会津キリシタン研究所

2015/03/22(日)08:06

会津の「子安観音」像

キリシタン(16134)

                   【会津の「子安観音」像】 前回の無文字墓石がある墓地を訪ねた帰りに、この「子安観音」像が残っているところに寄りました。乳房のある「子安観音」像ですが、会津のとあるお寺のご住職は、この「子安観音」像の写真をご覧になった瞬間に、「これは仏(ブツ)ではない。」とおっしゃいました。それだけではありません。この「子安観音」像が置かれている建物は、かつては浄土宗のお寺が建てられていた場所です。 不思議なことなのですが、会津だけでなく、様々なところでこうした不思議なことに出会って来ました。そして、この一帯にも明らかにキリシタンの痕跡であると考えられるモノが残っています。しかし、この「子安観音」像に関しては、『新編会津風土記』にはその記録がありませんし、この一帯にある村々にキリシタンがいたということも『新編会津風土記』には載っていません。 史料に記録がないと、歴史書に書かれないことがほとんどなのですが、少なくとも2013年7月20日に、この建物にこの実に不思議な「子安観音」像があったことは事実です。そして、この一帯を少しじっくり巡ったことがあるのですが、その時に出会った姓が、伊那高遠にもあることを知って、会津のキリシタン史を垣間見ることが出来ました。 史料だけから歴史を再構成しようとすると、史料の編纂者の意図に填ってしまいます。また、編纂者があえて偽名で記した人物に関しても、残されているモノから考えると、非常に重要なことが見えてきます。あるところに残っている五輪塔などのはその典型で、その五輪塔に彫られている文字列が会津のキリシタン史の重要なことを示しています。

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