物忘れを呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:2、ピックスコア:0、軽度認知障害(MCI)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。脳血管性認知症(VD)に椎骨脳底動脈循環不全(VBI)(後屈で意識消失発作)、両下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)(両下肢冷感、両側足背動脈触知出来ず)にシトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+3)、近時記憶5/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:異状なし。VitB1=27,VitB12=347,葉酸=7.6,VitD=21.8。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg開始した。ビタミンD低下症にエディロール0.75μg開始した。 治療のポイント 1.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療 赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。 2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 上記参照 3.ビタミンB12低下症 上記参照 4.ビタミンD欠乏症 ビタミンDの生理作用の主なものに、正常な骨格と歯の発育促進が挙げられます。小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収促進、血中Ca濃度調節、神経伝達や筋肉収縮を行う、免疫機能を調整する、ホルモンバランスを調整する働きがあります。ビタミンD2欠乏症=日光不足(特に冬は紫外線量が減るため)、ビタミンD3欠乏症=栄養不足(きのこ類(きくらげ、干し椎茸、まいたけ、エリンギなど)、魚介類 (しらす干し、サーモン、イワシなど)、卵 (鶏卵、うずら卵))。ビタミンD2とD3は同等の働きがあります。 ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:R6/10/25-11/17三叉帯状疱疹、愛知医科大学。R7/1/3&1/9脳脊髄MRI、愛知医科大学。肺マック症、東名古屋病院 ①ジスロマック250㎎②エブトール500mg③ミヤBM3錠④ガスモチン15mg⑤ネキシウム20mg。愛知医科大学神経内科①フェルビナクスチック②カロナール1200mg③ツムラ葛根湯3包。名東ペインクリニック、ブロック注射。物忘れ、暴言を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、特発性基底核石灰化症(IBGC)/軽度認知障害(MCI)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24.5/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。独居生活/神経痛のためメコバラミン1mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+1)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.5,TIBC247,Zn61以外異状なし。VitB1=24,VitB12=549,葉酸=6.0,VitD=22.9。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンD低下症にエディロール0.75μg開始した。ビタミンB12は充足しており、メコバラミン中止した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+1.5)、近時記憶4/6(+-)と更に軽度改善した。 治療のポイント 1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 上記参照 2.味覚低下または亜鉛欠乏症 亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。 3.ビタミンD欠乏症 上記参照 ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:東海病院①ネキシウム20mg②クレストール2.5mg③マグミット④ガスモチン⑤アンプラーグ300mg。京命クリニック①デノタス②フィブラストスプレー③プロスタンディン。物忘れ、尿便失禁、両下肢血行障害を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球/歯状核石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:0、特発性基底核石灰化症(IBGC)/レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にネキシウム20mg/クレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)および両下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)にシトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+1)、近時記憶1/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN28.2,s-Cr1.05,eGFR36.8,Alb3.3,TCL166,TG153,TIBC240,Hb11.3,Zn54以外異状なし。VitB1=13,VitB12=236,葉酸=6.0。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg開始した。35日後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(+2)、近時記憶1/6(+-)と更に軽度改善した。 治療のポイント 1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止 上記参照 2.スタチン中止 上記参照 3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 上記参照 4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療 赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。 5.味覚低下または亜鉛欠乏症 上記参照 6.ビタミンB12低下症 上記参照 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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Apr 27, 2025 04:14:52 PM
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