2015/07/29(水)15:03
会津の不思議な観音堂
【会津の不思議な観音堂】 これは以前にもここでご紹介したことのある、会津のとある村にある観音堂と、中に祀られている十一面観音像です。墓地から少し山の斜面を登ったところに建てられていましたが、『新編会津風土記』にはこの観音堂に関する記述はありません。ですから、この観音堂に出会って非常に驚きました。 この墓地で出会った村の方にお伺いしたら、この村には「○○」という姓の家しかないとのことでした。そして、その「○○」という姓の家は、保科正之公が山形最上から会津へ移封されて来られた頃に、山形最上から会津へ移住してきた家であると『新編会津風土記』の別のところに記されています。 そして、この墓地にある墓石に彫られた戒名からすると、この村の檀那寺は浄土宗のお寺であろうと考えられます。ですから、この観音堂に祀られている「十一面観音菩薩」が気になって仕方がありません。それで、この村から少し下ったところにある浄土宗のお寺を訪ねてみたのですが、お寺のすぐ近くに毘沙門天石像が祀られていました。 しかし、浄土宗のお寺の檀家が、何故、こうした「十一面観音菩薩」ヲ祀ったのでしょうか。会津でも、浄土宗のお寺に観音堂が建てられているケースがありますが、念仏系の宗旨で観音菩薩を祀ることは実に不思議なことです。