会津キリシタン研究所

2013/03/08(金)16:38

旧高遠藩領内の風景

信濃の風景(56)

            【旧高遠藩領内の風景】 この3枚の写真は、伊那市高遠町にある民俗博物館の敷地内に復元された、絵島という大奥御年寄の女性ですが、ある事件を起こし、高遠藩に遠流という判決を受け、初めは高遠町非持に建てられていたのですが、後にこの辺りに移されたと説明板に記されています。 先日、都心である方にお会いしたのですが、待ち合わせ場所へ早く着き過ぎてしまって困ったのですが、待ち合わせた場所で古書市をしていたので少し本を見ていたら、石井良介『将軍の生活その他』(自治日報社出版局、昭和46年、東京)というのがあったので、手に入れてきました。そして、この中に絵島事件のことが記されているのですが、最後の部分が何かスキッとしません。 この写真を撮った時にはあまり気にならなかったのですが、絵島の墓があるお寺の歴史を知り、『会津藩家世実紀』に残っている記録と合わせて考えると、実に不思議なことが見えてきます。この絵島は元和元年(1681)生まれで、寛保四年(1741)に数え年六十一歳で亡くなっています。 本来であれば死罪も免れなかったであろうと思われる大奥の女性が、何故、遠流刑になったのか。そして、それが何故、高遠藩だったのか。この時代の高遠藩主は内藤家です。この事件は明治14年になって大阪中座で歌舞伎として上演されたそうです。前述の本には、その時の写真も載っていました。

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